表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

2.どうせならVがいいな

 篝火の火のみで照らされた薄暗い神殿の奥に祈りを捧げる者の姿があり、その周辺には甲冑を着た騎士の様なものたちが並んで見守っていた


「!」


「御告げが届いたのか!」


 祈りを捧げていたものを見守っていた騎士の様な男が1人、近寄っていく


「はい、スーリア王国の南西にナンザという村に住む木こりの息子と仰られました」


「直ちに兵を、そのナンザと言うところに向かわせろ!」


            ●


 15歳になった俺は、時々村周辺の調査という名目で村の外に出る許可を、両親からもらった


 父さんも母さんも2人とも俺が1人で村の外に出るの時はすごく心配そうな顔をしているけど、木こりの手伝いと筋トレによって鍛え上げたこの肉体があるので大丈夫だという自信がある、それが分かってるから2人とも許可を出してくれたのだろう


 ちなみにこの世界での俺の両親はそれなりに顔がいい、前の世界でならアイドルにいてもおかしくないほどだが、もしかしたらこの世界自体が顔面偏差値が高いのかもしれない、村の人たちもイケメンやイケオジ、女性も美人な人が多い


 自分で言うのはなんだけど俺の顔も結構かっこいい方だと思う、それに母さんのグラマラスな体型を受け継いだのか筋トレをしてガタイは良いがゴリマッチョではなくイケメン俳優の様な細マッチョである


 俺の見た目の話は置いておいて、今日も一応村周辺の調査という事で、村の外に出る、俺が許されてる調査範囲は自警団が見守ってる範囲までになってる、体感で村を中心とした半径5キロメートル程になる


 今までの調査で分かった事は、この村の周辺に現れるのは、スライム、ゴブリン、コボルトそして稀にピクシーの様な小さな妖精を見たりする、まさにこの村は序盤の村って感じだな


 さて村の外に出ようと門の前まで行くとそこに少女が1人立っていた、自警団のリーダーであるゲイルさんの娘で俺と同い年の幼馴染アリスだ


「おはようルー、今から村の外に出て魔物の観察に行くんでしょ、ならこれ持って行って」


 アリスはそう言って俺に手拭で包んだ何かを渡してきた


「何が入ってるんだ?」


「うん、私が作ったおにぎりが入ってるのどうせルーのことだから夕暮れ時まで戻ってこないでしょだからお腹が空いたら食べて」


「そうか、ありがとなアリス、腹が減ったら頂くよ」


 アリスから受け取ったおにぎりを俺は服のポケットにしまった


「それじゃあ行ってくるな」


「気をつけてねルー」


 アリスに見送られて俺は村の外へと出て行った

 今日の俺の目的はゴブリンの観察だ、つい最近ゴブリンが数匹集まって寝泊まりしている寝床を見つけた、ゴブリンは1匹では行動せずに常に複数匹で行動するのをここ数日の観察で分かった

 またこの世界のゴブリンなのか俺の村の周辺のゴブリンなのかは分からないが前の世界でのゴブリンのイメージの人を襲うという事はない様で、比較的おとなしい、自警団に気づいたらその場から去っていくのを何度か目にした


 そしてこの前見つけたゴブリンの寝床へと俺は向かった

 ゴブリンの寝床は村を出て東にある小さな洞窟の奥に存在し、俺足音をたてないようにそっと近づいていく、そこには6匹のゴブリンが寝泊まりしており、今は朝食の時間か森のきのみを食べていた


「フッゲッギ」


「ガッガンゴフガン」


 ゴブリン達には独自の言語がある様で、なんて言ってるか、分からないけどおそらくご飯的な事を言ってるだろう、言語があって同族同士でコミュニケーションが取れるって事は、知能は低いがないわけではないと言う事だな


 知能が低いって言うのは俺の思い込みかもしれないけどね、やっぱりどうしても前の世界のゴブリンのイメージがある


 ご飯を食べ終えたゴブリン達は寝床の洞窟を出て行った、次のご飯の食料調達に向かうのだろう、他のゴブリンは知らないけど村周辺のゴブリンの主食は森のきのみや、キノコがメインだ

 この世界にも動物や魚はいるがゴブリンが狩りをしているところを見た事はないが、コボルトは肉を主食にしているから狩りを行っている、それに伴いゴブリンと違って人を襲うこともあるのでゴブリンより危険度は高めだがそこまで強くはないので気をつけて対処すれば問題はない


 ゴブリンがきのみやキノコの採取をしているのを観察しながら俺はアリスが作ってくれたおにぎりを食べていた、ちょうど良い塩加減の塩むすびだった


 するとゴブリン達が採取している方の草陰がガサガサと音を立てた


「ブオーー!」


 毛の生えた豚が大きくなり二足歩行で歩いている、あれは!オーク!どこからどう見てもオーク!


 やはりオークは存在したか!だがしかし、この周辺オークは今まで見たことも出現したとも聞いたことがない


 あとこれは俺の感覚だけどオークは最序盤のボスモンスターか、序盤の終盤らへんの雑魚モンスターか、中盤の最初の方に出てくる雑魚モンスターくらいのイメージだ、最序盤のゴブリンとは実力差が大きいはず


「ンッゲンギ!」


「ンッゲンギ!」


 ゴブリン達は臨戦体制に入ってオークに挑むも、案の定オーク方が強く蹴散らされてしまう


 このままゴブリンを見捨てるのは俺のポリシーに反する、けどオークの実力もわからないし、俺の力もどこまで通用するかわからない

 くっそ!考えてても仕方ないとにかく今は前に出るしかない、なる様になれだ!


