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焼きおにぎり屋再び

 朝のHRでとある用紙がクラス委員から配られて記入後、放課後までに回収された。

 内容は、球技大会での食事に焼きおにぎりを希望するかどうか。


 生徒会の結論は俺達に再び焼きおにぎりとネギ焼きを提供して欲しいとのことだった。

 球技大会の進行を決まった昼休憩を設けずに行うことで、競技参加者の空き時間を食事休憩にすることにして提供出来るようにしたらしい。そして提供数を事前に把握し、その分のみ食材の仕入れをすることにしたみたいだ。

 尚、球技大会当日は学食利用は不可となっている。これは、学食内の定期検査を行うためらしい。

 生徒会でも初めての試みらしく、別な意味で盛り上がるかもしれない、とのこと。


 その日の昼休憩中に。

「そういうわけで、再び焼きおにぎり屋を開店することになりました。明日、球技大会の参加種目を決めるみたいだけど、こちらで作業する場合は参加出来ません。それでもいいと言う人はいますか?」

「「「「「はーい」」」」」

「え?全員いいの?」

「体育の時間て複数のクラスと合同でしょ?男子のほうは知らないけどさ、女子は試合形式の授業の場合に負けたら責任を追求してくる人がいるのよ。授業でそれよ?球技大会でミスしたら何を言われるか、わからないもの。最初から不参加の予定だったし、丁度いいわ」

 そう言うのは舞原さんだ。まあ、彼女の場合はモテる僻みもあるんじゃないかと思ったけれど頷く人もいる。真相は闇の中だな。


「厳さんに新山君もいいのか?それに昌史も」

「俺は運動音痴だからな、最初から見学予定だった。もし、参加人数が少ない競技に強制参加みたいな事にもならんから大歓迎だぜ!」

「僕も厳田君と同じですね。ここで活動していれば、無理やり参加させられることが無いですから」

「俺は武道系なら腕試しで参加したかもだけど、球技大会の参加はどちらでもよかったからな」

「わかった」

 ということで、内宮班全員で焼きおにぎりとネギ焼きをする事になりました。舞原さんも内宮班の声かけの時には来るので、内宮班としてカウントし始めました。


 放課後に俺は生徒会室へと来ていた。クラス委員は別室にて、今朝の希望用紙を集計中みたいだ。お疲れ様です。

「では、内宮君。どの位の希望者が出るかはまだ不明だけれど、よろしくお願いするよ。もちろん必要とあれば、生徒会役員もへルプに入る予定なので」

「わかりました。幸い文化祭の時と同じ人員で作業出来るので、へルプは購入札の確認や金銭面をお願いできればと思っています。焼き作業とかは慣れている我々に任せてもらったほうがスムーズに出来るかと」

「そうですね。当日まで少し時間もありますから打ち合わせ等で放課後に時間をいただく場合もありますが協力をお願いします」

「わかりました。では、今日はこれで失礼します」

 ペコッと頭を下げてから退室する。ドアを閉める少し前に。


「皆さん。初めての試みですが、球技大会も焼きおにぎり屋も成功へと導きますよ!」

「「「「「はい!」」」」」

 との気合の入った声が聞こえてきた。ドアを閉めたら聞こえなくなったので、防音部屋なのかな?と、どーでもいい感想を抱きながら雪華の待つ教室へと向かうのだった。


 翌日はクラスの体育委員主導で球技大会参加種目選びがあったけれど、内宮班は生徒会からの要請で大会には不参加と伝えて終了。

 球技大会は文化祭のように実行委員は無く、生徒会主導でクラスの体育委員が補佐の立場なので何かを言ってくる事はない。


 集計がまとまった結果、全校生徒の約半分近くが焼きおにぎりセットを希望して、焼きネギのみの単品はそれ以上の生徒で、その多くが複数注文だった。


 クラスメイトからも「注文した」との声をかけてくれるので「ありがとう」と返している。文化祭の窓際組はチッと舌打ちをして睨みつけてくるけどな。ははは、防御が下がってしまったぜ!

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