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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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再会の○○

 寝る前に自室で軽くストレッチをしていると雪ちゃんがノックをしてから入ってきた。

「ひろ君。寝る前に少し話ししていいかな?」

「うん。わかった」

 俺がベッドに腰を下ろすと、その右側に座った。趣味部屋で抱きつかれた時とは違う、シャンプーも合わさったと思われる甘いニオイがする。

「こうして、寝る前に話しをしてから寝るなんて、小学校低学年のお泊まり以来だね」

「そうだな。何年頃だか、記憶が曖昧になってるな」


「あのさ、あたしの事“ちゃん”づけじゃなく呼び捨てにして欲しいな」

「いきなり呼び捨て?でも、呼び捨てって上から目線みたいで抵抗あるんだけど?」

 友達じゃなく彼女だしさ。

「一回、呼んでもらっていいかな?」

「んんっ。 雪華」

「もう一回」

「雪華」

「うん。やっぱり呼び捨てにして欲しい。あなたの彼女って気持ちになる」

「そう言うことなら、俺も広也って呼び捨てでいいよ」

「広也。 広也。う〜ん。あたしはひろ君のままでいいや」

「あんでだよ」

 きつくならないようにツッコミ風に言う。

「ひろ君のほうが愛情を込めて言える」

「そういうことなら、わかったよ」


「ねえ…再会の約束、覚えてる?」

「……うん」

「じゃあ、お願い」

 そう言って目を瞑る()()

 俺も覚悟を決めて、雪華の両肩を触るとビクッとしたけど、そのままでいてくれる。

 そのまま、顔を近づけていき………

 

《チュッ》

 

 本当に唇同士が軽く触れ合うだけのキス。


 引っ越しする前に俺から告白したあの日、恋人同士になったあの日に、必ずまた()()として再会するという意味を込めて雪華がキスしてきた。

 そして、再会したら俺からキスして欲しいという約束。

 あの時もそうだけど、今はもっと顔が真っ赤だと思う。


 右側から抱きつく体勢で、俺の胸に顔を埋めている雪華。その右肩を軽く抱いた状態で無言の時間が続く。ただ、気まずい雰囲気はない。


 そんな状態も終わりを迎える。

「ねえ。またこうして寝る前に話ししてもいいかな?」

「もちろん、いいよ」

「じゃあ、寝るね。おやすみ」

「ああ、おやすみ」

 そして、パタパタと小走りで自室に向かう雪華。


 あ〜。俺だって男だぞ?最愛の彼女とキスなんてしたら興奮するだろうがあ。

 悶々とした気持ちで布団に入ろうとしたら…


「おにいちゃん」

 枕を腕に抱きながら彩夏が入ってくる。

「どうした?」

「今日、一緒に寝てもいい?何だか、変な気持ちなの。よくわからなくて怖いの」

 雪華という兄の恋人が一緒に住むことに、今になって何かしら感じるものがあったのかな?

 俺は先に布団の中に入る。

「ほら、おいで」

 掛け布団を持ち上げ、彩夏を誘う。

 嬉しそうに俺に向かい合う体勢で寄り添う彩夏の背中を〈俺はいつまでも彩夏のお兄ちゃんだぞ〉そんな気持ちを込めて軽くさする。

 程なくして安心したのか寝息が聞こえてくる。


 すっかり“お兄ちゃんモード”になった俺は気持ちも落ち着き、子供特有の体温の高さに導かれ眠りの世界へと落ちるのだった。


 いよいよ明日から高校生生活だ。

入学式の長い一日が終了です。

今夜投稿は、登校前の話となります。

今夜の後書きにて今後の展開や投稿頻度について触れますので、少し長いですが読んでいただけるとありがたいです。

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