ブダイ釣り
通常授業が始まったと思ったら週末には連休に突入する。感覚的にはここまでが冬休みだよなあ、授業はあるけど特別授業だと思えば乗り切れるぜ。
さて、雪華にはバイトがあるけれど全部出勤する訳では無い。なので、植物の展示即売会があるから提案してみることにした。
「シャコバサボテンとクリスマスローズの展示即売会?」
「おう。植物の展示即売会で何度か行っている、あのビルでやるんだけど行かないか?」
「う〜ん。クリスマスローズは原種系も販売されるの?」
「どうだろ?改良品種が多いと思うけど」
「なら、釣りに行こうよ。2月後半位から雪割草の展示即売会があるんでしょ?そっちにお金使おうよ」
「わかった。なら、釣りに行くか」
「やった。ひろ君大好き」
釣り当日。冬特有の雲の少ない青空のいい天気だ!寒いから防寒対策は万全で出発する。今回のターゲットはブダイなので磯場に近い防波堤で釣ることにした。二学期が始まり、ハゼパ前のガサガサで雪華が「縦の段々畑みたいだね」と表現した方向の釣り場だ。
「今回はこっちなんだ」
「おう!この時期のエサの海藻類が豊富な磯場近くの防波堤だからな。いつもの防波堤は明槻さんと一緒の時に雪華が釣ったように居ない訳では無いけれど、釣れる確率はこちらが上だと思うからな」
それに新年最初の釣りだから、東に広がるこちら側の海で手を合わせておきたいというのもあったりする。
防波堤に到着した俺達だけど、釣り人は家族連れと思われる一組だけ。一応、この場所が釣り禁止エリアになっていないかは駅前にあった釣り具屋で確認済だし、ブダイ釣りにオススメだと言う海藻も購入した。
さてと、まずは海に向かい手を合わせて目を閉じる。
(今年も海の恵みを頂戴します。事故無く海遊びが出来ますように)
釣り納めの時に海に感謝したように、今度は今年一年の安全を祈願する。
「ひろ君?どうかしたの?」
「ごめんごめん。今年一年、海遊びが楽しめますようにって願っていたからさ」
「そういうの大事だよね。あたしも手を合わせておこうっと」
そう言って手を合わせて目を閉じる雪華。些細な事だけどさ、こういうのを共感してくれる雪華はやっぱり最高の恋人だよな。
さて、祈願も終わったので釣りを開始する。お互い厚手のコートを着ているけど、かなり密着しているので体温を感じられる、気がする。
今日の雪華は、いつもの長いマフラーは着用していないけれど、暖かそうなネックウォーマーは首に巻いている。
釣り始めて数時間、昼も過ぎて自宅に居る場合はおやつの時間が近づいてきた。
「雪華、そろそろ納竿して遅くなったけど昼飯食べて帰らないか?」
「そうだね。家の分だけなら釣れているから帰ろっか。何食べる?」
「ここの近場のファミレスで味噌ラーメン食べよう。ファミレスだから、作法があるかの心配は無用だからさ」
「味噌ラーメンは温まりそうでいいね。ただ、旅行先で美味しい味噌ラーメンを食べたばかりだからなあ」
「うっ。確かにそれはあるな。でも、それを言い出したら他のものも食べられなくなるからな」
「だよねー」
そんな会話をしつつも片付けを終えて、釣り始めとしても上々の滑り出しに満足しながら自分達が出したゴミが無いかを確認して防波堤を後にする。
ファミレスは連休中ではあるけれど、中途半端な時間のせいか人はまばらで、来てすぐに席へと案内される。
俺と雪華は味噌バターラーメンの麺大盛りを注文した。ここはラーメン店では無いのでトッピングを増やすことは出来無いけれど、味噌バターにはコーンも入っている。残念ながら味玉は無いけどね。ラーメンは味噌だけで、醤油とかの他の味は無し。というのも、期間限定のフェア中のみ食べられるメニューだからだ。なので、限定の味を食べられる貴重な機会でもあったわけだな。
店から出て、駅で電車の待ち時間に味噌ラーメンの感想を言っていると電車が到着したので乗れば、運良く直通で最寄り駅へと帰ってこれるやつだったから楽できた。
「「ただいまー」」
玄関を開けて帰宅の挨拶をすれば。
「「おかえりー」」
と愛美と朝輝が迎えてくれる。残念ながら手洗い前なので、頭を撫でるのはお預け。
手洗いうがいを終わらせて部屋着に着替えたら妹弟三人の頭を順番に撫でてから晩飯の支度をする。
今日の晩飯はもちろんブダイ鍋。昨日の内に鍋に必要な野菜類やきのこ類、しらたき等は買ってあるのですぐに出来る。
魚がブダイだけの鍋の場合、締めはおじやか雑炊がおすすめ。ブダイの旨味をお米に吸わせて食べると最高だぞ。
今日の鍋で使用したブダイは赤い個体だけど体長はオスでもおかしく無い大きさだったので、正妻ポジションだったのかもしれないな。明日は肉料理で、連休最終日は再びブダイ料理の予定となっている。ただ、鍋物では無くてムニエルの予定だけどな。料理の幅広さもブダイのいいところだよ。
え?味噌ラーメンの感想?麺は太麺で味噌とバターが濃厚で美味かったよ。




