異能者IZM 第9話 〜泉雲と菊ノ助〜
9話
そして放課後 生徒達が部活に行き、下校する時間が訪れる中で 藤峰汐梨は1人ポツンと窓の外を眺めながら佇んでいた。
そして思い出していたのだ。
本日の恐怖の時間を…
***
昼休みのとある特別教室の密室にて
「ーいいか 藤峰 オレは先に近くのコンビニでお前が来るのを待ってるからな 周りの目が気になるなら1人の時に教室を出ろ」
「…… はい 」
***
そして今
(〜〜そんなに私と一緒にいるのが イヤなら ほっといてほしい…)
(あー…でも 行かなかった事を考えると… 恐ろしい…)
(…神代くんて あんなに喋る人だったんだー普段口数少ないから 意外すぎてー…あー… やだぁあー)
あーだこーだ1人で汐梨が考えていると、いつの間にか教室には誰もいなくなっていた。
(…私 今日も誰にもあいさつも…できなかった…喋ったの神代くんだけだ…というか クラスで喋れる人…できた?)
未だ友だちと呼べる相手がいない中、唯一クラスメイトで会話を交わしたのは藤峰汐梨にとって 神代泉雲ただ1人なのである。
いや 正しく言うと、質問攻めにあっただけ。
そんな汐梨は 重い重い足取りで、帰宅準備をはじめる。
(とりあえず これからの事を考えないとっ 私が妖退治なんてしたって言ったら どんな目に合わされるかっ)
(…でもそれって 私の言ってる事信じてくれるんじゃ… 今まで 私の事なんて誰も信じてくれなかったのに…神代くんは 信じて くれるのかな?)
(いやいやいや そー簡単に人を信じたら きっとまた後悔する! この秘密は隠し通さないと じゃー どーやってあの神代くんからにげるの?……)
そーこー色々考えてはみるものの 結局これといった名案は浮かばず、大きなため息しかでなかったのだ。
そして 汐梨が心ここに在らず状態でトボトボと歩いてると、 その少し離れた後ろをコソコソと動く人影が2体
「ちょっと 真太郎くん コレ…どーいう事だよ?」
「しっ いーからちょっと黙ってて」
そう真太郎に言われて虚無の顔をするのはクラスメイトで幼馴染の日下部秀雅。
少し前に 突然藤峰汐梨の後を追うぞ と言われ、無理やり付き合わされて全く理解出来ない状況なのだ。
「お前…あの女に興味ないだろ? 無論俺もない …なんの〝遊び”?」
「だから言ったじゃん 昼休みアイツが白王子と2人っきりで科学の部品室にいたって」
「…俺…神代ともほとんど喋った事ないし…正直お前ほど興味もない」
バッサリと言う親友をよそに
「なーんであの白王子がさ あんな学校一のどーでもいい〝地味峰″なんかに興味持つのか知りたいじゃん」
全く人の話を聞かない幼なじみに、秀雅はため息が溢れた。
「どーでもいいけど 俺今日塾あるから時間きたら帰るからな」
なんだかんだで付き合いがいい幼馴染の秀雅。
それを知ってて平気で利用する真太郎はニパッと笑ってなんだかとっても楽しそうに汐梨の後を追う。
暫くコソコソとバレないように後ろをついていく2人。
「おい…白王子どこにもいねーじゃん やっぱりアイツ いつも1人だし…家に帰んじゃねーの」
「おかしいな…あの雰囲気ならあの2人今日落ちあうと思うんだけどなー」
「ーだからっ なんで今日って決めつけんだよ…会うんなら土日のどっちかじゃねぇの?」
ちょっとイライラしながら食い気味に秀雅が言った時、真太郎がその秀雅の口を己の手で塞いだのだ。
ちょうど学校近くのコンビニ前を汐梨が通りかかった時、泉雲がコンビニから出て来て、汐梨がピタリと歩みを止めた。
すると泉雲が無言で顎だけで合図する。
そして何も言わずに そのまま汐梨の前を歩き出した。
その後ろをおずおずとついて行く汐梨。
その更に後ろから真太郎と秀雅が続く。
はたから見たら異様な光景である為、泉雲はすぐに真太郎達の尾行に気づいた。
(チッ…なーに尾行られてんだよ
ほんと とろくせーな)
めんどくせーな とは思ったが、害は無さそうだと思って放っておいた。
