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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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ダブルデート(後編)

 熱帯魚屋を後にした俺達はマルシェが開催されている場所についた。どうやら商工会館のような場所を貸し切りにしているみたいだ。食フェス会場と違い空調が効いてるので涼しくてありがたい。


「案内板を見ると使用している素材によって大まかに分類されてるみたいだな」

 雪華「なら、上の階から順番に見て回るのはどうかな?最後はこの会場から出るんだし」

「そうだな。二人はどう思う?」

 そう聞くと二人共賛成してくれたので、三階へと向かう。


 陽翔と笹嶋さんも打ち解けて陽翔が積極的だ。最初躓いたからな、ちゃんと挽回しないと次は無いと思っているのだろう。

 ここ三階はレジンや金属細工が主な場所でネックレスとかのアクセサリーや小物が中心となっている。レジン加工は俺もするから参考になるな。

「こういう場所のって一点物の雰囲気があっていいね。ひろ君や和樹さんも作ってるよね?出店しないの?」

「実はしてるんだ。父さんは同人誌みたいにサークルに所属していて出店する場合は販売品もあるんだよ。俺の場合は母さん共同のドール関連の小物が多いからオークション出品だな」

「そうなんだね。そう言えば春アニメの可愛いって話題になったキャラのドール作ってたもんね」

「あれ実は大変なことになってな。母さんがSNSに投稿したら原作ファンを中心に再現度が高いとバズって、DM(ダイレクトメッセージ)で売って欲しいと連絡も来たんだよ」

「すごい!それでどうしたの?」

「オークションに出品するって告知して、出品したんだよ。開始金額はドール本体と材料費+αでな、で落札金額がこれ」

 スマホに出品したドールの落札時のスクショを雪華に見せる。

「な! 6桁中盤の値段が付いてんだけど?」

「俺と母さんも驚いたよ。市販の限定ドールや未開封の廃盤ドールもここまでの金額しないからさ。まあ、これより高額な廃盤ドールもあるけどな」

 食い入るようにスクショ画面を見る雪華からスマホを返してもらい、今度は落札者からの長文コメントを表示させて雪華に見せる。

「これが落札者からのお礼コメントね」

「すごい熱量のコメントだね。想定金額より安かったとか御神体にするとか書かれてるよ」

「母さんと俺が嬉しかったのは、画像より顔の表情が可愛いや衣装の出来が素晴らしいの部分だけどな」

「この目で追ってくれる、というのは何?」

「それは追視アイって技術で右に行けば右に、左に行けば左にアイが追ってくれるんだよ」

「へえ、すごいね。何か驚きすぎちゃったよ」

 そう言ってスマホを返されて、その後は気を取り直して販売品を見てまわる。


「陽翔どうした?」

 雪華は笹嶋さんと一緒。

「笹嶋さんがこの商品気に入ったみたいでな、買ってあげたいんだけど高いんだ」

「へえ」

 気のない素振りをして観察する、なるほどね。

「俺らには高い、諦めろ」

 そう言って陽翔をその場から連れ出す。

「陽翔。もし次に笹嶋さんが会ってくれると言うなら、あのぺンダントを自作しろ。俺と父さんがサポートする」

「作れるのか?」

「ああ。材料費は負担しろよ?とは言っても、あの値段の3分の1の金額だけどな」

「わかった!その時はよろしく頼む」

 そんな感じで見て回るが雪華も笹嶋さんも気にはなっても購入はしていない。意外と高いのもあるのかもしれないな。俺はハグロトンボをモチーフにした金属加工の商品が気に入り購入した。


 二階は茶碗や湯のみといったような焼き物のブースとなっている。丼ぶりとまではいかなくても大きめの茶碗でもあればと思ったけど無かった。雪華達三人は興味が無いようなので一階へと行く。


 一階は木や竹が中心のブースだな。上の階と違い、かなり大きめの商品も散見される。

 ここでは雪華と笹嶋さんが竹細工の髪飾りで気に入ったのがあったので、男性陣からプレゼントしてあげた。値段もお手頃だったしね。

 二人共、浴衣の時に合いそうとの事だ。雪華の浴衣姿を近日中にまた見れるかもしれないな。


 いくつかの商品を購入した俺達は食フェス会場へと戻ってきた。

 歩いた甲斐もあり、笹嶋さんも無事にスイーツを食べることが出来て満足そうだ。

 夕方近くになり、混雑してきたので帰ることにする、人通りの少ない場所に移動して。

 陽翔「笹嶋さん。友達からでいいので、お付き合いしてくれませんか?」

 笹嶋「よろしくお願いします」

 俺と雪華は拍手して祝福する。


 笹嶋「でもデートは内宮君と雪華ちゃんと一緒のダブルデートでしばらくはお願いしていい?」

 陽翔「もちろんです。いきなりは不安だと思うんで」

 笹嶋「ありがと」

 二人は連絡先を交換する。

 笹嶋「頻繁なやり取りも苦手なの。でも、一日一回は連絡してね」

 陽翔「なら、夜に連絡します」

 笹嶋「ゴメンね、我儘ばかりで。でも、嫌いじゃないから誤解しないで」

 陽翔「うす。大丈夫です」


 こうして笹嶋さんと陽翔の顔合わせを兼ねたダブルデートは終わった。帰りの電車内で笹嶋さんが「素敵な人だった」と言ってくれたので安心する。あとは陽翔の頑張り次第だな。

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