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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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磯釣り

 昨日の釣りよりも少しだけ早く磯場に到着して釣りを始める。出かける前に雪華から「うー」と少しだけ不満そうな声の後に、長めのキスをされた。釣れるようにと安全祈願だってさ。


 今日の目的はウツボとブダイ。ウツボのエサは前回同様、魚の切り身でブダイのエサは海藻。エサの海藻は現地調達はNG、というのも海藻の多くには漁業権があり、少量でも取ると密漁扱いになるからだ。なので、自宅持参かブダイが釣れる磯場近くの釣り具屋で売られているのを購入する。

 ちなみに、ここの磯場近くに釣り具屋は無いので自宅持参になる。


 使い捨てカイロで手を温めつつ釣りをしていると、まずは手持ちのウツボの竿に反応あり。尚、ブダイはウキ釣りなので置き竿にしている。

 特有の回転(ローリング)に耐え、岩の隙間に潜らせないようにして釣り上げる。よし、まずは一匹目!パーティ用は当然だけれど、自宅用も欲しいしな。そんな事を考えつつウツボの処理を終えて、次の準備をしているとブダイ狙いのウキに反応あり、アワセてみるも反応無し。でも、エサは(かじ)られていたのでいるのは確認出来た。


 ウキを確認しながら釣りをしていると、またもや反応したので一旦ウツボの仕掛けを回収する。そして、ブダイ仕掛けの竿を持つとガクンと反応があったのでアワセる!

 ウツボ同様、岩の隙間とかの変な場所に行かないようにしながら釣り上げる。昨日、雪華が釣ったのよりも少し小ぶりな()()個体だった。

 ブダイはべラの仲間でハーレムを形成して生活している。昨日、雪華が釣ったのは青と緑が合わさったような体色だったのでオスの個体、つまりはハーレム野郎だったわけだ。今回のは赤っぽいのでメスの個体だな。尚、オスがいなくなった群れは体格の一番いいメスの個体がオスに性転換するからハーレムは継続されるので安心?して欲しい。


 雪華の祈願キスのおかげで釣果は順調だった。ウツボは予定の数が釣れたので、途中から仕掛けを変更してメジナとかの磯魚を狙って自宅用の魚も確保できたので納竿する。これで俺も釣り納め。磯場から離れ、日が沈む西が見える海辺に来た俺は海に向かい両手を合わせ、目を閉じる。

(今年一年、事故無く海遊びが出来ました。そして、多くの恵みを頂戴しました。ありがとうございます)

 海に感謝した俺は帰宅するためにバス停へと向かう。どうして西かと言うと初日の出で拝むのは東だろ?だから日が沈む西に最後に海に来た時は拝むんだよ。これは俺が自主的にしている事なので雪華に強制はしない。雪華が俺の行動を真似するのは構わないけどね。


 今日はクーラーボックスを二つ、キャリーに乗せて持ち歩いているので往復の車内に気を使いつつ自宅近くのバス停に到着して、無事に帰宅する。今回は磯場でも帰り道でもイヤな人に会わなくて良かったぜ。これも雪華の祈願キスのおかげかもな。


 自宅に着いた俺は早速釣った魚の下処理を済ませることにする。雪華をバイト先に迎えに行くのに時間はまだあるしね。今日釣れたのはウツボ、ブダイ、メジナ、カワハギ、ムラソイ、ウミタナゴになる。全種類自宅分もあるので少し豪華な年末年始になりそうだぜ。


 今日の晩飯はウミタナゴの塩焼きとムラソイの刺身になる。ムラソイは一匹のみなので刺身は少しづつだけどな。でも、頭を含めたアラは味噌汁にすると抜群に美味いから楽しみだぜ!それにムラソイは根魚だから数を釣るとその場所からいなくなる可能性もある。だから、持ち帰るのは一匹で丁度いいのだ。


 雪華からバイト終わりのメッセージが来たので迎えに行く。事務所に入ると鳳来さんが居たので。

「お疲れ様。明日の鍋の魚を確保してきたから楽しみにしてて」

「お疲れ。そんなハードル上げて大丈夫?」

「もちろん!棒高跳び位に上げても平気だぜ。何せ高級料亭で味わうような魚を食べるんだからな」

「マジで?期待度爆上がりなんだけど! そうそう、まだ本決まりじゃないんだけどさ、すき焼きの肉を少しいい肉にしようって話が出てるけど、どう思う?」

「みんなの懐具合次第になるけど、俺は賛成。明日のスーパーの値段で決めようよ」

「そうね」

 そんな会話をしていたら、雪華が着替えて出て来たので。


「店長に姉御先生。今年一年お世話になりました!よいお年を」

 俺の言葉に触発されたのか雪華と鳳来さんも言う。

「みんなもありがとうな。来年もよろしく頼むよ。よいお年を」

「少し長めの冬休みの休店になるけどごめんね。来年もアルバイトよろしくお願いします。よいお年を」

 お互いに挨拶を済ませたので。

「姉御先生。これ、釣ってきた魚になります。鍋にして食べると美味しいので、一緒に働いている二人のご兄弟と一緒に食べて下さい」

 そう言ってジッパー付きの保存袋を姉御先生に渡す。各袋にはメモを書いてあるので平気だろう。互いの兄弟仲はいいと聞いているので4人前入っている。

「いいのか?鳳来との話を聞いていたけど鍋パーティするんだろ?」

「大丈夫です。気にせず召し上がって下さい」

「わかった。ありがたく食べるよ」

「それじゃ、失礼します」

「「お疲れ様でした」」

 事務所から退室して外に出て。

「それじゃ明日ね」

「うん。内宮もゆきちゃんも気を付けてね。バイバーイ」

「美夜子ちゃんも気を付けてねー」

 全員で軽く手を振り別れる。


 帰宅して今日の釣果を見た雪華が、ほっぺを膨らませたのを指で押して元に戻して、二人で晩飯にする。怒っているのか美味しいのか、雪華の食べるぺースが早いんだけど。


 就寝前のいつもの時間に雪華のサラサラな髪を手ぐしで堪能しつつ「今日の釣果は雪華の祈願キスのおかげ」と言って、お礼のキスをする。

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