そこからしばらく行くと、一軒の喫茶店があり、泉雲はそこに入って行った。
だが汐梨はどうしていいか分からず、その入り口付近でオロオロしてしまうのだが、もう一度扉が開き その戸口で泉雲にギロリと睨まれたので 渋々中へ入って行った。
その一部始終を見ていた2人は 心の中で絶叫した。
((えーー!!? カフェデートお??あの 白王子がっ 地味峰と??))←ハモった
「あ ははは… マジ?」
「…え… デート?」
2人は互いの顔を見合わせ合図をし、恐る恐るその喫茶店へ近づいて扉を手に取り開けようとしたが、
「…?え 待って 準備中…? 2人入っていったのに なんで?」
入り口の扉にはしっかり準備中の札が…念の為開けようとしたが、鍵がかかっていて開かない。
2人はその場で暫く考えたが、入室出来なければお手上げである。
そういうわけで大人しくその場を離れた。
秀「ど …どーいう事だよっ もしかしてあそこが白王子の 家?」
真「知らないよっ でも2人の秘密は握れたよね♪ちょっと 面白くなりそ〜」
そう言いながら真太郎はスマホを手に取りluin( lineの事)を開く。 ニコニコといたずらっ子ように楽しそうに文字を打ち込む。
そしてその様子を見ていた秀雅が慌てて
「ちょっ しんちゃん それ あんま良くないって!」
「〜なんでー? 楽しそーじゃん」
秀雅に少し咎められると真太郎は不服そうに言葉を漏らす。
コレは真太郎の〝悪い癖″なのである。
彼はその可愛らしい容姿と末っ子気質のせいか、小さい頃から甘やかされて育ってきたせいでもあって、道徳観念がすこーし欠落していて度々騒ぎを起こすのだ。
そして今もそう この一つの小さな事件に〝燃料を投下″しようとしている。
「だってこーいう事ってみんなも知りたいと思うんだよねー だから〝共有″したいじゃん?」
「…」
秀雅は真太郎のこーいう〝癖″には度々悩まされるのだ。 そして 甘い。
自分も同罪にはなるけど どうせ〝他人″
罪悪感は気薄になり
「…あんまりデカい騒ぎにすんなよ」
「!任せて♪」
秀雅から了承を得た真太郎は己の瞳をキラキラさせてクラスのグループluinにメッセージを打ち込んでいったのだ。
その様子を 乾いた笑みを顔に貼り付けながら見守る秀雅。
自分の幼なじみながら困ったもんだと肩を落とした。
後に この行為がある事件を引き起こす事も知らずに…
そんな事が行われている事を知らない汐梨は店内で
「はーい☆ 〝不思議ちゃん″! ようこそ
我が〝ルーズカフェ″へ♡」
1人の男に歓迎されていた。
しかし 何が何だか状況を把握できない汐梨は石のように固まるしかなかったのだが
「…アレ 泉雲くん ちゃんと話してないの?」
「コイツ まともに会話できねーしめんどくせーからお前が話せ」
「えーー…無理やり連れてきたのぉ?」
「もーほとほとめんどくせぇ オレこいつと話したくねぇ」
「うわぁ…なんでそんな冷たい事を平気で言えるの?」
「コイツなに聞いてもちゃんと喋んねーんだよ!」
「それは お前の聞き方に問題があるからじゃないの?」
なんの説明も無しに、勝手に連れて来られて状況が飲み込めないまま、2人のやり取りをただ黙って見てる事しかできない汐梨は、
オロオロするしかなかった。
そんな汐梨を見た この見るからに軽薄そうな男 菊ノ助が優しく話しかける。
「ごめんね 何にも知らずに連れて来られたら 怖いよね? ってか僕とは学校であったよね?」
この人は 少しは話が通じそうだと思った汐梨はおずおずと身を縮め、小さくコクリと頷いた。
すると菊ノ助は元々細い糸のような瞳を更に細めてにっこりと笑いながら自己紹介をはじめた。
「はじめまして 僕はここのルーズカフェのオーナーで店長やってます鴉丸菊ノ助という者です。 後この子泉雲くんの保護者代わりでもありますよ」
そう言われて泉雲が余計な事を言うなと怒る。
(え…? 神代くんの 保護者代り ?)
