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第四章 庭師殲滅作戦⑦ 終焉

YouTubeにて音声動画上げてます


OP「CHILD」


https://youtube.com/shorts/yy-TQ-HsMWA


お手数ですがブラウザでURLをコピペしてお聴きください


「夜の街とその闇を駆け抜ける黒い影」をイメージして作りました

聴いてから本編読むとテンション爆上がり!

 ――――愛してる。絶対守る。私はその言葉を信じていた。

 中1の時、体操部に入った私は優しくしてくれる先輩に出会った。体操はやっていたことはあっても全然素人の私。そんな私を色々手助けしてくれて。そのうちに…初めてを捧げた。でも先輩は中3。受験が終わって先輩が卒業して…それっきり自然消滅。

 高校に入って、まだ初々しい担任の先生。なんだか先輩思い出しちゃうな、なんて。ある雨の日、傘を忘れてずぶ濡れで、そんな私に彼は傘を差し出してくれた。風邪をひきますからと部屋に呼ばれて。服を乾かす間、彼は私のカラダが気になってるみたいで、ちょっとしたきっかけで…結ばれちゃった。それからはお互いに求めるままに交わって…でもやり過ぎちゃったかな、バレちゃって。彼は何も言わずにいなくなった。

 先輩も。先生も。愛してる。絶対守る。そう言っていたのに…

 学校にも家にもいられなくなって、私は家を出てきてしまった。それからはカラダを売って稼ぐ日々。トー横からビブ横に拠点を移し、おしゃべり仲間のモエノから、話があるってセレブなホテルのスイートに呼ばれた。そこでアンナさんからアンジェラスに誘われた。ヤバい取引の手伝いらしいけど、お金も貰えるって思えばこんなラッキーなこと、ないじゃない?

 アンジェラスの仲間はみんな楽しい人ばかり。その中に、最近入ったセリナってちっちゃい子がいる。なんかカズサにご執心のようだけど、当のカズサは気が付いてないみたい。がんばれー! セリナー! って思ってるところへ事件が起きた。ミキヒサがセリナを犯そうとしたらしい。それでカズサは思いっきりミキヒサをブン殴ったらしいのだけど。でもミキヒサはアンジェラスを辞めたりしなかった。

 ある日トレーニングルームでミキヒサと二人きりになっちゃって。でも話をしてみたらすっごいいい子でね。ミキヒサは私よりずっと年下。セリナの件、すっごく反省してて。カズサにブン殴られて説教されて目が覚めたって、俺もカズサさんみたいになるんだって、すっごく熱く語るの。うわーカワイイ、って思っちゃった。それから…私はミキヒサと付き合うようになった。

 ミキヒサは私にいう。愛してる。絶対守る。私は、その言葉を信じていたい。ずっと――――



 倉庫のバルコニーに上がった上野は人影を探していた。屋内用に銃床を切り詰めたショットガンを構え腰を屈め、手すりの陰に収まりつつ前進する。

 間も無く倉庫の最奥部という辺りまで進んだ時。

(いた…!)

 上野が求める者は、クレーンを吊るす梁の上にあった。それはずっと下を注視し、周囲を警戒する様子はない。上野はスルスルっと距離を詰め、音を立てぬようそうっとセイフティをスライド。

 目標の梁まで来た時。

「そこの人! 両手を挙げてこちらの指示に従いなさい!」

 ショットガンから伸びた赤いレーザー光が振り返ったココノの肩を捉えている。

「抵抗するなら撃ちます!」

 虚を突かれ動揺するココノ。しかしシュヴェルトを抜き、構える。

「警告はしました! 武器を捨てて投降しなさい!」

 構えたまま動かない。

「キャァァァァ」

 セリナの悲鳴が響く。それにチラッと上野が目線を外した隙にココノが上野に向かって突進してきた。

「撃ちますッ!」


ダンッ ジャキッ ダンッ ジャキッ


 微かに下へ向けられた銃口から放たれた弾はどちらもココノの膝を捉えた。膝に当たった弾はそこで破裂、中からはドロっとしたモノ。急速硬化型の樹脂はすぐさま固まり、ココノの膝の自由を奪う。柵のない梁で脚の効かなくなったココノはバランスを崩し、地上へ落ちていったのだった。



