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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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淡水魚も美味しいよ

 マラソン大会が終了すれば、学校行事はほぼないのが三学期らしい。厳さんも義姉さんによるトレーニングが終了していつも通りの生活に戻っているようだ。ただ、詳しくは話してくれないけれど義姉さんと軽い運動を一緒にしているみたいだな。何らかの厳さんの性癖が開花したのかもしれない。


 鳳来「へー。スキー教室の希望者募集ねぇ…って()っか!」

 烏野「嫌な部分を尋ねていたら申し訳ないんですけど雪華ちゃんは北欧の血が入っているから得意ですか?」

「あたしの場合、髪色は遺伝したけどその他は受け継いでないね。サウナも苦手だからさ」

 烏野「そうなんですね。もし、気分を害したらごめんなさい」

「平気だよ。だから気にしないで」

 烏野「はい」

 朝のHRで配られたのはスキー教室の案内。ただ、学校行事としてでは無く参加費自己負担で土日の一泊教室になる。当然だけど振替休日はありません。

 烏野さんに聞かれていた内容は、昔の雪華だったら嫌な思いをしたかもしれない。だけど、雪華の気分に配慮した聞き方だし、仲良くしている烏野さんだから返答したのかもな。嫌な場合は俺に助けを求めてくるはずだし。


 結局、内宮班からスキー教室への参加は0人。クラスメイトの中にはスキーやスノボが好きな人達もいるみたいだけど、そういった人達は初心者教室には行かないよね。尚、窓際残念族は参加するみたいで「スキー場でお姉さんが俺達の事を待ってるぜ!そして、スキー以外も手取り足取り腰取り教えてもらうのさ!ぐへへへへ」とクラス内に聞こえる声量で言っていて全員ドン引きしているよ。参加用紙を記入して九條先生に提出していたけど、費用ちゃんと見たのかね?鳳来さんが思わず声に出したように高いよ?まあ、関係無いから知らんけど。


 放課後の教室で蔵持先生からスキー教室には参加しないのか聞かれたので。

「スキー教室に行くなら、ワカサギ釣りに行きたいですね。今月後半まで海釣りはおあずけだし」

「ワカサギ釣りには行くんですか?」

「残念ながら船の予約が満員で無理でした。この時期はメスがお腹に卵を持つので、子持ちわかさぎで美味いんですけどね」

「内宮君」

「はい?」

「そんなビールのアテに最高なものを軽々しく言わないで頂戴!釣りに行かないなら食べられないじゃないですか!」

「蔵持先生落ち着いて下さい。ここはいつもの空き教室じゃないんですよ」

「はっ。 んんっ、失礼」

 内宮班のみんなが先生と俺を取り囲んでいて良かったよ。蔵持先生はビシッとした教師の雰囲気で人気があるからね。まあ、内宮班の皆は本当は愉快な()である事を知っているからいいんだけど。お酒が入ると陽気になるんだよ、この先生。

「そんな先生に朗報です。商店街の魚屋さんで大きく太ったワカサギを取寄せてくれますよ。しかも養殖のホンモロコも取寄せ可能です」

「あそこの大将ですか。私も面識があるのでお願いしてみます。ところでワカサギはわかりますが、ホンモロコとは?淡水魚に関しては疎いので」

「ホンモロコもワカサギに似て小魚なんですよ。一度食べてみたらどうですか?素焼きがおすすめですよ」

「へえ、いいですね。では、先生はこれで。皆さん気を付けて帰って下さい」

 教室を出ていく先生を見送り、俺らも帰ることにする。


「ひろ君。子持ちワカサギ近日中に食べようよ」

「そんな雪華に朗報です。本日の晩飯は子持ちワカサギと子持ちホンモロコの天ぷらとなっております」

「でも、このバスは商店街方面には行かないよ」

「今日は母さんが買い物に行っているから平気。俺達は愛美と朝輝のお迎えに保育園に寄ってからの帰宅だ」

「彩夏ちゃんは?」

「今日は短縮授業みたいで、母さんと一緒だから問題ないよ」

「そうなんだ」

 今日の雪華はバイトは休み。揚げ物は温めなおしするより、揚げたてが美味しいからね。雪華の休みの日を狙いました。


 〜後日、商店街の魚屋にて〜

「なあ、あんちゃん。子持ちワカサギとホンモロコの注文依頼が増えてんだけど、何か知らねえかい?」

「ああ。実は、今が旬の美味しい淡水魚ってことで学校で話題にしたからその影響かな?」

「なるほどな。鮭かまも相変わらず注文依頼があるし、あんちゃんには感謝だな。またオマケすっからな」

「俺は嬉しいけど、かあちゃんに怒られないの?」

「はっはっは。大丈夫だ!かあちゃんも内宮のあんちゃんには感謝してっからオマケが増えても文句言わねえよ!」

「なら、いいけど。近日中にアマダイとかの刺身盛り合わせを頼むと思うからよろしくね!」

「おう!任せときな」


 どうやら鮭かま大根の魅力に取りつかれた人達がいるみたいだな。ただ単に俺の知らない鮭かまが目的の別な人かもしれないけどね。

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