表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異能者IZM  作者: てんせん
28/28

異能者IZM第28話~マジで!?〇〇する?5秒前…~


28話



祖母の作ったとされる薬のおかげで、驚異的な回復力をみせた神代泉雲。

※まるで…某大人気漫画の〇豆のような効き具合。


そんな神代泉雲が持ってきた荷物の中身がほとんど酒だった事が分かって、汐梨は驚愕し、無駄だとは思うが全て没収したのだった。


傷もすっかり治って見ると、

やはり容姿が相当目立つようで、屋敷内の若い弟子達が泉雲を見ようと離れに集まってくるのだった。 まあ 理由はそれだけではないが…


弟子A「えーあんだけの怪我が薬飲んだだけで治ったってぇ すんごいねぇ!」


弟子B「やっぱあの子ぉ むっちゃ綺麗な顔してんのよぉ」


弟子C「イケメンゆーか 美少年やにぃ都会はレベルがガチやにい」


弟子A「えーしおりちゃんとどおーいう関係なん?」


弟子D「なんでも学校ぉの同級らしーで」


弟子B「えーそんなんでここまで来やるぅ?あやしぃーわぁ」


きゃいきゃい襖の扉の向こう側で、弟子達が騒いでるのを泉雲はイライラしながら聞いていた。


泉雲(ーったく どいつもこいつも うっせぇなぁー)

泉雲「…藤峰 オレの酒は?」


汐梨「怪我人にはあげれませんっ」


泉雲「怪我治ったじゃん」


元気になった泉雲は汐梨に酒を取り上げられてブツブツ文句を言いながら作ってくれたお粥を黙々と食べていた。

その横で汐梨は酒の代わりにと泉雲にお茶を煎れていた。


汐梨(…お酒取ったからまた機嫌悪そうだけど…でも やっぱりダメなモノはダメ!それにしても神代くんてどこいっても人気者なんだなぁ…)


汐梨は泉雲が呑んでいた酒を自分の脇腹に抱え込み、取られまいと阻止する。

そして…とても気になってた事が…

布団の上でさっきから絶え間なく泉雲のスマホが振動し、光っていたからだ。

それを当の本人は知らん顔なのである。


汐梨(…これ 着信よね? なんで出ないんだろ…)


汐梨の素朴というか 気になって仕方ない事なのだが、

もし聞いたとして…怒られたら聞き損だから黙っているしかない。


泉雲「…なあ ばあさん ここって禁足地なんだろ? 電波なんで届くの?」


汐梨(…やっぱり鳴ってるのは気づいてるんだ…)