「ココノォォォォォッ!」

 駆け寄ったミキヒサの絶叫。

「上野。よくやった」

 通信機へ向けた本城の声は、ミキヒサのみならず、カズサの耳にも届いていた。

「…よくやった…だとォッ!?」

 カズサは鉄バットで本城に殴りかかる。が、呆気なく躱された。

「テメェ…それでも人間かァッ?」

「よく言う。傷付いたのは君の仲間だけではない。私の仲間も。それもかなり残忍な方法でな」

「テメェらが手を出さなけりゃこんなことにはならなかったッ!」

「そうはいくまい。麻薬の密売組織を放置するなど。世の常識を考えてみたまえ。それで投降するのかしないのか。まだ答えを聞いていない」

「テメェ、今の状況、分かってんのかッ?」

「その言葉、そのまま返そう。君の仲間はあとどれだけ残っている? こちらは警察組織もまた戦力として電話一本で用意できる。人員は無限だ」

「その前に…オマエを潰す」

「どうやガァッ」

 本城は首に手をやり苦しむ。

「こうやってだヨォッ!」

 背後から忍び寄ったミキヒサが、本城の首にステンレスワイヤーを回し、締め上げた。

「ガ ァ ふガァ」

「散々やってくれやがったよなァッ!」

 吊り上げられた本城に、カズサは鉄バットを振るう。

 かつては甲子園を目指し、エースで四番だった男のフルスイングが唸り


グシャッ


 防具を、その先をも砕く。本城の右膝下が力なくダラリと垂れ下がった。

「よくもアンナさんをコケにしてくれやがったよなぁッ!」


ドガッ


 胴の防具を砕いた鉄バットは元の形が分からないほどに湾曲していた。本城はピクリとも動かない。

「死ねやァァァァァッ!」


【がんばり過ぎて人でも殺されたら堪んないからね。ふふっ】


 ふとカズサの脳裏を過ったアンナの言葉と笑顔。それが、本城の顔目掛けて振り込まれた鉄バットのスイングを鈍らせる。

「未紗ァッ!」

「オワァッ!」

 暗闇から林が飛び出し、カズサを突き飛ばした。

「まだ隠れてやがったァッ!」

 カズサが振り下ろした鉄バットは本城に覆いかぶさった林の背中へ。

「グゥッ!」

 その時。

「アクセルッ! ギャノンブレイカーッ!」


ドゴォッ


「ガァッ」

 ミキヒサの背中が爆ぜ、吊るされていた本城は地に堕ちた。

「何者…テメェはッ?」

 カズサが叫ぶ。

 倒れたミキヒサの代わりに立っていたのは、緑に輝くメタルのボディ。

「宇宙記者…ギャノン…?」

 林が呟いた。

「そこの人! この人を連れて行って!」

「あ、ああ!」

 林は本城を抱き上げると、安全が確保できる距離まで離れた。それに目をくれることもなく、カズサはタケシを真っ直ぐ見据え、対峙する。

「ギャノンとかいうヤツ。なぜ俺たちの邪魔をする? テメェもガーディアンの仲間か?」

「アンタ、デギールか?」

「ああん? こっちの質問に答えろよッ!」

「アンタはデギールか?と聞いている」

「コイツ…ッ…ああ、そうだ。俺たちはデギールだ。デギールのアンジェラスだ!」

「石廊崎事件を知っているか?」

「なんだそりゃ? ってか、こっちの質問に答えろよッ! なぜテメェは俺たちの邪魔をすんだッ?」

「アンタがデギールだからだ」

「な…あ? 意味がわかんねぇよ…確かに俺たちゃデギールだ! だがそれの何が悪いッ? 正義の味方のヒーロー気取りかよ!」

「オレは正義の味方なんかじゃない。だが犯罪者の何が悪いと言われてもな。その点はガーディアンとやらの肩を持たざるを得ない。アンタにはアンタの言い分があるだろう。しかし、俺にもある。お互いの言い分同士をぶつけ合うなら、通るのは強い方。ただそれだけだ」

