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内宮班に新たなメンバー?

 ついにテスト期間が終了した。本来ならテストから解放されて弛緩した空気になってもいいのに、このクラスの空気は相変わらず重い。

 そんな金曜の午後に文化祭についての話し合いがクラスではもたれた。内宮班は校庭ブースで無関係なので帰宅してもいいんだけれど、本格始動に向けて現在窓側後方に陣取りレンタルカタログを見ながら会議中だ。バイト禁止も解除されたけど、店長の厚意で明日からとなっているので、全員参加している。


「電気が必要なものは、念の為に最低限にするとしても、焼き台はどうする?」

「この炭火タイプで平気だよ。客寄せの為に考えがあるからさ」

「問題は炊飯器よね。この一升炊きの業務用がどの位必要かしら」

「ネットに記載での計算だと、仮に100個作るとなると余裕を持たせるなら5台は必要になると思いますよ?」

「でもさ、価格を抑えるから小さめで作るんだよね?記載されている量よりかは多く作れるよ」

「一度に炊くのは危険だよな」

「そこが難しいとこよね。炊き上がり時間がもったいないし、その時間でお客が途絶える可能性もあるし」

「その場合はおかず用の焼き物で凌ぐしかなさそうだな」

 こんな感じで白熱した議論が交わされている。なので、ファミレスとかだと迷惑になるから、と教室にいるのだ。すると。


「いい加減にして!わたしにばかりやらせようとするな!何が男子に人気があるからよ!自分達が楽したいだけじゃない!それに、わたしには隣県に彼氏がいるんだからね!」

 そう言って怒りながらこちらに来る女子。

「内宮君。悪いんだけど、わたしも校庭ブースに加えてもらえないかな?」

 そう言うとクラス内が大きくザワついた。


「いくつか条件がある。それで納得できるなら歓迎するよ。質問は最後にまとめて聞くから」

「うん」

「まず、校庭ブースは全額自己負担。これはクラス内で言われた事だから知っていると思うけど、ここに参加する以上は負担してもらう。これはレンタル品もそうだけど食材費もあるから、五千円以上は覚悟して欲しい」

 コクンと頷く彼女。

「次に提供するものは、もう決まっている。これは学校側だけでなく、衛生面とかの色々を外部にも報告する必要があったから変更はできない。内容はメインが一種類とおかずが数種類になっている」


「価格設定は抑えめにしてある。これは一般開放されると言っても、メインはここの学生だから高額では購入しないと考えているからだ。目標は自己負担分の回収だから消極的と感じるかもね」


「決まっている事ばかりで意見が言える状態では無いけれど、どうする?」

 最初に頷いてからは黙って聞いていた彼女。果たして答えは?ちなみにクラス全員がコチラに注目している。


「質問いいかしら?」

「どうぞ」

「校庭ブースの大きさは?」

「多分だけど縁日とかにある出店(でみせ)位かな」

「提供するのは何?」

「俺の特製焼きおにぎりがメインで、おかずで焼き鳥のねぎまとホタテ。焼き鳥とホタテは焼くときは串で焼くけど、安全面から提供する時は串からハズす」

「売り上げ金はどうなるの?」

「全額自己負担だから、売り上げ金は全員で均等に分配する。黒字になれば自分のお小遣いになるけど、さっきも言ったように金額は吊り上げないよ」

「ずっとブースにいるの?」

「いんや。分担して休憩にするから、校内を見て回れるよ。売り手としても客としても文化祭を楽しむのがこの班のモットーだからね。ブースに束縛はしない」

 少し考える彼女、そして。


「わかったわ。この班でお世話になりたい。皆さんどうかお願いします」

 雪華「決まりね。打ち合わせ中だから座って」

「ありがとう」

 鳳来さんからの全員に向けたメッセージで俺達の班に打診してきた人達がいたら受け入れるかどうかの話し合いはあったので、彼女に対する異論は出なかった。


 そうなると、やはり文句を言う連中が。

「おいおい、ふざけんなよ!男子人気のある、あんたがいるからこの班になったのに意味ねーじゃんかよ」

「そうだ!あんたがいれば他の班の連中も手伝うから俺達が楽できるのによ!」

「おい、バカ。本音を言うな!」

 などと言ったために次々と主に女子から「サイテー」とか「やっぱ、いらないじゃん」とか言われだし、実行委員から名前だけは立派な窓際班に任命されて落ち着いたのだった。


「向こうも話し合い終わるみたいだし、俺達も帰るか。それじゃ、来週から本格始動するからよろしくね」

 新しく加わった彼女に伝えて解散する。


 帰り道に雪華から「話しはするから平気だよ」と言われたので安心する。何でも、主にスポーツ系部活の男子から人気があるらしく疎まれないように全員から一定の距離を置いているらしい。

 これを機に、内宮班の人達と仲良くなれるといいね。

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