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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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ハゼ釣り

 地域によっては夏休みが終了して授業が再開されている小学校もあるらしい。俺達が住むところは9月1日が始業式となっている。そんな事情もあるのか、彩夏の宿題の絵日記も終了となった。ちなみに絵日記は今年まで、三年生からは無くなるけど読書感想文が加わることになるそうだ。俺が通っていた小学校では読むジャンルというか本のタイトル自体を半ば決められていたので苦痛だった記憶があるな。


 色々なイべントの打ち上げを夏休み中にするという話があったけど、雪華を除く内宮班の女子であったらしい。雪華が不参加な理由は俺と一緒にガサガサに行っていた為。男子組もそれぞれ参加出来ない日だったらしく不参加だったようだ。まあ先延ばしが続くような感じだったし、重要度は低いよね。鳳来さん曰く「近況報告みたいなもん」との事だ。


 さて、俺と雪華はハゼ釣りへと来ている。ここらでは9月中旬からが成魚サイズの本格的シーズンなんだけど今のサイズが知りたいからだ。6月位からシーズン開始なんて記事もあるけど、小さいのを釣ってどうすんだよとの気持ちになる。俺達はあまりにも小ぶりなら移動して別な魚種の釣りをするか帰ることにする。数が釣れたとしても小さいんじゃ食べごたえが無いからね。餌は俺はミミズで雪華は青イソメ。キス釣りのように遠投はせずにチョイ投げで狙う。ちなみに餌のミミズはウチで餌用に飼育しているやつの小さめを持参している。


 肝心の釣りのほうはと言うとブルブルと感触があったので竿を立ててアワセる。リールを巻くと12cm位のマハゼが釣れた、マハゼは最大20cm位だから約半分位で十分な大きさだ。

「雪華釣れたぞ」

「あたしも、ただ黒いからチチブ(通称ダボハゼ)だね」

 チチブは最大10cm程の魚なので立派は成魚サイズだ。ダボハゼ食べるヤツなんて馬鹿だろ、みたいに言うヤツもいるけど普通に美味しい。ただ、マハゼに比べると中骨を中心にかたい部位が多いので開いて食べるのが楽だな、と個人的に思う。


「ねえ、ひろ君。あたしもミミズを餌にしたい」

 釣りを始めて数時間、雪華がそんな事を言い出した。まあ気持ちはわかる、釣果が違うからな。

「雪華もミミズを餌にするのは嫌なんだよ。意地悪じゃなくて、ミミズを針に刺す時に体液が出るだろ?これが臭いんだ。だから雪華の手を臭くさせたくないんだよ」

 何せミミズの体液は臭いのだ。石鹸で洗っても気になって手の(にお)いを何度も確かめる位だからな。

「気遣いは嬉しいけど釣果に差が出るとな〜」

「なら、俺が納竿(のうかん)(釣り用語でその日の釣りを終了すること)して雪華の餌付けするよ」

「いいの?」

「ああ。予定には無かったけど、蔵持先生()の分も確保できたからな。ミミズ終了まで俺が付けるよ」

「ありがとう。残る青イソメはどうする?」

「持ち帰って飼育魚の餌だな」

 そう言いつつも自分の片付けを進める。


「よし、餌付けはまかせろ」

 自分の片付けを終えた俺はクーラーボックスの上に座り雪華の後ろ姿を見ながらまったりする。

「ひろ君。カレイが釣れたよ」

「おー。木の葉カレイってやつか。種類はわからんが飼育するか」

「うん」

 幸い針を飲み込んでいないので、飼育することにする。このサイズなら他の魚の脅威にはならないし、べラとキスの水槽が砂地だからそこにしよう。ただ、河口で比重が違うから水合わせを数日かけてしっかりやらないとな。

 そんな感じで時間は過ぎていき。


「雪華、時間も丁度いいしミミズも無くなったから最後の一投な」

「わかった」

 そう言うとチョイ投げではなく、深場のほうに投げてルアー釣りのように竿を小刻みに揺らしていると。

「きた」

 ハゼとは違う竿のしなりなんだけど?

「釣れたどー」

「これ狙った?」

「ううん。ただ、変なアタリは感じてたからボラの幼魚が釣れると思ったんだけどな」

「まさか、セイゴ(スズキの幼魚名)とはね。雪華さんは持ってますな〜」

「へへ〜」

 少しドヤ顔の雪華。

 これにてハゼ釣りは終了する。雪華の釣り道具を片付けしている間、雪華はガサガサしている。ハゼが駄目な場合に備えて念の為に網を持参していたのだ。ガサガサしている深さは膝下なので浅いし、流れもゆるやかなので心配ない。


「雪華、片付け終わったから帰るよ」

「は〜い」

「何も採れないだろ」

 採れたとしてもエビやミニハゼだろう。

「ヨウジウオが採れた」

「予想外の答えにビックリなんだけど!」

 バケツの中を見ると幼魚なのか小さめだけど体型からヨウジウオなのが7匹いる。もしかしたら雌雄でいるかもな、と期待してしまう。


 自宅に帰る途中で高校に寄り先生()にハゼを献上する。今日は多澤先生と安中先生と一緒に蔵持先生宅で女子会なんだって。ただ、この場にいるのは蔵持先生だけなので残念だ。

「蔵持先生、夏休みはこれで最後です。数が中途半端で申し訳ないですが、8匹ずつ召し上がって下さい」

「わかりました。では、始業式で会いましょうね。最後まで気を付けて下さい」

「わかりました、失礼します」

「失礼します」


 帰宅して飼育するのはいつも通り薬浴中。

 今日の釣果で食べるのはマハゼ、チチブ、コトヒキ、セイゴだ。

 マハゼとチチブは唐揚げとフライの揚げ物に。コトヒキとセイゴは塩焼きにして、セイゴは一匹だけなので釣った雪華が食べることとなった。

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