「つまり…」


ジリ…


 カズサは鉄バットを構え

「俺が勝てば俺が正しいってこったなァッ!」

 全力で振り下ろしたそれはこれまでにないスイングスピードだった。

 が。


パァンッ


 タケシの一振りで鉄パイプは簡単に弾かれた。

「な…に?」

「なかなかいい太刀筋だが…そんなんじゃオレには勝てない。ブレイカーッ!」

 振り下ろされた青く輝く刃がカズサを目指す。


ガシィィィ


 しかしそれは行く手を遮られた。

「な…ミキヒサ?」

 防いだのはミキヒサのシュヴェルトだった。

「カズサさんッ! ここは俺がッ! カズサさんはアンナさんをッ!」

「けど」

「早くッ! 惚れた女を護るのが男ってヤツでしょっ!」

「ミキヒサ、お前…う、分かったッ!」

 原形を留めぬほど湾曲した鉄バットを捨て、カズサは駆け出す。

「チッ!」


ヒュッ… ペタ


 咄嗟にタケシが投げたものがカズサの黒い背中に貼り付いた。

「オメェの相手は俺なんだよッ!」


ギッ ジャキィィィィ


 ミキヒサはタケシのブレイドを振り払う。高エネルギーの刃同士が擦れ合い、火花が暗闇にパァッと飛び広がった。

「アンタじゃ話にならない」

「何をッ?」

「武器を捨てろ。でなけれな斬る」

「ガーディアンみてぇなことをォォォォ!」

 ミキヒサは振りかぶり、大上段から斬りつける。が。

「無駄だと」


ドガァッ


「忠告した」

 赤い刃が達するより遥か前、青い刃はミキヒサの右腹を横一文字に捉えていた。

 アンザグは斬られたところから中和を始め、間も無くそれが身体全体へ広がり


ドゴォォォォォォォォォ…


 全身が中和爆発を起こした。今、タケシの足元にはいつもの黒いジャージ姿のミキヒサが横たわる。

「まだ一人…!」

 そういうと、タケシは逃走したカズサを追い、倉庫脇の通用口を駆け出ていった。



 一部始終を見ていた林。

「なんだったんだ…いや、未紗。未紗ーッ!」

 林はその腕に抱く本城へ呼びかける。

「バイタルチェック」

 背中で声がした。振り返れば橙色のギャノンスーツ。

「その女性(ひと)、息も脈もあるから大丈夫。それより手伝って欲しいの」

「え?」

「上にいる方! あなたも!」

「は、はいっ!」



「とにかくこの子たちを、近くにある柱でもなんでもいい、縛り付けて」

「なぜ、そんなことを?」

「『落ちないように』よ」

「それでは意味が分からない。ちゃんと分か」

「ガタガタ五月蝿いっ! 言われた通りにまずはやりなさいッ!」

「あ、ああ…」

 ルミの勢いに押され手伝う林。上野は…恐らく本城で慣れているのだろう、一言の文句も言わず、手伝っている。

 そして間も無く、林はルミの言葉の意味を知ることになる。

(間に合って…お願い!)

「ギャノンさん! こっちOKです!」

「こっちもだ!」

 その声が掛かった刹那。

「始まる…ふたりとも! その子たちから離れなさいッ!」

「何のことだ…?」

 と言われるままに距離を置く。すると…縛り付けられた子供たちの地面に、ぼわーっと漆黒の穴が口を開けた。

「何だこれは…いや、これは?!」

 林はそれを知っていた。病院の防犯カメラに映っていたものと酷似していたのだ。おそらく護送車の件も同じものだろう。

「これは…何だ?」

「位相転送の、入り口、とでも言うのかな? ワステロフィではゲートって呼んでるけど。まぁとにかく、二人の協力で誰もゲートには飲まれなかった。感謝するわ」

「あなたは一体…」

「私は…ギャノンのお友達、かな? ちょっと置いてけぼり食ってるんでこの辺で。それじゃ!」

 ダァッと駆け出すと、ルミはタケシ追い、彼が通ったドアから出ていった。


ED「あなたの隣で深呼吸」


https://youtube.com/shorts/gZ-NHOOCiGw


とても背の高い男の子を好きになった女の子の歌

癒し系ほのぼのソングなのに本編最終エピソードまで読み切ると歌詞の意味が心に痛い!

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