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第四章 庭師殲滅作戦② 決行

YouTubeにて音声動画上げてます


OP「CHILD」


https://youtube.com/shorts/yy-TQ-HsMWA


お手数ですがブラウザでURLをコピペしてお聴きください


「夜の街とその闇を駆け抜ける黒い影」をイメージして作りました

聴いてから本編読むとテンション爆上がり!

 20:30を回ったところでピキンとスーツ間通信開始の音が鳴る。

〈ココノから全員! 何か来た!〉

 クレーン用のバルコニーから外を監視していたココノからだ。

〈車! 警視庁って書いてある!〉

「早いんだけど?」

 とアイ。

 エンプティヘブンの取引では捜査撹乱のため開始時間を指定してもそれより1時間以上遅れて始まるのが常だ。その証拠にそれを知っているタケシはまだこの場に到着していない。それ故、指定時間よりも早く現れた、ということは…

「その辺の事情を知らないヤツ、って感じー?」

「ガーディアンかな〜」

 車は倉庫の真正面へ無遠慮に止まる。護送車と大型のクロカン車がもう一台。その車は停車すると、屋根からパラボラアンテナをニョキっと生やした。無線指揮車だ。



 到着後、指揮車に集まったガーディアンメンバーは、隊長の本城を含め5名。

「図面では見たものの実物はかなり大きな倉庫だ。これだけの大きさだとこの人数で制圧するには無理があると判断した。当初の予定では私も現場入りするつもりだったが、尼ケ崎」

「ハッ」

「私と代わって現場に入ってくれ。非番なのにすまんな」

「いえ。了解しました」

「私は休暇中の須藤、上野とコンタクトを取り、増援を頼む。両名がこちらに着き次第、第2班として現場入りする。何か質問は? ん、宮内」

「先日の現場に現れたという黒い連中、出てきたらどういたしますか?」

「どうもこうもない。そもそも中には彼らしかいない。おそらくこれはワナだ」

「ワナ、ですか」

「たかが麻薬の取引にこんな大きな倉庫を使う必要は無い。それに人の気配、というか、取引元も先も、車輌がない。ならば我々を潰すためのワナと見るのが妥当だろうな。まぁ元刑事のカンだが」

「なるほど。了解いたしました」

「よって本作戦、力押しで進むだけでは済まないと思われる。みんな心して掛かってくれ」

「「「「ハッ」」」」

「本城隊長。侵入路は?」

 本城はモニターに映る倉庫正面を指揮棒で指す。

「もちろん正面、からだ」

 その口調には自信が溢れていた。



 ガーディアンの到着を見ていたのはアンジェラスだけではなかった。

「来ましたね、警視庁車両」

「ああ。ウチの上とは話がついてるってこったろうな」

 物陰に潜んでいるのは林、古賀、高橋の県警刑事3名。

「お前らジャンケンは済んでるのか?」

「俺が行きます」

 と古賀。

「分かった。高橋はいざという時に応援の要請を頼む」

「了解です」

「俺たちは正面からってわけにはいかんから、開いてるドアでも探して建物の周囲から侵入だ。ガーディアン御一行様の歓迎パーティーが始まったら、古賀、動くぞ」

「了解しました」



 倉庫正面には大きなシャッターがあるが、ガーディアンと言えどもこれを開けて入ると言うわけにはいかない。左すぐにアルミ製のドアがあり、正面からの侵入はこれを使うことになる。

 現場指揮を任された副隊長の宮内は刺又を手に先頭、棍棒を持った星野、リュックを背負った月島、棍棒の尼ヶ崎が続く。

 ドアを開けたすぐは壁。倉庫内周に沿いパーティションで区切られた通路となっている。正面からとの命令(オーダー)通り、一向は正面シャッターの方向へ進む。パーティションが途切れ、一切の照明が落とされた真っ暗で広大な倉庫内が見えた瞬間。

〈ウワァッ!?〉

 叫び声と共にカメラ映像が途絶、無線指揮車内のモニターが暗転(ブラックアウト)した。

「どうしたッ? 何があったッ? 宮内、報告せよ!」

〈ワイヤーによるトラップ! 上から液体! これは…蛍光塗料ですッ! 暗視ゴーグル使用不可能! 指示を求む!〉

 スピーカーから宮内の慌てる声。

(ワイヤー? デギールというのは地球外から侵入した外患と聞いているが、存外アナログな罠…買い被り過ぎたか?)

「指揮車了解。落ち着け、宮内。暗視ゴーグルは破棄、目視による戦闘に切り替える。相手は全身黒装束だ、心して掛かれ。それから恐らくレンズに塗料が付着したのだろう、ボディカメラが死んでいて、こちらからの指示が出せない。緊急の現場判断はお前がやれ」

〈宮内了解! 隊長。すぐ前が3方向に分かれています。3班に分けて捜索しますか?〉

「いや、それもワナだろう。こちらの戦力を分断して個別に潰そうという魂胆だ。4人一班を維持、小細工せずに正面へ進め」

〈宮内了解。正面進みます〉



「おぢちゃんたち、逆走なんだけど?」

 入り口付近で様子を見ていたジョイナス班のアイが軽口を叩く。

「バラけたら囲んでボコってやろうと思ったのにナ」

 ショウが少し残念そうに言う。

「うん。さすがに簡単には引っかからないね…」

 と、ガーディアンがひとまとまりのまま進むのを見届けたセリナ。

「こちらジョイナスセリナ。庭師は一方通行を逆走中、123からZを通過。ジョイナスはこれから移動します。ココノ、モアーズの誘導、お願い」

 見上げればクレーンのレールに人影。ココノだ。

「りょうかーいセリナー。モアーズのサキー」

〈ハイよッ!〉

「庭師はもうすぐフィーバーに到達だよー」



「ちょっと、イヤだな…」

 ガーディアンの先頭、宮内は困惑した。

 樹脂製のパレットや木箱などで仕切られた幅3mほどの通路を真っ直ぐに進んではみたものの、再び左右に分かれた上、前方にはクランク状にしか進めない。クランクの陰に待ち伏せている可能性がある。

「隊長。いかがいたしますか?」

〈迷うところだな…だがまずは最奥部まで進もう。もし取引が行われていれば確保、そうでなくても倉庫内の把握はできるからな〉

「宮内了解。クランク状の通路を抜け最奥部を目指します」



〈ココノから全員。庭師、フィーバー通過、右折。さらに楚々屋を左に折れてパルナードへ向かったー。モアーズ、出番だよー!〉

 ココノからの『天の声』がアンザグ間通信で届く。

「モアーズサキ了解。それじゃ作戦第2弾。私とユウタがミスったらミキヒサ、バックアップ願い。上手くいったらアウラへ移動。行くよ! ユウタ!」

「了解!」

「わかった!」

 ガーディアンの4人が日焼けサロンに差し掛かったところで、すた〜ずべるから飛び出した二つの黒い影が最後尾にいた尼ヶ崎の背後へ。

 そして。

「グワァ」

 暗闇の中、左右から尼ヶ崎の膝裏目掛けてシュヴェルトの赤い光が二筋走った。それらは見事に命中、尼ヶ崎は後ろへひっくり返り、二つの影はそのまま走り去り、消えた――――



ED「あなたの隣で深呼吸」


https://youtube.com/shorts/gZ-NHOOCiGw


とても背の高い男の子を好きになった女の子の歌

癒し系ほのぼのソングなのに本編最終エピソードまで読み切ると歌詞の意味が心に痛い!

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