「させっかよ!」


 倒れているゴブリンに追撃を入れようとするオークに俺は飛び蹴りを喰らわす


「ブゴォ!?」


 オークは俺の蹴りでよろめく、これなら結構いけそうな気がするな


「ブオーー!!」


 オークは突進して突き進んでくる、動きが単調でこれなら避けれる!


 俺はオークを避けそのままオークの腹に向かって蹴りを入れる


「ブッオ!」


 オークの腹にクリンヒットした俺の蹴りは、オークをえずかせ、オークは俺を凝視したあと、後退りしそのままその場から去って行った


 思ったらよりも呆気なかったな、この世界のオークはそれほど強くないのかな?


「ギーギンンゲン」


「ンッガッグンガンッガ」


「ガギゥンガンッゴグ」


 ゴブリンが俺になんか言っているけどさっぱりわからない、もしかしてこれは助けたから仲間にしてくれ的なやつか!!


 と思ったが、ゴブリン達はその場から去って行った

 なんだい!違うのかい!


 まぁそれはいいとして、オークが出た事はゲイルさん達自警団の人たちに教えないと


 俺は調査を中止にして村に戻ることにした


            ◯


 村に戻って俺は真っ先に自警団の人が集まる家屋へと向かった


「ゲイルさんのいる?」



「おう?どうしたルーク?」


 俺はさっき起こった出来事をゲイルさんに伝えた


「なに、オークだと!?本当にお前が撃退したのはオークだったのか?」


「そうだと思うけど、毛の生えた豚が大きくなって二足歩行で歩いてる感じの魔物だったよ」


 もしかしたらこの世界のオークはちがうみためなのか?


「その特徴なら、オークだな、しかしオークの生息地はゴーラ山より奥、そのオークは山を超えたことになるな、それによくオークを武器もなしに撃退出来たな、オークは危険度2ゴブリンやコボルトとは、訳が違う」


 ゴーラ山はむらを東に進むとある山だ、標高はそんなに高くはないが村から20キロほど離れた場所にあり、オークが現れた場所からもかなり距離がある


 そして危険度だがその名の通り魔物の危険度を表してる、1がこの村の周辺にいる魔物のゴブリン、スライム、コボルトなどで注意して戦へば大人1人で倒せるレベル

 2が戦闘訓練をしたものが武器を持って撃退可能なレベル

 3が戦闘訓練をした複数人のもので挑み、倒せるレベル

 4が戦闘訓練をした100人が挑み半分が犠牲になりようやく倒せるレベル

 5が人が倒すことのできない災厄のレベルと振り分けられている


 要するに人の手に負えるのは3までで4からは災害級の魔物であり5は最早、厄災そのもの人が相手にできるものではない


 オークが2なのは納得であるが、わりかし2までなら今の俺はなんとかなりそうだな


「おい!ルーク!ちょっと来てくれ、お前を探してるって言う兵隊が来てるぞ!」


 はあ?俺を探してる兵隊?なんだそれ?

 俺に兵の知り合いはいないと言うか、村の人以外知り合いなんていない


「分かった、けどなんの様だ?」


「わからないけど、木こりの息子を呼べって言ってるんだ、木こりって言ったらこの村だとルーファスさんしかいないから、お前のことになるだろ」


 俺は、呼んでいるというその兵士たちのところに向かうとそこで兵隊と父さんと母さんが言い合ってた


「息子が勇者って何を言っているんですか?」


「そうですよ確かにルーちゃんは私たちにとっては特別な存在だけどいたって普通な男の子ですよ」


「しかし神の神託がこの村の木こりの息子が勇者であるとそう仰っておられるのです」


 なんだ?勇者?何を言っているんだ


「どうしたの?父さん、母さん?」


「おー!ルーク!この人たちがお前は神に選ばれて勇者になったと言うんだ」


 勇者?俺が?なんで?さっき神の神託だとか聞こえたけど、やっぱり俺って転生したから特別なのか?

 だけど女神の人も言ってたけど魂自体の転生は行われてて記憶を持ってるのが珍しいだけで、あー考えてても分からないからいいや


 ここはポジティブに考えよう、勇者になれば色々なところに行ける、と言う事は様々な魔物に出会える!

 最高じゃないか!まあ、でも本当は勇者より魔物使いになりたいんだけど


「父さん、母さん、俺勇者になるよ!」


「でも、ルーちゃん外の世界はとても危険なのよ、村周辺の魔物より恐ろしい魔物がいっぱいなのよ」


 最高じゃないですか、母さん!


「うん、分かってるでも、やっぱり勇者に選ばれたからにはその責務を果たさないとね!」


「ルーク…お前その魔物が見たいだけだろ」


 父さんにツッコミを入れられてしまった、いけないいけない、にやけづらになってしまっていた


「でも、勇者を必要としてるなら、それは僕の役目なんだと思う」


「ルーク…」 「ルーちゃん…」


「兵隊さんまだ話がよく分からないけど、俺が勇者ってのに選ばれたって事は、何かしないといけない事があるんですよね」


「その通りです、一度我々に付いて王のところまで来てもらってよろしいですか」


「分かりました、父さん、母さん俺言ってくるよ」


 そうして俺は兵隊達と一緒に馬車に乗り込んだ


 唐突に勇者と言われたがまだはっきりとしない、この世界での勇者の立ち位置それに、何をすればいいのか、それを聞きに俺はスーリア王国へと向かった


 まあでもどうせなら勇者じゃなくてやっぱりVみたいな伝説の魔物使いになりたいな

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