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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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ハゼパーティ(鳳来side)

 今日はハゼパーティ。急遽決まった形にはなるけど、バイトのゆきちゃん以外は釣りから参加する。まあ、千奈っちゃんも途中離脱でバイトだから二人の分も釣ってあげないとね。


 内宮がゆきちゃんと二人で内宮班全員分を釣るのはキツイみたいなことを言ってたから一人で2・3匹釣れればいいのかな?と思う。集合場所はうちらにとっての最寄り駅、ドラマやアニメでは朝早くから釣りをする描写だけど内宮が指定したのは10時40分頃で昼飯は食べてこいとの事。


 全員集合したらバス移動で河口へと向かう。悪ふざけで危険な事はするなと内宮らしい注意と危険な魚がいる可能性を言われて釣りスタート。エサは青イソメというグロテスクな見た目のやつだけど内宮が付けてくれるので大丈夫。リールの糸の出し方と巻き方、アタリの伝わり方とかを教えてもらっている時にうちより先に教えてもらってた千奈っちゃんが釣って歓声が上がる。うちも仕掛けを実際に投げてみる。ただ、投げると言っても遠くに飛ばす必要はないので楽だね。投げたら弛んだ糸を巻いてピンと張った状態にして待つ、どの位待つのかな?と思っているとコツコツと感触がきた。これがアタリなのかな?と思い竿を立てると今度はブルブルとした感触になった。リールを巻くと針の部分に魚が付いてる、ハゼとはわかるけど種類はわからないので内宮の元へ。すると「立派な成魚サイズだね。これが狙いのマハゼだよ」と教えてくれる。クーラーボックスには何匹か入っているので誰かも釣れているみたいだからうちも頑張らないとね。


 時間が昼過ぎになった頃には釣りの感覚もわかってきた、だって何匹も釣れているもん。ハゼ以外にもメッキという銀色の魚体の魚も釣れているので楽しい。


 最初は自分以外が釣れても歓声があったけど今では黙々と釣っている中で千奈っちゃんが残念ながら釣りを終えてバイトに向かう。うちらは相変わらず釣りは続けていたけど、何時頃に終わるかを内宮と相談しようとしたら佳奈ちゃんが焦った声で内宮に助けを求めるので思わず動画撮影を開始してしまった。他の皆も何事かと集まる中で内宮が釣ったのは黒っぽい大きな魚だ。佳奈ちゃんが言うようにメッキでは無いし初めて見る魚だ、危険なの?と思っていたら「スゴいよ、笹嶋さん。これはクロダイ!立派なタイの仲間で高級魚だよ」との内宮の言葉にザワつく。え?タイってこんなトコで釣れるの?と思っていたら記念撮影を内宮が始めたので相当珍しいのかもしれないと感じとった皆も撮影を始めることに。


 その後すぐに釣りは終了。片付けの手伝いを言う人もいたけど、公衆トイレで手を洗うように伝えていた。手洗いを済ませて戻ると片付けは終えていて内宮も手を洗いに行き、バスに乗って最寄り駅に戻る。

 下津木さんと新山君は自宅にハゼを持って行き、内宮も自宅に釣り具を置きに帰るその時にうちらから内宮の家族用に釣ったハゼを渡す。驚いていたのでサプライズ成功ね!チチブという黒いハゼも釣れてたけどそれは内宮が食べるとの事。好奇心でうちは一匹だけ食べることにしたけどね。


 内宮から言われた通りに高校近くになったバス内で多澤先生に連絡する。バス停で下車して校門近くで待っているとラフな格好の多澤先生と合流して、レンタルキッチンのある建物へと皆で向かう。到着したのは都市部で見るような高層マンションでは無いけど高めのマンションだ、上層階の部屋に案内された後に多澤先生は他の先生達を呼びに行くとの事で出て行ってしまった。