祖母「…そらあんた アッチはアッチでコッチはコッチに」


泉雲「… は? 意味分かんねーよ…」


祖母「要は こ・っ・ち・は 人間様用やに 住所もちゃんとある 」


泉雲「え?あんのかよ」


祖母「当たり前やん そらないと生活出来んわ ただ変なモンが入って来やんよーに結界も張っとおーよ」


泉雲「なんだよ ならなんでわざわざあんなめんどくせえ山ん中から来さすんだよ」


祖母「そんなんもわからんの?ここは神聖な領域に どこぞの馬の骨とも分からんモンを入れたりせんの やから選別するんよ」


泉雲「…選別…」


祖母「やから山からの来訪者で門まで辿り着いた人間は資格がある 言う事に」


泉雲「…来れないやつもいるのか?」


祖母「当たり前やん しおりのおとやんは脱落者や」


泉雲「?おとやん」


祖母「父親や」


泉雲「…」


祖母「あともう1個教えよか?」


泉雲「…なんだよ?」


祖母「ここはなあ 異界の歪みが強ぉ場所やから先祖代々うちらが門番やってるんよ で今がおばあの番に」


泉雲「異界の歪み? 門番? 」


祖母「せや まぁ ゆうても理解しづらいやろなぁうちらはそーいう一族なんや (ぼん)も妖退治しとんやろ?」


泉雲「…おう」


祖母「系統は違えどうちらも同じに 要は〝守るか打つ"かに」


少しだけ汐梨の霊力の強さの意味を知った泉雲。


泉雲「…藤峰も そうなのか?」

泉雲は汐梨に問いかけるが、


汐梨「…あ 初めて 知りました」


という返答に唖然とする。


泉雲「…お前 …自分の事だろ」


汐梨「そっ そんな事言われましても…」


祖母「おほほ… しおりはずっとこの手ぇの話には逃げよったからなぁ 今日初めて話したわぁまぁ そのうち継承してもらわなアカンねんけどなぁ 」


汐梨「え? 継承? なにそれっ」


祖母の言った言葉で〝継承"と言われ

それに聞き捨てならないとでもいうように、


汐梨「そっそんなの 私聞いてないよ? 知らないよ?」


祖母「あんたのおかやんもほんまは継承人候補やったんに 力が足りんでなぁ その点しおりあんたは力に優れとぉ 申し分なしやん 立派な跡継ぎに」


突然跡継ぎの話に飛んで汐梨が困惑する。


汐梨「え? だからっ私はじめて聞くんだけど? 跡継ぎ? 私おばあちゃんの後継ぐの?無理だよっ」


祖母「なんや あんたイヤなん?」


汐梨「イヤっていうか 無理だってばっ私おばあちゃんみたいに人の上に立つというか リーダー?絶対ムリ!」


泉雲(…だろうな)


藤峰汐梨が組織のリーダー?そんな大役はおそらく担えない…もちろん本人もいたく自覚している。


そう思う泉雲はもう1つ気になっていた事が…


泉雲「…なぁ どーでもいいけどコイツいつまでこのままなの?」


〝コイツ"とは泉雲にスリスリ甘えているオオカミ の姿の式神。

本体がアレ なのがちょっと複雑な泉雲。


その様子を汐梨と祖母は微笑ましく見守っているのである。


祖母「ふふふっほんまよー懐いとぉなぁしおりもよぉ動物に懐かれるけど イヤならちっちゃいのに戻そぉか?」


祖母にニヤニヤと揶揄されている感が否めない…

だから泉雲は少し不貞腐れて


泉雲「…どっちでもいーよ」


と半分諦めた。するとオオカミが泉雲に覆いかぶさり更にじゃれついてきたのだ。


泉雲「どわっ もーお前わかったから落ち着けよ うっとおしいんだよっ」


式神なのに…尻尾をブンブン振り回しながら泉雲にスリスリ攻撃をするオオカミを見て、


汐梨(…神代くんて…動物にも懐かれるよねー…北斗くんもそーだし…こーいう所はなんか いいな)

そして とーとー祖母が口にする。


祖母「…(ぼん)あんたさっきからケータイ鳴っとぉになんで出んの?」


それは汐梨が冒頭からずっと気になっていた事。


汐梨(! おっおばあちゃんっ ナイス質問!)


こうやってる最中でもずっと定期的に泉雲のスマホにかかってくる着信(バイブレーション)やメール等の数々。


ブッブー ブッブー ブッブー…ブブッブブッブブッ… ブッブー ブッブーブッブー…


その指摘に「ああ…」と冷たい視線を向けて漸くスマホを見る泉雲。


汐梨(あ やっと 自分のスマホ見た )


泉雲が仕方なしに手を伸ばし、確認すると、その冷たい表情は、険しい顔へと変化したのだ。


そして


泉雲「ちょっと 出てもいいか?」


泉雲が、礼儀なのかなんなのか、電話に出る許可を仰ごうとする、聞かれた祖母はもちろん「ええよ」と快諾し、汐梨にも聞いてきたので彼女は無言でコクコクと顔を縦にふって返事をした。

