表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

180/203

家族旅行(二日目・午後後編)

 旅館へ戻る手前で愛美と朝輝が寝てしまったので、俺が愛美を父さんが朝輝をおんぶして旅館に到着し、部屋に戻り布団に寝かせてあげる。お昼寝の時間だからというよりかは歩き疲れて寝てしまったという感じかな。


 彩夏の友達用に購入した紙袋に裏が白地の紙に〈彩夏 友達 お土産〉とマジックで大きく記入して貼り付けておく。俺も含めた全員がお土産を購入しているし、どれも似たような紙袋だから一応な。


「あやちゃんのお土産代はいくらなの?」

「俺が出すからいいよ。母さん達は色々と出費も多いんだしさ」

「広也だって多いじゃないの。あやちゃんに色んなのを買ってあげているし」

「これからは泊まりでの旅行をする機会は多くなるとは思うけど、思い出づくりは大切だからさ。愛美と朝輝はわからないけれど、彩夏の年齢なら覚えているだろ?それに小物だから大した金額じゃないからさ」

「そう?ありがとうね」

「おうよ!」

 彩夏には聞こえないように廊下のべンチで母さんとそんな会話をしていると、雪華が来たので一旦部屋に入り。

「じゃあ俺と雪華はまた少し出かけてくるよ。暗くなる前には戻るからさ」

「行ってらっしゃい。気を付けてね」

「おにいちゃん。行ってらっしゃ〜い」

 彩夏も一緒に行くと言うかと思ったけれど、流石に歩き疲れたのか、見たいテレビ番組があったのか、テレビを見続けるのを選択したようだ。


 再び旅館から出た俺達は恋人繋ぎをしながら目的地へと向かう。

「腹の減り具合は大丈夫なのか?」

「うん。お昼のごはんの量を少なめにしといたから、平気だよ〜ん」

「なら、良し」

 目的地は昨日、遅めの昼飯を食べたレストラン。雪華が食べ損ねた、味噌ラーメンを食べるのが目的だ。


 店に到着し、昼と夜の間の微妙な時間というのもあるのか店内のお客さんは少ない。案内されたテーブル席に座り、メニュー表を確認する。

「雪華は味噌ラーメンでいいんだよな?」

「うん。大盛りにするかは悩むけどね」

「普通のにしておけよ。今日も昨日と同じで別注料理を頼んでいるみたいだし、ごはんの量は別にしておかずは楽しみたいだろ?」

「そうだね、じゃあ普通のにしようかな。ひろ君はどうするの?」

「俺は昼にがっつり食べたのもあるから、この柚子(ゆず)のデザートコースにするよ軽めだしな」

「へえ〜美味しそうだね」

「一口あげるよ。これも注文したら、ラーメンを普通盛にする意味無いだろ」

「まあね〜」

 そんなやり取りをして注文する。


 注文後に俺がスマホを見ていると。

「この旅行中、ひろ君てばスマホを見ている頻度高いよね」

 雪華が頬杖をつきながら聞いてくるので。

「浮気をしているか心配ですか?」

「母親がスマホの電話に出るような人が浮気しているほうがおかしいわよ」

「ははは、確かにな。これは飼育部屋の見守りカメラをチェックしているんだよ」

「あ〜、なるほどね。それで異常はあったの?」

「異常があるのに、こんなにのんびりしているほうが異常だよ」

「あはははは。確かにそうだね」

 そんな会話をしていると、注文した料理が到着する。


「仲居さんのおすすめなだけあり美味しかった〜」

「無事に食べられてよかったな」

「うん」

 雪華は味噌ラーメンを完食した。まあ、普通盛程度の量なら雪華は平気だけどな、俺の柚子を使ったデザートも一口ずつ食べさせてあげたよ。

「お土産用にスープが売っていたら良かったのにな〜。気軽にデートで食べに来るのは無理だし残念」

「まあ、これも旅先ならではってことで。ただ、柚子のデザートはいくつか真似できるかもな」

「そうだね」

 お土産は買ってあるので、行きと同様に恋人繋ぎで旅館へと向かう。


 旅館の部屋に到着すると愛美と朝輝は起きていて、彩夏と一緒に折り紙をしていた。彩夏は美術館で購入した折り紙の本を見ながら折っていて、愛美と朝輝はそれを真似ているみたいだ。ちなみに折っている紙は千代紙では無くて、観光案内のパンフレットみたいだな。

 雪華の両親も一緒に寛いでいて戻ってきた俺達に。

「どこに行ってきたの?」

 と雪華の母親が聞いてきて。

「昨日のお昼を食べたレストランに味噌ラーメンを食べてきたの。ここの仲居さんがおすすめするだけあって美味しかったよ〜」

 雪華が答えると。

「晩ご飯は大丈夫なのか?」

 今度は雪華の父親が聞いてくるけれど。

「普通盛にしたから平気だよ〜。心配しなくても晩ご飯が入る分の余裕はあるって」

 笑いながら答える雪華に。

「雪華?あなた、食べる量増えてるんじゃないの?体型は変わらないみたいだけど……」

「そうかな?体型が変わらないならいいじゃん」

 あっけらかんと言う雪華なのであった。


 晩ご飯の時間となり、昨日と同じ広間へと向かう。今日のメニューは刺身以外の川魚のコース料理と一人用鍋だった。一人用鍋は昨日同様、固形燃料タイプのコンロで食べるようだな。どっちが別注料理なのかなどと野暮なことは聞かずに食べ始める。


「いや〜、今日の晩ご飯も美味かったな」

「だね。あの川魚の種類は何かな」

「わからん。塩焼きの見た目はニジマスっぽいけどマス類は品種改良が盛んだからなあ。ま、美味しく食べられればいいじゃん」

「それもそっかー」

 晩飯を食べ終えた俺達は部屋で寛ぎタイム中だ。雪華は当然のように俺達の部屋にいるけれど雪華の両親は自室にいて、少しだけお酒を飲んでいるみたいだな。俺の両親が酒類を飲まないことを知っているからだろう。


 テレビを見ながらの寛ぎタイムも終わり、風呂に入って寝ることにする。今日も父さんと愛美と朝輝と一緒に入浴したので今朝のような雪華の突撃は無し。昨日同様、彩夏が布団の中に入ってきたので一緒に寝る。彩夏は風呂に一緒に入ることはしなくなったけど、一緒に寝るのは頻繁にあるんだよね。


 楽しかった旅行も明日は行きと同じく旅館の送迎バスで帰宅すればおしまいだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