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球技大会

 さて、球技大会当日になりました。俺達内宮班は焼きおにぎりとかの提供がある。

 一応、HR後に球技大会の開会式みたいなのが講堂であるので参加した後は出店(でみせ)の作業になる。

 生徒会から指示された場所は校庭からは離れている場所だった。まあ、校庭内は球技大会で使用するから当たり前だけど。まずは器具の確認作業と炊飯器でお米を炊く作業をする。


 現在の時刻は11時前。文化祭の時と同様に炭に火をつける作業から始める。実は生徒会は炭火に難色を示していたのだ。というのも炭の後処理は意外と面倒臭くて一般ゴミで出すことを禁止している場合もある。学校のゴミ処理を担当している事業所に確認したところ、少量でも追加料金を請求されたらしい。文化祭の時に俺達は普通に炭を使用していたけど、炭を使用していたのは俺達の班だけだったらしい。

 なので、炭の後処理は自宅に持ち帰るから心配無用と会長に伝えた。自宅での処理方法を聞かれたので、活性炭として再利用すると答えておいた。普通なら苦労する処理もウチにとっては有効利用する機会は多いので問題ない。


 炭に火が着いて火力が上がるのを待つ間、内宮班に向けて。

「もうすぐ、提供開始時間になります。文化祭の時と違い提供人数が判明しているので楽だと思うけど、俺達の昼飯は提供後になる可能性もあります。生徒会の予想では14時過ぎには提供終了の見込みらしいのでそれまで頑張ろう!」

「「「「「おー!」」」」」

 と気合いを入れて焼き始める。


 尚、前回同様オニグルミの殻を炭火の上に乗せている。炭化したのが欲しいのもあるけど火力が出るのも事実だからね。雪華は“またやってるわ”みたいな呆れた表情をしている。


 焼き始めると、校庭近くにいる人達から。

「事前に知らされていたとはいえ、このニオイは反則だろ!」

「俺さ、申し込みしてないんだけど、買うのは無理なのか?」

「バカだなあ。俺は美味いの知ってたから申し込んだもんねー」

「その前に競技に集中出来ねえよ!」

 などの声が聞こえてくる。さあ、存分に腹をすかせるがいいさ!尚、こちらには生徒会に所属している方がへルプで来ているので問題行動をした場合は即アウトだろうな。


 すると、ついに最初のお客が来店。金銭と受注をしてくれている、へルプの人から。

「セット1、肉2、ネギ2、です」

 と注文が来る。セットというのが焼きおにぎりセットで文化祭の時より少し大きめの焼きおにぎりが2個とねぎまとネギ焼き1本づつ。肉はねぎま、ネギはネギ焼きだな。焼きおにぎりのみの場合は単品となる。


 ねぎまとネギ焼きは文化祭同様に串からハズシてから提供する。今回は飲食スペースが無いのでスーパーの惣菜コーナーで見かける、プラスチックの使い捨て蓋つきフードパックで提供する。


 購入した人は早速、校庭に降りるための階段に座り「やっぱ、うめー」といいながら食べている。食事休憩は教室でもいいんだけど、外で食べるのもいいよね。数量は決まっているけど宣伝してくれているので「あざす」と心の中で呟いておく。


 運動部系の人達から人気がある舞原さんに接客はさせていない。明らかに舞原さん目当ての人の場合には昌史に相手してもらった。言葉少なに「あざーす」と言って渡しているので、笑いをこらえるのが大変だ。


 12時過ぎのピークも無事に乗り越えて、最後のお客さんに商品を渡して終了する。まずは生徒会からへルプで来ている方に。

「無事に全て提供しました。ありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとうございました。後ほど会長が来ますのでお願いします。売り上げ金は私達が責任を持ちますから。では、失礼します」

「失礼しますね」

 そう言って去っていく、男女の生徒会役員の人を見送っていると。

「あの二人デキてるわね!」

 とキランとした顔で言うのは鳳来さんだ。あ、俺達から離れた場所で手を繋いだぞ。

「ね!」

 と得意げな顔で言うので。

「あはは」

 と笑っておいた。そのやり取りの最中に唯一彼氏候補と会えていない明槻さんが雪華の腕を掴んで「うー」と言っていたのは知らなかった。


 終了後に全員で遅めの昼飯にする。本当は数人なら抜けて交代で食事できたんだけど皆で一緒がいいと言われたら断れないよ。

 会長から許可を貰っているので、自分達のおにぎりとねぎま、ついでに塩鮭の切り身を焼いて食事にする。


 食事を終えて一休みしたら女子数人は調理室へ向かい炊飯器とかの後片付け。他は出店(でみせ)の片付けをしていると、生徒会長と数人の生徒会役員が来て、生徒会長が。

「内宮君に皆さん、今日はお疲れ様でした。昼休憩はしましたか?」

「はい、全て提供後にしました。今はご覧の通り後片付け中です。調理室の炊飯器清掃に数人向かっているので、そちらも確認お願いします」

「わかりました。では、事前の打ち合わせ通り炭を内宮君が処理する以外は生徒会側でやっておきますので。集計はまだですが、売り上げ金も生徒会室で保管してありますから」

「ありがとうございます。では、紛失品が無いかだけ立ち会わせてもらうので確認して下さい」

 まあ、焼き台とその付属品だけレンタルで他は俺の持ち物だけど、一応ね。

 確認してくれた役員の人が会長に「問題ありません」と伝えてくれたので。

「では、教室に戻りますね」

 そう言って炭が入っている火消し缶と小物が入っているリュックを背負う。

「後日、今回の事で再度生徒会室に来てもらうかもしれませんが、その時はお願いします」

「わかりました」

 それで会長との会話はおしまい。

 

 調理室経由で教室に戻るとHR中だった。なんと、閉会式は終わっていたらしく帰宅の流れになった。

 無事に終わって、よかったぜ。

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