すると泉雲は少し間を置いて、画面をタップし、スマホを耳にあてたのである。


『あー!やっと出た! ちょっといずむう!あんたいったいどこにいんのよ!?』


思いもよらぬ声の主に泉雲はギョッとし、思わず画面の着信通知画面を見る為スマホを確認した。


着信はカラス=鴉丸菊ノ助になっている。

なのに出たのは女…


泉雲「…なんでカラスのスマホにお前が出んだよ?こんな朝っぱらから」


女『今L´sカフェ(ルーズカフェ)にいんの!あんたがあたしの着信も無視するからでしょー!』


泉雲「……」


『ちょっと聞いてんの??』


スマホから漏れてくる声が女性だと解って 祖母がコソコソと


祖母「なんやしおり (ぼん)に二股されとんの?」(小声)


汐梨「え? ふたまた? 」(小声)

汐梨(〝ふたまた"ってなに?)


…汐梨はボッチで恋愛オンチである為、その類いの言葉には非常に疎いのである。

だから意味をよく理解していない汐梨。だが泉雲は2人の聞き捨てならない声が聞こえて、


泉雲「ーっ妙なコト言うなっ ちげーよ!」

思わず泉雲は反論する。


女『は? 妙なコトってなに?ちょっと今誰かといんの?』


泉雲は珍しくあたふたしている。


泉雲「いや だから …(咳払い)なんの 用だよ」


女『あー!はぐらかしたあ ちょっと誰といるのよ?ーっまさか オンナ?オンナなのの??』


泉雲「ーあーうるせえな カラスには行先伝えてるだろってかカラスに代われよ」


女『~~冷たい男だとは知ってたけど! バカ!!』

電話の女が大声をあげた瞬間耳がキーン!となり、泉雲はスマホを耳から外したのでその声がモロ外に漏れたのだ。


祖母「修羅場や修羅場」(小声)

と祖母は汐梨にコソコソと耳打ちする。

泉雲(~~あんのババア 余計なコトを~)

当の汐梨は


汐梨(…神代くんを怒鳴りつける女の子がいるんだぁ…あーそっか きっと〝彼女さん"ね そっか そりゃいるよねー あ!もしかして修行して強くなりたいってその彼女さんを守りたいからとか そっかそっかぁ)


恋愛オンチでも〝彼女"や〝恋人"ぐらいは普段読んでる本や文集とかにもたまに出てくるので一応解る。ただ汐梨は純文学を好んで読む為、その中での表現は殆どが静かに美しく描写されている事が多いため、現実の男と女の関係とかは実際解っていないだ。


やっぱりモテる人って違うなぁとか、別次元の人なんだと 改めて泉雲を遠い世界の人間だと再確認したのである。


そんな泉雲とバチッと視線が合い、汐梨は己の口を手で隠して気遣いのつもりか、「どーぞどーぞお構いなく」というジェスチャーで己の気持ちを表現したのだ。

それに対し、泉雲は 伝わったのかどうなのか、 なんとも言えない複雑な表情になり口調が益々キツくなった。


泉雲「いいからカラスに代われよ!」


そう 通話先の相手に泉雲が冷たく言い放つと


『よっ♪泉雲ぅ久しぶりー』


と陽気な声の男に代わっていたのだ。

が 相手は菊ノ助ではなかった。


泉雲「~~やっぱお前もいたのかよ ニコイチ」


『ニコイチ言うなよ!どーでもいいけどマジどこ行んの?』


泉雲「ほっとけよ オレの勝手だろ」


電話口の言い争いがいつまでも止まない様子を見て、祖母は呆れ、お茶も切れていたので急須を持って、部屋から退出した。

汐梨も祖母の後を追おうとしたが、オオカミに服の裾を引っ張られ、部屋を出るタイミングを見失ってしまい、泣く泣くその場に留まったのだ。


汐梨(…わ…わたしも この部屋から出たい…)


そんな汐梨の心情等はお構い無しに、オオカミは撫でろと汐梨に頭を突き出してくるのだ。


汐梨(…いや あなた式神でしょ?そこまでオオカミになりきる?…いやもはやワンコだよキミ…)