「ねえ烏野っち、内宮からは蔵持先生がいたら下処理しておいてって言われたけど勝手にやらないほうがいいよね」

 烏野「そうですね。天ぷら用に開いてとは言ってたけど勝手にやるのは違うと思うよ?」

「だよね。量が多いけど内宮か蔵持先生が来るまではそのままにしとこうか」

 烏野「はい」

 申し訳ないけどハゼは放置して部屋で寛ぐことにする。ワンルームだけど広さはあるから全員でいても窮屈さは感じない、それどころかソファやテレビもあるのよ。


 先に到着した内宮にまだ下処理はしていないことを伝える。すると、冷蔵庫を確認しながら。

「大丈夫だよ。それよりさ、冷蔵庫に必要なのが無いから誰かに買い物頼める?鳳来さん以外で数人お願い」

 との事で厳田を荷物持ちで烏野っちと(あけ)みんに頼む。

 その間もハゼとは別の魚を先に捌きはじめたので買い物組以外は内宮の手元の魚を興味深く見ている。


「うちらに手伝えることある?」

 内宮に質問する。

「魚の下処理だけは俺がやるよ。烏野さん達が帰ってきたら、色々手伝って」

「わかったわ。何だかゴメンね、内宮の負担が大きくて」

「気にすること無いって。俺自身楽しんでるからさ」

「お人好しで心配になるわね」

 柳原「いや。内宮はお人好しじゃないぞ」

「どういうこと?」

 発言が気になったうちは柳原に真意を聞くことにする。すると意外にも内宮は辛辣な性格なのだとか。

 中学時代のキャンプ事件の時に一緒になった班員の数人が何もせずに『肉を焼いとけよ』とだけ言って遊びに行ったら確かに肉は焼いたけど焼きっぱなしで戻った時には黒焦げで食べられない状態。他の食材は全てお腹の中で食材が足りない状態だから他の班にも食材は無くて食べられなかったそうだ。

 もちろん、その数人はキレて内宮に詰め寄ったらしいけど『肉を焼いとけよ』としか言われてないからその通りにしただけ、と涼しい顔で言い放ったらしい。

 その数人は何も食べられず空腹で一夜を過ごしたそうだ。まあ空腹なのは全員だったんだけどね、何も食べてないよりかはマシか。


 そんな話しをしていると多澤先生達と一緒に下津木さんと新山君が来た。連絡が来ないから心配していたけど、先生達と偶然合流したみたいね。

 その後すぐに買い物組も戻り、うちと佳奈ちゃんは天ぷらの衣作りをしたあとに、うちは多澤先生指導の元で天ぷら作り。この天ぷらは一部の人の自宅用に揚げる、エプロンはここの備え付けのを借りている。まあ、内宮は持参していたけどね。


 自宅用のを揚げ終えてそれぞれ自宅へと向かって、うちも一旦自宅に戻る。自分の鍵で玄関ドアを開けて上がる。

「ただいま〜。おかあさ〜ん」

「あら、どうしたのよ」

「これ、うちらが釣ったハゼの天ぷらね。これから本格的なパーティになるから、帰りは行く時に伝えた時間位になるから」

「わかったわ。でもこんなにいいの?」

「うん。家族全員分なんだから当然でしょ?()()ずつ食べてね」

「わかったわ。気を付けて行くのよ」

「うん。行ってきま〜す」


 再び家を出たうちは高校を目指す、と烏野っちが偶然同じバスに乗ってきたので一緒に戻ると内宮も作業を終えて寛いでいたそうだ。

 内宮と烏野っちと皆で一緒に食べるかどうかの結論の出ない会話をしていると、厳田以外全員集まり話題は佳奈ちゃんが釣ったクロダイに。

 佳奈ちゃんと明みんが自宅分の天ぷらを作っている時に持参したケーブルをテレビに繋ぎ、クロダイが釣れた時の動画を流して盛り上がる。ただ、ブレている時は恥ずかしかったけどね。


 ついにパーティ開始!まずは先生達の分を揚げてから自分で食べる分は自分で揚げるスタイルだ。見てくれるのは内宮とゆきちゃんなので安心感はある。

 厳田は遅れるとの事で揚げ終わった人から食べて行く。ハゼ以外にも内宮が刺身とお味噌汁それに漬物も用意してくれたので豪華な感じがする。


 ただ、気になるのがハゼを食べてる人が無言なんだよね。美味しくなかったのかな?と不安になるけど逆だ!すごく美味しい。アレよアレ、カニを食べる時は無言になるみたいな感じよ。

 刺身も甘みがある白身だし、お味噌汁も何やら小型のカニから出汁を取ったみたいで美味しい。


 厳田を待っていた男子組が食事中に食べ終えた女子組は手分けしてキッチンの後片付け中だ。

 特に内宮には釣りから調理まで世話になったから片付け位はしないとね。それは全員共通だったみたいで何だか嬉しい。


 男子組の食事と女子組の片付けも終わり先生達の分も買ってきてくれたバイト先のシュークリームを食べながら、うちが撮影した動画を見ていると時間となり解散することに。


 兄貴が迎えに来てくれたので、バイクの二人乗りで帰宅するとお母さんがうちの両肩を掴み。

「美夜子!またハゼ食べたい!」

 と懇願してくるのだった。そして頷くお父さんと兄貴。

 しゃーない、内宮にもう一度ハゼ釣りに連れて行ってもらえるか聞いてみるか。

他のキャラ視点は先生含め数人考えていますが後日談を含む内容なので、投稿はバラバラとなります。

明日は広也視点に戻ります。

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