「あ びっくりした?泉雲には両親がいないからね 僕が面倒みてやってるんですよー」
泉雲に怒られたのにも関わらず〝余計な事″を更に言う菊ノ助の脇腹に肘鉄を喰らわす。
それに「ゔっ」となったが菊ノ助は涙目で痛みを堪えて泉雲に小さい声でコソコソと
「いいがらっ こーいう子には…ど 同情しても らうのが1番だっで…」
「…てめえ それでオレが納得するとでも?」
「話 聞きだいんだろ? 僕に任せで♪」
痛みを堪えて余裕を見せながら泉雲を説得して汐梨に話はじめた。
「コホン…不思議ちゃんは 泉雲くんがもー只者じゃない事は解ってるよね?」
「… あ その えっと はい…」
「僕もその事は知ってるんだよ なんてったって泉雲くんには僕のお仕事を手伝ってもらってるから」
それはこの喫茶店の事なのかな?と思っていた汐梨は菊ノ助の発した言葉に驚愕する。
「ここの喫茶店の店長は仮の姿(趣味)でやってて僕 ほんとは 防衛省(MOD)所属特別異形種討伐隊の後方支援をしております 鴉丸菊ノ助と申しますぅー以後 お見知りおきを〜」
「は…? ぼ ぼうえいしょう…?」
「はい♡」
汐梨は なんだかとんでもない世界に巻き込まれてしまったと よく回らない頭の中で数秒後に後悔したのだ。
そして漸く回りはじめた頭を回転させ己の身を案じ、顔面蒼白になる。
「あっ ぜーんぜん怪しくないよぉおー♪」
(あ…あやしい…怪しさMAXじゃないですかー!! やだっ 帰りたいっ)
「せ 政治家の 方…?なのですか?」
「うーん 正しくはないかな? うん?そーなのかな?」
そう言って菊ノ助は泉雲を見るが
「知らねーよ」
と言われてたははーと笑いながら
「うん 僕の事はいいんだ☆ それより君の事が知りたいな〜」
「!! いや あのっわたし 〝普通の学生″なのでっ」
「何が普通の学生だ そんな奴があんな事できるかよ!」
また泉雲が声を荒げるので、菊ノ助がストップをかける
「ごっ ごめんね 怖いよね…ちょっと泉雲には席を外させるからっ」
そう言って泉雲を少し離れた席への移動を促し遠ざけた。
「コホン…じゃー質問するね 聞きたいんだけど どーして君はあの晩 あそこにいたのかな?」
「あ…あの…お お友だち候補の小柴さんが 行方不明だと聞いて…」
「……〝お友だち こうほ″ ?」
聞きなれないワードに引っかかる菊ノ助。
「あ…わたし 友だちとか…で できた事なくて ですね なんて。表現したら…いいか…わからなくて」
(普通に同クラの奴って言えよ)
と 泉雲はツッコミたかった
だがそう宣言された菊ノ助にはピシャーンッ!と雷に打たれたような衝撃が走っていた。自身の学生時代といえば、今でいうパリピでリア充アオハルをめいっぱいエンジョイしてきた自分からは想像できないインドアなこの可哀想なうら若き女子をどー扱っていいかわからなくなって珍しくオロオロしてしまうのである。
(この子といい泉雲といいなんてっ 不器用な青春時代を送っているのだ!もっともっと謳歌しないと!このティーンズという時期は特別でっ人生で1番輝ける大事な時なのにっ今しかないのにっっ)
菊ノ助は大人になったらきっと後悔する! と言う持論を叫びたかった。
そして
泉雲が投げたのも分かるなと笑顔をこわばらせるが、なるべく汐梨には気付かれないようにニコニコとした営業スマイルを顔に貼り付け「うんいいよ 続き話して大丈夫だから」と促す。
「?…それで 探しに行こうと思いまして…」
「…不思議ちゃんは妖が視えるんだよね?」
「! あの それは…」
「それぐらいは答えてくれてもよくない?」
そう言われて 小さくコクリと頷いたのでそれを見た泉雲が