仕方がないので要求通り撫でてその場をやり過ごす事とした。

その間も


男『もおっ 逢いたくて逢いたくてこんな田舎まで来てやったのにっお前いないしっ冷たいんだからぁーー』


泉雲「…キョーイチ お前マジキモいから」


電話の相手はどうやら伏見享一のようだ

※第20話で少しだけ出てきた人物享一と飛那。


享一『飛那 隣で泣いてるぞ』


泉雲「ウソつけ」


汐梨(…今度は男の人としゃべってるみたい…人気者だなぁ…)


汐梨は複数の通話相手としゃべってる姿の泉雲に、少し羨ましさを感じてジト目で見ている。


泉雲「いーから カラスに代われよ ってか用ないなら切んぞ」


泉雲がいい加減イライラしてドスを利かせながら言うと、


菊ノ助『ちょっとぉーいずむくん久しぶりの彼らにそんな言い方はないんじゃない?』


漸くスマホの持ち主である鴉丸菊ノ助が出たのだ。


泉雲「つか なんの用だよ」

菊ノ助『いやーいつ戻ってくるのかなぁ~って』

とってもどうでもいい内容であった。


泉雲「…は? んなくだらねぇ事の為に~~ざけんなよ?」


菊ノ助『いやだって泉雲くん三重県なんて遠い所に行っちゃうからさ~』


菊ノ助が思わずポロリと口にした言葉に後ろで飛那と享一が騒ぎ出す。


享・飛『『はあ??三重??』』


どうやら今の今まで内緒にしていたようで、やぶ蛇状態となった菊ノ助。

まあ…居場所がバレた所でおいそれと来れる場所でもないので、泉雲は、


泉雲「2週間は帰らねえからもーほっとけ」


その泉雲の言葉に反応したのは汐梨、そして思わず声が漏れた。


汐梨「え!? 2週間ー??」


思わず声を出してしまって焦って口を抑えて固まる。

が 菊ノ助には聞こえてしまった。


菊ノ助『あれ…誰か …いるの?』(小声)


泉雲「…別に そういう事だから急用以外かけてくんな 」 プツ ツー ツー…


いつものように、一方的に泉雲に通話を切られた菊ノ助は固まっていた。


菊ノ助(…ん? あれ? 女の子の 声? え 泉雲くんマジで女の子と一緒にいるの??あの泉雲くんが??えー!オモシロー♪)


菊ノ助はニヤニヤしたかったが、享一と飛那に責められて、そんな余裕はなかったのです。


一方 泉雲はスマホを見つめながら、


泉雲(…さっきの藤峰の声 聞こえた かな? まぁ別に詮索されてもアイツらここまで来れねーだろし ほっとこ)


そしてやっと電話が切れて、せいせいした様子の泉雲は、未だに「やらかした!」と思って己の口を必死で押さえている汐梨の姿が目に入ったのだ。


泉雲「… なにしてんの?」


汐梨「…あ…いえ 声が…」


泉雲「あー…聞こえたかもな」


汐梨「!!もっ申し訳ありませんっ」


泉雲「? なんで」


汐梨「あっ いえ 電話中に声を出してしまって…」


泉雲「…別に いいんじゃね」


汐梨は怒られると思い込んでいるので、先に平謝りをするが、当の泉雲はさして気にしていない。

あまりにも反応がアッサリしすぎて汐梨は困惑する。


汐梨(お… 怒らないんだ…なんか 神代くん 最近 私に怒らなく…なった?)


汐梨は、そういえば と記憶を巡らせて、泉雲の言動を思い起こしてみる。

そして気づいたのだ。


汐梨(あれ…?気のせいかな?私 神代くんとは普通に会話してる…みたい…?)


と 今頃気づく藤峰汐梨である。


泉雲「なぁ藤峰」


汐梨「はい?」


泉雲「お前 …まだオレが怖い?」


汐梨「えっ? …突然 なんですか?」


泉雲「…お前 今でもオレとしゃべる時構えるし 怯えてるよな?」


汐梨「…… えっと その…」

(それはあなたのせいですけど イジワルだし怒鳴るし… 最近 ないけど…)


汐梨としても今の感情はどう伝えていいのか解らない。

でも どうやら2週間はこの神代泉雲はここ三重県 祖母の家に残るという事は事実のようだ。


汐梨(神代くんは…私と一緒にここにいる事に抵抗ないんだろうか… ていうか!)


