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晩飯はカレーだよ

 飼育している鳥達の換羽が終わった。

 かなりのストレスになるそうなので、気を使う時期でもある。赤カナリヤも無事に赤く色揚げできた。何を言ってんだ?と思われるかもしれないけど、赤カナリヤは換羽期にカロチンを含む餌を与えないと羽色から赤が失われるのだ。失われた場合はその個体にもよるけど、薄いオレンジが主体の羽色になる。可愛さまでは失われないけどな。

 ウチでは色揚げ飼料は与えずに、すりおろした赤が濃いめの人参を朝と夕方に交換しながら与えている。ちなみに、他のカナリヤに色揚げ飼料を与えても赤くはならないからな。


 テストから解放された土曜日に俺は父さんに車を出してもらって、流木の譲渡会場にいる。管理する湖とかで放置すると危険になる流木を処分する目的だな。

 流木は俺のようにアクアリウムとかに使う人の他にもインテリアとか様々な使用用途が紹介されている影響で人気があり、この会場にもかなりの人がいるぞ。

 譲渡開始時間となり、物色していく。今日、雪華はバイトで一緒に来ていないので雪華用のも探していき、持参したコンテナボックス2個に満載して帰宅する。購入すると意外とお値段のする流木を無料で貰えるのだから、ありがたい。まあ、ガソリン代はかかるけどさ。

 流木は殺菌消毒やアク抜き目的で鍋で1時間程度煮沸する。もちろんこの鍋は流木とかの専用鍋なので料理には使用していないので安心して欲しい。

 煮沸したら今度は水に漬けておく。雪華がどの流木を気に入るかわからんからな。爬虫類にとって流木のアクは害になることもあるみたいだから、一応念入りに。


 流木作業が終われば、今度はキュウリとメロンの植え付け作業。植える部分にのみ、マルチと呼ぶ黒いシートを敷いておく。これからの季節は保温効果もあるからだ。植え終わったら先日作った枠組みに半透明のビニールシートを被せていき、地面に接する部分は一部を除き土で軽く埋めておく。植えた株の部分だけ軽く開くようにしてあるので収穫含めた管理作業は楽に出来るようになっている。一旦これで様子見だな。


 植え付け作業が終わったので、今年の区画に絹さやえんどうとスナックえんどうの種を蒔く。野鳥に種と新芽を食べられないように、ある程度の高さに防鳥ネットを被せて完成だ。来年の四月位から収穫できるようになる。

 庭での作業を終えた時には薄暗くなっているので、雪華を迎えに行くまでは飼育部屋で作業をする。妹弟達はリビングで父さんが相手をしている。


 〜バイトからの帰り道〜

「流木の譲渡会どうだった?」

「結構、人がいたな。そんな中でも形の良い物が選べたと思うぞ。現在はアク抜き中だ」

「あたしも貰ってもいいんだよね」

「もちろんだ。好きなの選ぶといいよ」

「他には何していたの?」

「雪華に頼まれていたキュウリの植え付けと、一緒に小型メロンの植え付け。来年収穫する、絹さやとスナックえんどうの種まきだな」

「キュウリ、栽培してくれるんだ」

「おう。ちゃんと収穫できるか、わからんけどな。明日、見るといいよ」

「うん! えんどう豆は栽培するけど、そら豆は栽培しないの?」

「そら豆は枝豆と同じで購入したほうがいいんだよ。塩ゆではもちろんだけど、豆ごはんに焼き豆、味噌汁にカレーと幅広く使うからさ」

「そうなんだね。そういえば夏休み中の枝豆の消費もすごかったもんね!あんな感じなの?」

「流石にあそこまでじゃないよ。ただ、枝豆のときと同様に株で購入する場合もあるぞ!」

「へえ〜。楽しみかも」

「カレーと言えば、今日はきのこと秋野菜のカレーだぞ!」

「やったね。ひろ君の家のカレー独特で美味しいから好きだよ」

「前から言ってるけど舌に残る辛さがダメだからさ、俺も父さんも。だから、甘口と中辛のルーを混ぜて作ってるんだよ。辛味は無くてもコクのあるカレーを研究した母さんの父さんに対する愛情の結果だな」

 ちなみにカレーのルーは甘口と中辛をそれぞれ別会社のものを使用するのもポイントらしい。

「あたしんところもそうだけど、ひろ君ところも夫婦仲いいもんね!あたし達も結婚したら仲良し夫婦でいようね」

 そう言って寄りかかってきたので、反対の肩を抱いてあげながら。

「当然だろ」

 そう言って最後はイチャつきながら帰宅する。


 晩飯はカレーの魔力により、いつも以上にごはんがすすむ俺と雪華なのであった。明日の朝も一晩寝かせたカレーだから楽しみだぜ!


 就寝前に雪華がキスしてくれた。キュウリを栽培してくれるお礼だって。収穫できてからでいいのに、と言うも「嬉しい気持ちだから」とのことだ。今回のキスはほんのりカレー味だった。


 明日は愛美と朝輝の通う保育園のおイモ掘り遠足だ。雪華は明日もバイトだから、遠足中に寂しい思いをさせずに済むからありがたいな。

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