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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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元日

 いつもより少しだけ起きるのが遅い元日の朝。ウチでは初日の出を拝みに行く習慣が無いので、寝坊する数少ない日にもなっている。


 スマホで時刻を確認しようとしたら、多くのメッセージを受信していた。内容は初日の出を見に来ているとか、初詣に来たとかの画像と新年の挨拶やスタンプだ。ただ、新山君と下津木さんのコンビは昨日まで(おこな)われていたイべント会場でのコスプレ風景の画像だった。


 俺も内宮班の全体メッセージにあけおめことよろの挨拶と、厳さんと昌史の〘シスコン同盟〙にも同じ内容を送信しておく。


 起きて部屋着に着替えてから、まずはキッチンへと来た俺は餅つき機を起動させる。これは妹弟の分の餅。市販の餅だと()()()危険だから、もち米とうるち米をブレンドして伸びない餅をお雑煮に使用している。


 顔を洗い、歯をみがいたら次は飼育部屋でいつも通りにエサやり等を終わらせ、またキッチンに行き今度は雑煮用の出汁鍋を2つ作る。具材は色々入れるし、醤油べースで角型餅だから関東風になるのかな?妹弟のは丸型に近いけどね。


「ひろ君おはよー。元日なのに、相変わらず早いねー」

「おはよ。これでも寝坊したんだけどな」

 そんな会話をしていると、両親も愛美と朝輝と一緒に起きてきたので「おはよう」と挨拶をする。その後、最後に彩夏が起きてきたので一旦リビングで。

「新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

 との父さんの挨拶の後に家族全員で「あけましておめでとうございます」と言うのがウチ流。雪華には昨日の内に流れは説明しておいた。愛美と朝輝は良く理解していないのか首を傾げているのが可愛い。「あけましておめでとうと言ってからペコリして」と俺が言うと「「あけましておめでとう」」と言ってからぺコリする。全員が愛美と朝輝に癒やされたところで。


「さて、お雑煮を作るか。餅は何個食べる?」

 両親と俺と雪華が3個で彩夏が小さめ2個、愛美と朝輝は1個と決まったので作り始める。とは言うものの作っておいた鍋に焼いた餅を投入して、ひと煮立ちさせたら完成なんだけど。


「雪華、悪いけどお椀運ぶの手伝ってー」

「はーい」

 ウチの場合は正月用に特別なお椀は使用せずにいつも味噌汁を飲むお椀なので、雪華も把握済だからスムーズだ。母さんは昨日届いたおせちを準備している。

 俺が最後に座り、いつも通りに「いただきます」をして食べ始める。


「ひろ君家のお雑煮久しぶりだー。変わらないね」

「そら、そうだろ」

「ところでさ、この焦げ茶で細いのは何なの?」

「これは乾燥ぜんまい。ただ水に付けて戻すんじゃなくて鍋で軽く煮て戻した後にひと晩水に付けて置くんだよ。だから、昨日の内から準備する必要のある手間がかかる食材だぞ」

「へえ〜」

 そんな会話をしつつも雑煮は全て腹の中へと消える。妹弟達も餅を喉につまらせないか、両親と俺が注意しながら食べていたから安心してくれ。


 食事が終わり。

「雪華は昼と夜もお雑煮を食べるか?」

「いつもはどんな感じなの?」

「三が日の朝のみお雑煮だな。昼はラーメンとかにするし、晩飯は普通にごはんだよ。雪華がお雑煮がいいなら、お雑煮と俺らと同じおかずだな」

「みんなと一緒でいいよ。お雑煮に対するこだわりは無いから」

「わかった。なら明日の朝はお雑煮だから」

「うん」


 後片付けが終わったリビングでテレビ中継されている駅伝をBGM代わりにしながら、それぞれ寛いでいるけど、これから俺には重要な話があるのだ。

 リビングからダイニングテーブルに母さんと雪華に座ってもらう。

「母さん、午後からさ互いの実家に新年の挨拶に行くだろ?雪華を紹介する必要あるかな?」

 そう、重要な話とは両親の実家に雪華を紹介するかどうか。5月の連休の時にも問題になった案件だ。

「そうね。いずれは紹介する必要あるけど、どうしましょ」

「去年の5月にさ、妹弟の節句のお祝いに来た時は雪華には外出してもらったけど、今回は俺らから行くだろ?どうしたもんかね」

「広也は高校に入学して友人が出来たから遊びに行った事にする?」

「そうするか?」

 ここで雪華が。

「確かに会った事は無いから気まずいけど、何か悩む必要があたしにあるの?」

 不安気に聞いてくるから払拭しておく。

「雪華には全く問題は無いよ!それに()()であれば、紹介したいのが俺の本音。将来の嫁さんだぞってね。ただ、両親の親も早くに結婚、出産をしているんだ」

「つまりね、雪華ちゃんを紹介したらお互いまだ高校生という事もどこかに吹き飛んで、ひ孫の話題になるのよ」

「それは流石に困りますね」

「だろ?俺には定期的に精力のつく物を渡しに来ると思われる」

 誕生日以降、雪華は俺に対して積極的だ。精力のつく物なんて渡されたらイカンですよ!

「母さんもまだ会わなくていいと考えているなら、一緒には行くけど挨拶だけして帰るわ」

「そうしましょ。余程の事が無い限り実家から来る事は無いから平気よ」

 よし、これで両親の実家への挨拶問題も解決だ。陽翔と裕隆は恋人出来たって言うのかな?後で聞いてみよう。向こうに意識が行けば雪華も安心できるしな。義斗はどうなんだろ?兄貴達が先だろうし、問題無いかもな。


 午後になり、駅伝の勝者が決まった頃に両親の実家への新年の挨拶に俺はちょっとだけ出かける。

「雪華ごめんな。少しだけ留守番してて、インターホンが鳴っても出なくていいから」

「うん」

 少し寂しそうな雪華にハグをして。

「行ってきます」

 と声をかけて家を出る。

 近場の両親の家に新年の挨拶をして、友人達が待ってるからと嘘を言って早々に帰宅する。


「ただいま〜」

 自分のカギで解錠して中に入ると。

「おかえり〜」

 と声をかけてくれる。

 10分位しか出かけてないけど寂しい思いをさせたのは事実なので甘やかしてあげる。


 こうして無事に元日も終わってよかった、よかった。

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