表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

189/193

マラソン大会

 ここ最近、厳さんが少し疲れた表情で登校してきているので心配だ。

「厳さんどした?体調悪いなら保健室に付き合うぞ」

 俺と喋っていた昌史も心配している。

「ああ。体調が悪いわけじゃないから大丈夫だ。連休明けから朝と晩に少し運動していてな」

「急にどうしたんだよ。厳さんらしくもない。運動するのは画面のキャラだけなのに」

「本当のことだけど、辛辣な言い方はヤメテ。実はな、今週にあるマラソン大会に向けて姉ちゃんと走ってるんだ」

 意外な答えに驚き詳しく聞くと、マラソン大会があるのを知った厳さんの義姉さんから走るのを強制されているらしい。マラソン大会と言っても陸上部でやるような距離を走るわけでは無いけど走るのに慣れておくのはいい事だよな。体育の授業でも今月は持久走がメインだし。


「でもさ、順位付けはあるけれどタイムの強制は無いし、歩いたり走ったりでも平気なんだし気楽にやろうぜ」

「確かに、体力作りの面が大きいからな」

 そう言って昌史がトイレで離れたタイミングで。

「それに義姉さんも一緒に走ってくれてるんだろ?汗をかいた色っぽい義姉さんを間近で見れてラッキーって思っとけよ」

「あのなあ」

「実際、励みになるだろ?」

「否定出来無いのが悔しいぜ」


 ◇◇◇


 さて、本日はマラソン大会当日です。

 場所は学校の敷地内では無く、少し離れた芝生緑地で開催される。緑地内は常時一般開放されているような場所では無いらしい。

 大会はこの緑地内を学年別に走るというシンプルなもの。ただ、結構起伏のあるコースみたいだな。


 マラソン大会は現地集合、現地解散となっていて今日の授業はこれだけ。

 まずは現地に集まり各クラスごとに出欠確認。その後、準備体操をしてから走り始めるみたいだな。途中で道順とは違う()()()()をして順位を上げれば、部活に入っていなくとも長距離走のメンバーに選抜されるみたいだから、自分の首を自分で絞めるかたちになるな。まあ、そんなヤツがいても学年全体で走っているんだから報告されておしまいだろうけど。


 俺と雪華はバス停へと向かっている。現地集合とはいえ、ジャージに着替える場所が無いから校内は開放されているので学校で着替えてから現地に向かう予定だ。俺達1年は普段の授業なら昼休憩の時間に走ることになっているので時間には余裕がある。

「なあ雪華。いくら恋人同士とはいえセクハラになるかもだけど、今日はおムネを強調してないか?」

「ひろ君心配?」

「心配というか何というか複雑な心境ではあるな」

「強調というよりかはスポブラで固定しているといったほうが正しいかな。体育の授業で激しい運動になりそうな時と同じだけどね」

「どういうこと?」

「おムネにはね、クーパー靭帯というのがあるんだけれど、これは損傷すると元には戻らないのよ」

「ふむふむ」

「で、このクーパー靭帯はおムネのハリを支えているから大切にしてあげないといけないの」

「なるほどなあ」

「今後は様々な要因で損傷していくけどさ、ひろ君のためになるべく美しいおムネを維持したいからね」

「努力していただき、ありがとうございます」

「ちなみになんだけど、アニメでおムネが大きいのを強調するためにバルンバルンさせているけど、あんな事をしたら損傷しまくりで早々にハリが無くなるわよ」

「へえ。勉強になったよ」

 そんな会話をしながらバス停に到着する。


 学校に到着し、雪華は着替えの女子用に開放されている教室に行ったので、俺は一足先にいつものクラスの教室に向かう。待ち合わせはこの教室だし、俺も着替えるしな。着替え終わり、廊下のロッカー前にいると雪華も来て自分のロッカーに私物を仕舞ったので緑地へと出発する。


 いつもの最寄り駅から、その路線の終点近くまで乗ったら徒歩数分の場所にあった。同じ学校の制服やジャージの人達がウロウロしていたから迷う心配は無かったな。現地には内宮班のメンバーも到着していたので、点呼があるまで雑談をする。


 出欠確認も終わり、準備体操が終われば走り始める。申し訳ないけど、近くにいた厳さんと新山君とはお別れ。自分のペースで走らないと逆に疲れちゃうからな。俺自身も走るのはジムにあるルームランナーがメインなので起伏のあるコースは苦手だ。ゴールで順位札を受け取り、担任の九條先生の元へ行って記録してもらえばマラソン大会は終了だ。


 クラス点呼のあった場所に向かえば。

「ひろ君お疲れさま」

 タオルとスポドリを持った雪華に迎えられる。

「雪華もお疲れさま。順位はどうだった?」

「中の中って感じかな。ひろ君は?」

 スポドリを一口飲んでから。

「俺も同じ。授業以外は室内で機械を使って走るから起伏があるのはダメだったよ」

「そっかあ。来年に向けて克服するの?」

「体育祭の時に短距離で目立ったから、これ以上は走るので目立ちたくないからそのまま。陸上部に誘われても入部しないし」

「そうだね。得意ってほどじゃないもんね」

「そゆこと。運動するのが嫌いではないって程度だしな」

 そんなやり取りをしている間にクラス全員がゴールしたので解散の流れとなった。他クラスも含めてあちらこちらでは仲良しグループで昼飯を含めた遊びに行こうって話題だけど、内宮班もここで解散。


「午後が自由になるとは言っても中途半端な自由も困りものね〜」

「そうだね。この後バイトだし、足は休めないとね」

「立ち仕事だもんね」

 俺達と同じく学校着替え組だった明槻さんと鳳来さんと一緒に喫茶店で昼飯を食べながら休憩中だ。烏野さんは彼氏が同じ高校なこともあり、バイトを休みにしてデートに行ったよ。


 疲れからか会話は弾まなかったけど、気まずい空気にはならずに喫茶店を出て雪華達はバイト先へと向かった。

 帰宅した俺は、雪華を迎えに行く時間まで資格の勉強をして過ごす。


 雪華はマラソン大会に立ち仕事のバイトで疲れていたみたいで就寝前の時間は無しになり、お互い寝ることにした。俺もべッドに入ればすぐに眠りの世界へ向かったよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