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明槻さんの頼み事

「雪華。今日の朝食は年に数度の豪華な朝食だぞ!」

「また?この前も、ひろ君が作ったお米の朝食だったよね」

「まずは、今日の味噌汁は雪華のために作ったキュウリの味噌汁だ!」

「収穫できたんだ!あたしも見たかったなあ」

「最初は驚かせたくてさ、次のは雪華が収穫していいからな」

Kiitos(ありがとう)。でも、夏に比べると収穫遅いね」

「だな。本格的な温室みたいに暖房は無しだから、仕方無いよ」

「それも、そっか」

「で、次はウチには欠かせない納豆だけど、ご覧のとおり本格稲わら納豆だぞ!」

「稲わら納豆なら、ひろ君も作ったじゃん。収穫した自分の家の稲わらで、しかも豆にもこだわってさ。あたしとしてはアレのほうが高級だと思うけど?」

「まあ、あれはお遊びのノリだろ?これは購入品だからさ。あれはあれ、これはこれで頼むよ」

「ふーん」

「で、お次はごはん。納豆ごはんに合うと思う俺基準の白米を用意しました!しかも、()()()もあるぞ」

「おこげは嬉しいね。焼きおにぎりとは違うもんね」

「最後はアジの開き。脂のノった大きめのアジを用意しました!」

「ねえ、ひろ君」

「どした?」

「単品ならさ、何度も見たおかずが多いから特別感は無いんだけど。同じくごはんも」

「それを言っちゃあ、おしめぇよ」

「広也。雪華ちゃんと漫才するのもいいけど、温かいうちに早く食べなさい」

 母さんから注意されてしまった。

「はーい」

 というわけで「いただきます」を雪華と一緒に言って食べはじめる。

 あーだこーだ言ってたけれど、納豆はこの時期限定販売でお高めなのは本当。

 ウチの朝食は、ほぼ一年中納豆は出るけど、寒いこの時季は納豆とホカホカごはんの相性抜群だと思うのは俺だけだろうか?


 今日の登校中の雪華は何かを考えているようでスマホとにらめっこをしていた。バス内ではいつも通り密着して座っているから、首を横に傾ければ見ているのがわかるけど、やらない。でも気にはなるよね、何だろう?


 放課後になり帰ろうとしたら明槻さんから相談があると言われた。教室から場所を移るか聞いたけど別に聞かれても構わないとのことなので、このまま教室で話しを聞くことに。今日は鳳来さんと烏野さんはバイトらしいけど、まだ時間があるとの事で一緒に明槻さんの話しを聞く気マンマンだ。

「それで、改めてどしたの?」

「あのさ、近々釣りに行く?」

「まあ、行くけど。ほら、文化祭の打ち上げやるでしょ?そこで出す予定のを釣りたいのもあるし、普通に自宅用のも釣りたいし」

「今は何が釣れるの?」

「電車とバス移動になるんだけど、堤防でメバルとメジナだね。砂浜ではカレイだな」

「あのさ、一緒に連れて行ってもらうことは出来る?親から、釣りに行かないのか聞かれるんだ」

「あー。もしかして、ハゼとメッキを気に入ってしまったの?」

「うん。道具代は出すから、美味しい魚を頼むって言われちゃって」

「何かゴメンね。巻き込む形になっちゃったみたいでさ」

「ううん。楽しいのは本当だったからさ、それでどうかな?」

「なら、条件がある。ライフジャケットを購入して着用するなら連れて行くよ。流石に堤防では身の安全第一で行動してもらうし、砂浜も同様。海水浴場は砂浜じゃんと思うだろうけど、海水浴場でも離岸流とかはあるだろ?」

「わかった。いくら位なの?」

「正直、ピンキリ。俺と雪華はべストタイプを着用しているけどね。今度、釣り具屋に見に行く?今後も行くなら道具代含めて総額を知っておけば?」

「なら、そうさせてもらおうかな。休みの日にお願いするね」

「了解だ」

 ここで、話を聞いていた鳳来さんが。

「ねえ内宮。うちも一緒に釣り具屋に行ってもいい?買うわけじゃないから申し訳ないけど、興味はあるから」

「俺はいいよ。何かしら俺は買うと思うし、明槻さんは購入前提での入店だし、平気だよ」

「何だか楽しそうですね」

 と烏野さんも言うけれど。

「流石に希望者募ってゾロゾロ行くのは迷惑だから、最初はこの()()だけにしとこうよ」

「それもそうですね」

 との事で俺以外バイトがあるので、店休の水曜日の放課後に釣り具屋に行くことになった。


 〜雪華のひとりごと〜

 ひろ君てば、もうすぐ自分の誕生日なのに忘れているっぽいな。

 まったくもう。

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