(アイツ やっと認めやがった)
と少し悔しそうに見守っている。
「でもね …不思議なんだけど 君からは今 霊力の類いが感じられないんだよね 僕ね強くはないけど少しは霊力あってねこうやって相手に近づいて集中すると 解るんだよ」
同じように霊能力を持つ人間が、親族以外にいる事にびっくりする汐梨。
今現在汐梨は呪い(まじない)のかかったメガネをかけているのでその間は自分の霊力も妖の妖力も殆ど感じないのだが、それを言うか言わまいか迷っている。
そんな彼女がポツリと言葉にした。
「…私 小さい頃から 人じゃないモノが視えて…」
「うん 分かるよ? 僕にも視えるから」
今まではそんな事を言うと「ウソツキ」とか「気持ち悪い」と言われて否定され続けた汐梨の言葉を、はじめて親族ではない他人が肯定してくれている。
思わず下を向けてた顔を上げてしまうくらい汐梨にとって衝撃があったのだ。
「あ あなたも…視える のですか?」
汐梨がそう問いかけると菊ノ助は優しく笑んで頷いたのだ。
ずっと…変なモノが視えるのが、自分の家族を除けば自分だけだと思っていた汐梨。
昔の事を思いだし、共感してくれる人が現れた事で泣きそうになった。
「ちなみに 泉雲にも視えるよ あの子は強いから」
やっぱり…と思っても 泉雲には話しかける勇気がないから何も言えない。
「僕はね そんなに鮮明に視える訳ではないし、強い霊力ってわけではないからね」
「…そうなんです…か…」
「…君はあの厄介だったかくれ鬼を討伐できるほどの強いを持ってるんだよね?しかも強い結界まで張れる それって僕のネットワークにはない存在なんだよね〜 君は 何者かな?」
汐梨は目の前の男のなんとも軟らかではあるが、何となく尋問されているような気もして、どう逃げようか、それとも真実を話すべきか迷っている。
「あの…私は あの時 妖怪に攫われかけた だけです…」
「…じゃあその妖怪とやらはなんであの学校から消えたのかな? もーいないよね?僕 ちゃんと調査したよ?」
「…し しり ません…」
ここまで言っても否定する汐梨に対してやれやれと思ったが
「あのー不思議ちゃんは 僕の事が怖いかな?」
「…しょ しょうじき こわい です防衛省の方っていいますし…」
「そっかあーちょっとショックだけど まあ こわいよねー そらそーかー わかるよ わかるぅ」
コロコロと表情が変わる男は不思議で掴みどころがない。
だから 汐梨はただただ困惑するのです。
そんな汐梨をジーッと菊ノ助が見てくるので汐梨はまた下を向いてしまった。
「僕の質問 まだ応えてくれてないよね?」
「…でっ ですから し 知らないんです」
どうやらこれでかわしてこの場を乗り切ろうと企む汐梨だが、
「知らないかー いずむくーん 〝アレ″貸して」
菊ノ助がそう言うと泉雲がポケットの中から言われたモノを取り出しそれを菊ノ助に放り投げた。
それを受け取った菊ノ助が
「コレ なーんだ?」
以前に神代泉雲にも言われた同じ言葉だったので汐梨は突き出されたモノを見てまた引っかかったのだ。そして泉雲は複雑な顔になる。
「あっ それは小柴さんの消しゴム!」
「だよね〜♪」
反応を確認されて しまった!と思うがもう遅い。
「泉雲から聞いたんだけどねーコレぇ 行方不明の女の子の手の中から出てきたんだってー 確か不思議ちゃん この消しゴムその子から借りてたんでしょー? ほーんと不思議の不思議ちゃんだねぇ〜」
菊ノ助の言葉に、何言ってんだコイツ と引き気味に聞いてる泉雲と顔面蒼白になる汐梨。
「さて どー言う事か 応えてくれる気になった?」
「……」
「あれ? これでも黙秘権使っちゃうの?
