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文化祭前日の金曜日

 11月となり、雪華のバイト先である洋菓子店ではチョコレートを扱った商品が出始めた。注文でのチョコを扱う商品はあったけれど、店頭販売はしていなかった。理由として、気温で溶けて見た目が悪くなるのを防ぐためらしい。こだわりを感じるね。

 人気のシュークリームも味の変更があり、現在販売中の季節味は西洋梨と柿味となっている。


 柿といえばウチでは黒柿を栽培している。果皮が黒色をしている柿で、果肉は通常のと同じ色をしている変わった柿だ。また、渋柿を購入して干し柿を作ることもしているぞ。今月後半になれば熟し柿もやるので楽しみだな。


 さて、金曜日の今日は授業は無しで一日文化祭の準備となっている。いよいよ明日からの土曜と日曜が文化祭だからな。ちなみに日曜が一般公開日となっていて、去年は俺と厳さんと昌史の三人は学校見学も兼ねて来たっけ。その後に願書受け取り前にもう一度、通常日の学校も見学させてもらったな。


 そんな事を思いつつ、先日届いたお揃いのオリジナルTシャツを着ながら作業する。

 明槻「長机とパイプ椅子の設置はどんな感じにしようか?」

 昌史「校庭用のを運んできたから、これから実際に並べてみるか」

 桃瀬「内宮君、何しているの?」

「実際に焼いてみようと思う。もうすぐ昼休憩になるだろ?丁度いいと思うし、焼き時間も知りたいからさ」

「雪華と烏野さんと笹嶋さんは悪いんだけど、焼き鳥の準備頼むよ」

「「「はーい」」」

「はい、解凍した焼き鳥肉ね。味の違いを知りたいから別々にして混ぜないように注意してね」

「「「うん」」」

「厳さんと舞原さんは準備が出来たら一緒に焼いてくれ」

「おう!」「はい」

「新山君、ちょっといい?」

「どうしました?」

「当日はバーべキューの時のように炭の補充で火力低下の時間がもったいない可能性もあるから、この七輪で炭火を作ることも考えているけど、七輪の使い方は知ってる?」

「はい。七輪の使い方なら知ってますよ、サンマは七輪で焼いて食べますから」

「贅沢!贅沢だよ、新山君!羨ましい」

 思わず肩を掴み前後に揺さぶってしまった。

「あははははは」

「じゃあ、当日は下津木さんと一緒に頼むよ」

「了解です」

「ひろ君、準備出来たよ」

「よし、じゃあ焼いてみるか」

「鳳来さん、これから試食の焼き鳥をするから焼けたら一旦休憩にしよう。どの商品にするか決めたいから、味の感想のために昼飯と一緒は避けたいんだけど」

「了解よ。でも、難しいとこよね。作業でお腹が空いているから、全部美味しく感じるかもよ?」

「それがあるかー。その場合はまた焼こうか、徳用袋だからモノはあるし」

「そうね。おやつ感覚でいいかもね」

「じゃあ焼いていくから」

「頼むわね」


 ということで、三人で12本ずつ焼く。焼くといっても予め加熱処理してあるのを冷凍している商品を使用する。だけれど中まで火が通っていなくて冷たい可能性はある。なので、ひっくり返す頻度は少なく、強火にしてじっくりと焼いていく。


「焼けたから、休憩にしようぜ!」

 仮設置の長机のエリアに持っていき。

「じゃあ、提供するのを決めたいと思います。全部、部位はもも肉となっていて当日はネギも一緒に焼いて“ねぎま”での提供だけど重要なのは肉だからね」

 舞原「ホタテは味の検証しなくていいの?」

「違う貝も含めてなら検証するけど大小の違いで味はそれほど変わらないから、やらなくていいと判断しました。高級なのは使わないし業務用だからさ」

 舞原「なるほどね」

「じゃあ、食べてみよっか」

「「「「「いただきまーす」」」」」

 焼き具合は大丈夫だな、ちゃんと中まで火が通っている。アレもコレもは無理なので、今回はタレのみだけど美味いな。鳳来さんが言うように腹が減ってる影響もあるかもしれん。


「お腹が空いていた影響かしらね。全部美味しかったわ」

 鳳来さんの言葉に皆して頷く。

「タレのみで塩はやらないんですね」

「これは、舞原さんが加入する前に決めたんだけどさ、焼き台は三台だからアレもコレもは止めることにしたんだよ」

「なるほど」

「で、どの肉が美味しかった?」

「「「全部美味しかった」」」

 下津木「わたくしは、この袋が透明で青文字の肉ですね。冷凍だけれどジューシーさがありました。焼きおにぎりとの相性はよろしいかと」

「「「「「おおー」」」」」

「焼き加減での差、という事はない?」

「中までの焼け具合だと、焼き加減はほぼ一緒かと」

「よし、腹が減っていた影響もあると思うので、後でもう一度試食をしよう。その時は下津木さんが感じた商品と他とを比べるように意識してみようと思うけど、どうかな?」

「「「「「さんせ〜い」」」」」

「ありがとう。じゃあ昼休憩にしよっか」

 烏野「でも、美味しいのを提供できそうなのに、場所が悪いのが残念ですよね」

「案外、心配無いかもよ?焼いていた時に周りを見てたらニオイで注目されていたからさ」

「「「「「へえ〜」」」」」


 もう一度試食をして、下津木さんが提案してくれた肉を提供する事に決まった。

 作業終了後に九條先生に報告して、監視カメラを起動してもらう。


 明日はいよいよ文化祭当日だ!自己負担額を回収するべく頑張るぞ!

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