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文化祭オリジナル衣装

 中間テストも終了したので、学校内の雰囲気は文化祭モードとなっている。十月末といえば、最近お騒がせのイべントがあるのだが…。


「ねえ広也。保育園である仮装イべントだけど、どうしよっか?」

「確か参加は自由だよね。不参加でいいんじゃない?友達の仮装なら平気だろうけど、外部の人達のを見たら、愛美も朝輝も泣くぞ?特に朝輝はそういうのを怖がるから大泣き確実だよ」

「そうね。怖い思いはさせたくないわね」

「今の保育園じゃないけどさ、彩夏の保育園時代もあったけど彩夏も嫌がっただろ?幸い俺の時は無かったから良かったけど、仮にあった場合は俺も泣いてたよ」

「確かに、広也もそういうの怖がってたわね。懐かしいわ」

「兄としては、無理にイヤな思いはさせたくないよ。最悪、朝輝は保育園に行くのを嫌がるぞ」

「わかったわ。不参加にしておく」

「それがいいよ」

 というわけで保育園である仮装パーティはウチは不参加となった。強制参加じゃなくて良かったよ。楽しめる子達だけ楽しめばいいんだからさ。大体、ウチではカボチャなんてこれからの時季は食卓に出る回数が多いんだから不要だぜ!


 ちなみに雪華の反応は。

「なあ雪華。ショッピングモールで仮装イべントあるけど見に行く?」

「ヤメテ!あたしがそういうの苦手なの知ってるでしょ?大体、ひろ君だって嫌いなのに冗談でも言わないで頂戴」

「ごめんごめん。変わってないか確認しただけだよ。嫌いなものが一緒で安心した」

「んもう」

 と、こんな具合で雪華も苦手。恋人なら我慢できることでも夫婦となれば妥協が必要な部分も出てくる。その点、雪華と俺は趣味趣向がほぼ一緒だから問題無いな。


 ◇◇◇


「ここが、内宮班のブースかあ。校舎からは結構離れているね」

「そうね。客引きで立つ必要ありかもね」

 現在、内宮班全員で割り振りされた校庭ブースを確認しに来たわけだけど校舎側から離れた場所だった。

「決まったものは仕方無いさ。この隣のスペースを活用してもいいなら出店(でみせ)じゃなく屋台風に改造できるんじゃないか?」

「いいわね、それ。早速先生に確認をしてみましょうよ」

 校庭ブースは自己負担でわかるように文化祭実行委員では無く、直接学校側と交渉する必要がある。

「そんじゃ九條先生に確認とってもらいますか」

 という事で九條先生に確認してもらい、その結果屋台風で出店(しゅってん)する事になった。


 教室にもダンボールやその他で作った小物がかなり増えてきたある日の放課後。

「ごめん。内宮班は渡す物があるから教室に残っていて!厳さん、悪いけど職員室に一緒に来てくれるか?荷物を運ぶの手伝って」

「よっしゃ」

 厳さんと一緒に職員室へと行き、送り状が貼られた状態のダンボール箱をそれぞれ一箱ずつ教室へと運ぶ。


「ごめんね。これ配ったら帰ろう」

 教室では作業中なので黒板のある前方窓側に集まっていた内宮班に言う。尚、お互い文化祭の出し物には不干渉なのでクラスメイトは作業中でも俺達は帰宅する。窓際班の人達は廊下でダべっているけどこれが彼らの仕事。つまり、邪魔をしないのが仕事ってわけだな。


 ひとつ目のダンボールから取り出したのは焦げ茶色の法被(はっぴ)だ。それを見て。

 鳳来「頼んでいた衣装到着したんだ!」

「おうよ」

 という訳で12人に法被の入った袋を配る。

「わたしにもいいんですか?」

 途中加入の舞原さんが聞いてくる。今回校庭ブースで一緒に行動するのは、舞原(まいばら)美桜(みお)さん。鳳来さんから内宮班に入るようにアプローチすると言われている。彼氏がいるのに告白される不憫な子らしい。


「もちろんだよ。まあ作製最低数を注文しただけなんだけどね。ほら、11人だけだしさ」

「あー」

 それで理解してくれたみたい。教室内で作業していたクラスメイトも気になるらしく、遠巻きにこちらを見ている。

「次は長袖の黒Tシャツな。鳳来さん、悪いけど雪華以外の女子組に配ってもらえるかな」

「了解よ」

「はいこれ、雪華のね」

「何であたしだけなの?」

「女性のサイズを知るのは失礼になるかもだろ?雪華の場合は知ってるし」

「それもそうね」

 舞原さんは少しポカンとしているけれど、その他の皆は反応なし。つまりは、いつものやり取りと認識しているってこと。


「早速着てみたぜ」

 見ると厳さんがTシャツを着て法被を羽織っていた!

 鳳来「中々いいじゃないの!」

「ああ。Tシャツは文化祭が終われば部屋着として着れるような素材にしたから肌触りがいいぜ」

「それじゃあ、当日は忘れずに持参してくれな。予備はあるけどさ」

 鳳来「折角だから、ブース含めた文化祭の作業中はこのTシャツ着て作業しない?流石に法被は作業がしずらいけどさ。オリジナルTシャツは許可されていることだしさ」

 烏野「いいですね。宣伝にもなるし、文化祭の一体感になりますよね」

「「「「「さんせ〜い」」」」」

 ということで文化祭作業はこのTシャツを着ながら作業することになった。


 クラス側はオリジナルTシャツ作製したのかな?

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