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ヤバイ奴ら・・・は全く登場しない俺の日常

作者: 辰年の蠍座

人見知りで無口な男の日常

■俺の日常

「パパ、そこのソース取って」

「取ってくれてありがとう。パパ」

「モグモグ」

「美味しかったよ。ママ。ご馳走様」

「えっ?最近どうかって?」

「う、うん。問題なくやってるよ」

「えっ?また身長伸びたかな?」

「鍛えてるわけじゃないけど・・・」

「体格がガッシリしているのはパパに似たのかな?」

「えっ、今度服を買ってくれるの?やったー」

「あっ、メールだ」

「う、うん。大丈夫だよ。イタズラだったみたい」

「ちょっと外へ散歩に行ってくるよ」

「え?あ、ああ・・・そうなの?」

「ナイフを舐め回している危ない人がいるんだね?」

「分かったよ・・・気を付けるね・・・」

「うん。そうだね。僕も人見知りを直して話したいよ」

「僕の顔つきって恐い?身長も高いからかな?」

「はは、そうだね。しっかり僕を見てくれる人を探すよ」


■パパとママ

マ「私の坊や。どんどん立派に育って・・・」

パ「どっちに似たのかな?」

マ「あなたの若いころそっくりよ。なんていうか・・・ワイルド」

パ「はは、そうかなー。それにしても大きくなったな」

マ「そうね。あれでちゃんと人と話せたら・・・」

パ「大丈夫。あの子は優しい。きっと理解してくれる人がいるさ」

マ「そうね。顔も凛々しくなって・・・」

パ「(あれは厳ついって感じだけどね・・・)」


■散歩中の俺

「なんだか遠くからカキーン。カキーン。ていう金属音と・・・」

「・・・人の悲鳴らしきものが聞こえる・・・」

「あっ、そうだ。最近肌の乾燥がひどいからクリームを買おう」

「ドラッグストアの中から最高のビタミン剤を出しな!って声がする」

「・・・後でまた来よう・・・」

「気のせいかな・・・今、カチャ。カチャ。って音がしたような・・・」

「あれ?あの英国紳士は・・・顔面蒼白な人を車に乗せてたな・・・」

「鎖人間を止めて、ヒモ人間になったんですね。良かった。お幸せに」

「あっ、街頭テレビでボクシングの試合をしてる。うわ。一撃だ。スゴイ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(さよなら!)」

「あれ、今の・・・死神さんだよな、仕事じゃない時はあんな感じか・・・」

「ドラッグストアからまだ声が聞こえる・・・」

「帰ろう」


■家に戻った俺

「おかえりなさい」

「あなた宛てに郵便が来てるわよ」

「本名とは別にパーフェクト?サイレンサー?みたいな名前も書いてあるの」

「あと、え?舌抜き?・・・ナニコレ、怖いわ。イタズラかしら?」

「え?合ってるの?暗号みたいなもの?ならいいけど」

「もうちょっと・・・こう、カッコいいのとか・・・」

「もうちょっと・・・優しい感じにしたら?・・・」

「あら、どうしたの顔が真っ赤よ。部屋で休んでなさい」

「今日はたくさん栄養のある食事を作ってあげる」


■郵便を読む俺

「ガハハハッ」

「ガハハハッ」

「ガハハハッ」

「よう。俺だ。あれからしばらくだな」

「俺はこの通り完全に回復した(喜)」

「もう二度とあんな思いはご免だ(怒)」

「俺は・・・病気に打ち勝ったんだ(哀)」

「これからは自分のしたいことをする(楽)」

「俺は、現場へカムバックする」

「大丈夫だ。もうでしゃばるつもりは無い」

「一線を退いたベテランとしてこれからの世代を応援するつもりだ」

「戻るまでもう少し時間は掛かるが、待っていてくれ」

「家族サービスをたっぷりしたら戻る」

「お前のイカレ具合を見るのが楽しみだ」

「相変わらず舌を引き抜いてるのか?」

「とにかく楽しみだ」

「お前と坊ちゃんの活躍を祈っている」


■郵便を読み終わった俺

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(意識が飛んでいる)」




fin.

楽しんでいただければ幸いです。

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