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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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内宮班のパーティに向けて

 明槻さんと最寄り駅で待ち合わせをして、釣り場へと向かう。市街地では無風に近くても海では風がある事が多いので防寒対策はしっかりするのと、厚手のマフラーは避けるように伝えておいた。

 明槻さんが購入したライフジャケットは俺と雪華と同じようにリュックの中に入っているので、身軽に見える。


 三人で雑談をしながら電車とバスで移動して防波堤に到着する。年末が近いのもあるのか釣り人の姿は少ないので初心者の明槻さんにとっては都合がいいだろう。

「じゃあ、雪華はウキフカセ釣りで頼むな。明槻さんは胴突仕掛けでやるから」

「うん」

 まずは雪華の仕掛けをサクッと終わらせたら明槻さんの番。ただ、明槻さんには一通り教える事にする。

「じゃあ、明槻さんの仕掛けを作るから見ておいてね」

「うん。ただ、糸と金具を結ぶのが難しそうだよね、解説動画見たけど複雑だった」

「あー、確かに複雑な結び方が多いけど俺のやり方は簡単。俺達がやる分にはこれで十分だからさ」

「そうなんだね」

 という事で、実演する。まずはリールからの糸(道糸)にスナップ付きのサルカンを結ぶんだけど。

「まずはこの輪の部分に上から糸を入れる、そしたら糸の輪を作るようにしてもう一度輪に通す。リールに繋がっている糸と糸の輪を巻き込むように上から糸の輪の中に通して、リール側の糸を強く引っ張って結んだら完成」

「動画のより楽だ」

「でしょ。これはスナップ式だから、後は仕掛けをここに付けたら完成ね」

「ありがとう」

「この仕掛けは針が複数あるから気を付けてね。今日のエサはこのエビだから、全部の針に付ける」

 オモリを持って振り子のようにチョイ投げを実演したら竿を明槻さんに渡す。

「今、糸がたるんでいるからリールを巻いて糸を張って。そしたらアタリ待ち、コツコツって感触があったら軽く竿を立てるようにしてアワセてみて」

「うん。ありがとう」


 明槻さんのが終わったので俺の番だ。その前に飲み物をひと口飲んだ時に雪華が釣り上げた。これには明槻さんも大興奮だ。何せハゼ釣りの時のクロダイより少し大きいからな。

「すごい!これは何て魚なの?」

「これはメジナ。今日のターゲットだな、約40cmでかなりの良サイズだぞ」

 そんな感想を言ってたら雪華が。

「あれ?千奈津ちゃんの引いてない?」

 明槻さんの竿を見ると先端がクイクイしていた。

「明槻さん。軽く竿を立ててからリールを巻いて」

「う、うん」

 あれなら手に感触が伝わっていると思うんだけど、初心者だもんしょうがないよね。釣れたのはメバルだった。

「これ、この前持ってきてくれたのと同じ魚だ」

「だな。これは明槻さんが持ち帰ればいいよ」

「いいの?」

「おう!」

 今日の釣りは内宮班のパーティ用にするからと明槻さんには伝えてある。なので、パーティ分の確保が終われば自宅用にする予定とも伝えてあるのだ。


 雪華はすぐに釣り始めているし、明槻さんの針にエサを付けて今度は自分で投げてもらいつつ、俺の準備も完了。やっと始められるぜ!と思っていたら雪華がまた釣り上げた。群れがいるのかもしれないな。

「雪華、いい調子だな」

「うん、群れがいるのかもね。今のうちだよ」

 流石、雪華。頼もしいぜ。


 飲み物を飲んだり、グミを食べたりしながら時間は過ぎていく。

 パーティで使うメジナは釣れたので、雪華には底物を狙ってもらっている。明槻さんも家族分のメバルを釣って好調だ。俺はカワハギ狙いで苦戦中、もう少し数を釣りたい気分だ。


「お腹すいたね」

 言ったのは雪華では無く、明槻さん。事前に昼飯は帰る前にするとは伝えてあった。お菓子を食べつつとはいえ、朝飯から時間が経っているし当然かもな。

「よし!釣果は十分だし、終わりにするか俺も腹へったし。雪華はどうだ?」

「いいよ。終わろうか」

「何だかゴメンね」

「気にしないでよ。元々帰宅は明るい内にする予定だったんだからさ」

「そうだよ。気にしないで」

「うん」

「じゃあ、俺と明槻さんを先に済ますか」

 今日の明槻さんの仕掛けは俺のなので、仕掛けをいつも通りに仕舞う。竿とリールを一緒に収納するなら、次回の時に楽できるように道糸の金具はそのままでいいんだけれど明槻さんは別々なので金具もハズす。

「はい、竿とリール。リールのハンドル部分や竿の持ち手部分は帰ったら石鹸で水洗いしておけば臭くならないから」

「わかった」

 次に俺のを終わらせて後は雪華だけ。明槻さんには近場の公衆トイレで手洗いしてもらっている。

「雪華。終わろうぜ」

「待って、変なアタリがあるからワカメに変えて少しだけやらせて」

「あいよ」

 ワカメって、ブダイでもいるのか?と思いつつ見守る。

 明槻さんが戻って来るのが見えたので、雪華に声をかけようとしたら。

「これだ!」

 と言ってアワセる。クーラーボックスに座って見ていたけれど、一応雪華のそばで待機しておく。

「釣れたどー」

 と雪華は雄叫びを上げる。注目を集めるような事はヤメテ頂戴!

 釣れたのはブダイ。前回のコブダイより少し小さいけれど立派なサイズだ!これには戻ってきた明槻さんもビックリ。

「この青っぽい大きい魚は何?居ない間に何があったの?」

「あたしが釣ったのよ!これはブダイっていうの」

「すごいね!これもパーティ用にするの?」

 雪華のを片付けている俺に二人共見てくるので。

「明日、俺だけで別の場所で同じの狙ってみるよ。釣れたらパーティ用で釣れなかったら半身をお互いの自宅用にしよう」

「「わかった」」

 はー。明日はウツボにブダイか、頑張りますか!


 昼飯はいつもの定食屋。今回は明槻さんも一緒なので、オススメしたい海鮮天ぷら定食にする。

 帰りの車内で「すごく美味しかった」と言っていたのでホッとした。


 明槻さんの自宅に寄り、自宅分の魚をわける。半身にはなるけれどメジナも食べられるし最初の防波堤釣りとしては、満足出来るものだろう。明槻さんが釣ったメジナは小ぶりなのでムニエルをオススメしておいたし、頭と骨のアラは出汁を取ることも伝えておいた。


 帰宅したら、自宅分も含めて内蔵処理だけはしておく。今日釣れたのはメバルにメジナ、カワハギとブダイとコチだ。

 明日も釣りに行くからしっかり寝て休まないとな!では、おやすみ〜。

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