頑なだねー 泉雲が手を焼くわけだ」
「言っとくけど オレは関わる気はねーからな!」
泉雲は菊ノ助に目配せされたので冷たく抗議した。それに対して軽く「あーハイハイ」と了承し、
「あの日 僕たちが校内に入ったら もー既に鬼は姿を消していて 君と行方不明の少女達が倒れてたじゃん? 鬼の棲家は異界でましてや相手は隠れ鬼と呼ばれるほど隠れるのが上手いやつ 僕達でも棲家なんて見つけれないから正直苦戦してたのに 君はどーやってその棲家を見つけたの?」
「……」
「隠れ鬼の習性も把握済みだよ?」
汐梨は尋問に困っていた。下手な事を言ってこれ以上妖に関わる事なんてごめんだし、かと言ってどー説明したら上手く躱せるのか…
考れば考えるほど言葉がどんどん出なくなっていった。
「君はなんにも答えるつもりないみたいだけど…それならそれで僕は別に構わないよ」
尋問を諦めてくれたのかと思ってホッとしたのも束の間
「僕はね不思議ちゃん 君の能力が欲しいんだ だから
〝僕たちの仲間″になってくれない?」
まさかの勧誘をされて思わず俯いていた顔を上げた。
目の前の糸目で顎髭の軟らかな面差しをした男はまっすぐ汐梨を見ていた。
そして汐梨は揺れた。今まで気味が悪いと 人に嫌われ 自分を受け入れてくれる人などいなかったから
家族以外… 誰一人…
ただ 言えるのは
(でも…私の力が欲しいと言ってくる人に
いい人なんていない)
実際 昔にも騙された経験アリ
「わた…わたしは 妖怪とか 妖とか そんなのと関わる世界にいたくないんです 」
「お?」
「また…そんな事で まわりに分かってもらえなくて…辛くなるの…イヤ なんです」
やっと会話らしい言葉が聞けてテンションが上がる菊ノ助
「…ふ 普通に 過ごしたいんです」
「…じゃあ なんで?わざわざあんな夜に探しに行ったの?」
そう言われた汐梨はギュッと両手を握りしめて
「…けしゴムを… 貸してくれた…から」
その言葉に聞き耳を立てていたのは泉雲。
(なんだそれ? たったそれだけの理由で 1人で他人助けに行くか?理解できねぇ)
泉雲には汐梨の考えが解らない。
「その子は お友だちかな?」
菊ノ助がそういうと、汐梨は思いっきり顔を横に振り否定する。
「ちがうの? あっ… 〝お友だち候補″ かな?」
そう聞き直すと汐梨が顔を縦に振った。
菊ノ助は悩んだ。頭を捻って考えて そして閃いたのだ。
「あっ じゃあ こうしない?この僕が不思議ちゃんのお友だち候補ならぬお友だちになるっていうのは どうかな?」
とんでもない提案を持ち出した菊ノ助に対し、泉雲は珍しく目を丸くし、汐梨は目が点になる(見えてません)
汐梨は言葉を失い固まった。
そんな汐梨にお構いなしの菊ノ助が
「僕が 不思議ちゃんの〝お友だち″になってあげるよ♡」
鴉丸菊ノ助 (からすまるきくのすけ)御年34歳 男性が
藤峰汐梨 15才 友だちいない歴=年齢の
最初のお友だちになった日である。
いや…
なるか 藤峰汐梨の人生初のお友達!?
カオスな空気のまま次回へ続く。
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