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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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7日

 久しぶりの家族旅行にも行った冬休みも今日で終わり、明日からは三学期になる。そして、卒業や入学といった去年俺達が経験した時期が近づき、俺達も進級する。そう考えると、少し先ではあるけれど一年経つんだなあと思ってしまう。そして、進級して雪華との同居が始まった日にも同じ感想を抱くのが丸わかりだよな。


 さて、今日は七草粥を食べる日だ。正直言うとさ、お粥って風邪とかの病気で胃腸が弱った時に食べるだろ?健康体の時に食べると物足りないと感じてしまうんだよね。なので、一杯目はお粥を食べて二杯目からは普通のごはんにしている。年末年始に暴飲暴食はして無いから、家族全員胃腸は健康だしさ。ところで春の七草には“ほとけのざ”があるけれど、あれはキク科のコオニタビラコのこと。実はシソ科にホトケノザがあるから混同してはダメだぞ。ちなみにシソ科のホトケノザは春にピンクの小さな花を咲かせるのだけど、これを摘み茎側のほうを吸うとほんのり甘いんだよね。綺麗な草地があった時には彩夏と一緒に吸いに行って変な目で見られていたのは懐かしい思い出。今じゃ庭の片隅に少しだけ生えている()()()()()()のを、妹弟が吸っているけどな。


 そんな事を思っていると。

「春の七草のカブ(すずな)大根(すずしろ)以外さ、庭にあるのにどうして買ってるの?」

「この時期だと成長してないだろ?わざわざこの一日のために促成栽培はしないって」

「それもそっか」

 七草粥を食べ終えて二杯目のごはんを食べつつ雪華が質問して来たので答える。ちなみに秋の七草も全種類育てているけどな。


 今日は俺が愛美と朝輝を保育園に送っていき、帰宅後は彩夏の冬休みの宿題の最終チェックを一緒に見てあげて、全部終わっているのを確認したら雪華と一緒にバイト先へと向かう。

 俺達よりも少し遅く来た鳳来さんに新年の挨拶とお土産を渡して、明日からの学校の話題で雪華を含めた三人で盛り上がり開店時間となったので帰宅する。


 今日の昼飯も三人でメニューはそば。念の為に購入した年越しそば用の乾麺タイプを消費してしまう。鴨肉は残念ながら無いので、少しの豚肉とわかめのそばとなっております。もちろん、刻みねぎもあるぞ。麺類に変わりは無いけれど連日のラーメンはちょっとな、と思ったからさ。

「あやちゃんの宿題は大丈夫?」

「大丈夫。雪華をバイト先に送る前に確認したけれど全部終わってる。ランドセルにも入れといたけど明日の朝にまた確認しておくよ」

「わかったわ。いつもありがとね」

「おうよ」

 そばを食べながら母さんに聞かれたので、答える。


 昼飯を食べ終えたら晩飯のカレー作りをしてから、学校の自宅課題は終わっているのでダイニングテーブルで資格の勉強をする。え?自室でやらないのかって?飲み物や少しだけ食べたい時にキッチンと自室を往復するのが面倒なんだよ。


 時間は夕方となり、愛美と朝輝のお迎えも俺がして、晩飯にカレーを出したら妹弟達は大喜びでパクパク食べていたよ。バイト終わりの雪華と俺もカレーを食べて風呂に入れば寝るまでの時間はまったりタイムなんだけど、今日は面白い番組が無いので雪華の部屋のテレビでライブ動画を見ている。リビングのテレビでは両親と妹弟が俺達とは別の動画を見ている。


「冬休みも今日で終わりか。旅行は楽しかったけどデート不足な気がする」

「俺達は明日からだけど、すでに授業が始まっている学校もあるみたいだし、そう考えると贅沢な悩みですなあ」

「あはは。確かに」

「それに俺達の場合は検索で出てくるような高校生の定番デートとは違うことが多いだろ?」

「まあね〜。カラオケとかも行かないしね、ひろ君は男子組で行かないの?」

「俺が音痴なの知っているだろ?わざわざ恥さらしなどしませんて。雪華も聴力がいいから苦手だし行かないじゃん」

「うん。個室とは言えだめだから高校からの近場に営業している店が無くて助かってる」

「それは同感だ。ダべるのが目的だとしても何かしら歌う可能性があるからな」

「そう考えると、レンタルキッチンでの集まりってあたし達には最高だよね」

「だよなあ。ま、内宮班の皆なら雪華の事情を理解してくれて誘わないと思うけどな」

「そうだね。ひろ君の場合は?」

「怖いもの見たさ、この場合は聞きたさ?で誘われて笑われるだろうよ。そして、スッキリ漫画のように班長の威厳が無くなった俺は、ざまぁな展開へと発展していくんだろうよ」

「ちょっとちょっと。色々混じって話が混線しているから落ち着いて」

「はーい」


 動画もスパチャ読みになり終わりが近づいたので自室で寝ることにする。夏休みデビューという言葉があり、はっちゃけた人がクラスメイトにもいたけど、短い冬休みにも冬休みデビューなんてものがあるんかな?と、どーでもいい事を考えながら眠りの世界へと向かった。

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