6日
楽しかった旅行も終われば、いつもの日常が始まる。父さんは仕事に行くし、母さんも仕事だろう。
今日の朝食は目玉焼きに豚の生姜焼き、野菜のサラダに味噌汁となっております。もちろん我が家の食卓には欠かせない納豆もあるぞ。旅館の洋定食を意識してみました。
まだ休みの俺が愛美と朝輝を保育園へと送っていこうとしたんだけど、保育園の職員さんにお土産を渡すからとの事で母さんが連れて行った。
今日から雪華もバイトになるので、お土産を持って洋菓子店へと向かう。
「おはようございま〜す」
「あっ、内宮君おはよう」
「おはよう、烏野さん。そうだ!あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。ところで明槻さんは?」
「ふふっ。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。千奈津ちゃんならお昼過ぎからのシフトだよ」
「そうだったのか。烏野さんこれ、俺と雪華からのお土産」
「ありがとう。旅行楽しかった?」
「レジャー施設には行かなかったけど、温泉とグルメを満喫してきたよ」
「そういうのもいいね」
今度は雪華が烏野さんと新年の挨拶と軽くお喋りをしていると開店時間になり、店側に行くと姉御先生が事務所に顔を出したので。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。これ、旅行に行ってきたのでお土産です」
姉御先生へは温泉まんじゅうでは無くて漬け物とかの別なものにしておいた。後日、特に気にする事は無いと言われたけどね。
「あけましておめでとう今年もよろしくな」
その後は旅行の話を少ししていたら、赤ちゃんが眠たそうにあくびを繰り返し寝かしに行ったので俺も事務所を出た。
次にスーパーの駐輪場で厳さんと昌史に会って新年の挨拶と近況報告をしてから、お土産を渡して解散する。明槻さんへのお土産は雪華の着替えロッカーに入れて手ぶらな事もあり、スーパーに来たついでに母さんと打ち合わせをした食材を購入して帰ることにする。ついでに七草粥の七草も3パック購入しておいたぞ。
昼飯に昨日サービスエリアで購入した、鶏ガラスープの醤油ラーメンを3人で食べたら彩夏は友達の家に遊びに出かけたんだけど、その時に千代紙を持って行こうとしたから止めた。不思議そうな顔で俺を見るので、枚数も少ないしこの辺で買う事は出来無いから彩夏に使って欲しいと言っておいた。通販とかで入手できるとは思うけど、購入したのはお高めだったから、ちょっとイヤだなと思ってしまったのだ。彩夏も納得してくれたのでホッとしてしまう。
俺も笹嶋さんと桃瀬さんに会うためにバスで移動し、待ち合わせの桃瀬さん家の駐車場に到着する。
「二人共久しぶり。それと、あけましておめでとう。今年もよろしくね」
桃瀬「あけましておめでとう。今年もよろしくね」
笹嶋「うん。あけましておめでとう。今年もよろしく」
挨拶も終わったところで。
「これ、二人に俺と雪華から旅行のお土産」
桃瀬「わざわざ届けてくれなくても学校で渡してくれてもいいのに」
笹嶋さんもコクコクしているけど。
「実は二人には別でお土産があるんだ。とは言っても買ったのは俺では無くて、二人の彼氏なんだけどさ」
笹嶋「それってどういう事?」
「実は旅行先で猪肉を食べたんだけどさ、その話をした陽翔と義斗に通販先を聞かれたから教えたんだけど、送り先が二人の家だったんだよ」
「「え?」」
「いつ頃届くのかは不明だけど、彼氏にお礼の連絡しておいて。一応は俺の旅行のお土産を代わりに頼んだという形にしたいらしいから」
桃瀬「何だか嬉しいね、佳奈」
「うん」
「二人以外に猪肉のお土産は無いから、話題にする場合は雪華を含めたこの4人だけでお願い。他は同じだけどさ」
笹嶋「わかった。ところで猪肉はどうだった?」
「ジビエと呼ばれている野生の個体じゃなくて牧場育ちの猪なんだけど、豚とは違う濃厚な旨味だったよ。俺は鍋物と焼き肉両方食べたけど、どちらも美味かったよ」
桃瀬「そうなんだ。食べたこと無いから楽しみかも」
笹嶋「あたしも食べたことないから、楽しみ」
「当たり前だけど、家族みんなで食べる量だから楽しんでね」
桃瀬「わかった。お礼言っとくね」
笹嶋「あたしも」
その後、旅行先の話しをしていると帰りのバスが見えたのでバス停に移動して。
「じゃあ、俺はこれで帰るけどまた学校で」
「「また学校でね」」
軽く手を振り、到着したバスに乗り込む。お客さんは誰もいないので後部座席に移動して、カーブで見えなくなる少しの間も手を振っておいた。
帰宅したら飼育部屋で軽く作業をしてから今度は俺が保育園に愛美と朝輝を迎えに行き、先生方に新年の挨拶をする。二人と一緒に帰宅すると彩夏も帰ってきたので、四人で手洗いうがいをしたら三人はリビングでテレビを見始めたので晩飯の準備をする。
雪華を迎えに事務所に入ると明槻さんがいたので新年の挨拶をする。今日一日で何度もした会話内容なので作業ゲーみたいになってしまったな、と苦笑いをしたのは明槻さんには内緒。
お土産は、鳳来さんには明日渡すし、新山君と下津木さんと舞原さんには学校で渡せば終了だ。