汐梨「あっ あの 神代くん」


泉雲「なに?」


汐梨「わっ 私が言うのも生意気かもしれませんけど か カノジョさんに心配かけちゃダメだと思うんです」


まさかの藤峰汐梨からの〝カノジョ"というワードが出たのだ。


泉雲「……は?」


汐梨「わっわたしはいいんです(どーせ便利屋程度にしか思われてないし)でもあんな言い方は酷いと思うんです」


泉雲「ちょっ ちょっと待て お前 なに言ってんの?」


汐梨「なにって 失礼ながら注意してますごめんなさい」


そして条件反射なのか怒られないように先に謝りぺこりと頭を下げる汐梨。


泉雲「…なに勘違いしてんのか知らねーけど

飛那はそんなんじゃねーよ」


汐梨「え? そーなの ですか?」

(〝あすな"さんっていうんだぁ)


泉雲「ああ オレは女なんかに興味ねェんだよ」


汐梨「!?え! そーなのですか??」


泉雲「…なんだよ その反応」


泉雲の発言に心底驚いた汐梨は彼から目を逸らし、1人考えに耽ける。


汐梨(…確かに…神代くんって編入当時から人気があって色んな人に告白されてたそうだけどみんな断ってるらしい…)←見てはいないが他の女生徒達の噂話がそこかしこと聞こえてくるので知っている。

(…まぁ私には別次元の遠い世界の話だから考えても仕方ないけど〝女の子に興味がないから" …私も男の子苦手だし…意味は違うかもだけど…)


汐梨はどんどん己の思考の渦の中に取り込まれていく。だがそんな汐梨を見ながら泉雲は驚いていた。


泉雲(…ってかコイツの口から〝カノジョ"とか…意外すぎるわ…そんなのは知らねーと思ってたけど…意味解って言ってんのか?)


今までみてきた藤峰汐梨という人物から想像できないと半信半疑である。

そして 泉雲は少しイジワルをして試してみたくなったのだ。


泉雲「ところで藤峰ぇ お前さぁ〝カノジョ"とかってその意味解って言ってンの?」


泉雲は少しバカにしながら汐梨に切り込んだが、当の本人は無反応であった。

躱されたのか無視されたのか…

それに少し不愉快になり、眉をひそめて泉雲はずんずんと汐梨の真横にふんぞり返って座ったのだ。そして


泉雲「おいてめぇ藤峰ムシかよ」


耳元でつい声を荒らげてしまったのである。

汐梨は自分の名を呼ばれて我に返った。


汐梨「!えっ ?あ はいっっ」


泉雲「…お前その時々ボーッとするのなんなの?クセ?」


いつの間にか自分の真横にいる泉雲にギョッとした。


汐梨「!? え なんでこんな近くにっ」


と思わず声が漏れて仰け反ったのだ。


泉雲「なに 近いと悪い?」


汐梨「いっ いえ 悪くわ すっすみませー「またすぐあやまる」


汐梨「……」


泉雲に責められたと感じてまた黙り込む汐梨だが、


泉雲「藤峰 〝カノジョ"って意味 わかってんの?」


汐梨「え? あ はい お…おつきあいする人 ですよね 恋人?とか」


泉雲「ふーん…じゃあ 恋人ってどんなコトすんのか知ってンの?」


まさかの質問攻めに汐梨はあわあわしだすが、それでもまじめか 素直を答えていくのだ。


汐梨「…え? 〝どんなコト" ですか?」


汐梨が復唱すると泉雲は座卓に肘をつきながらこくんと頷き促す。


汐梨(なんで?これは…やっぱり答えなきゃダメなの? やっぱりイジワルだなぁ… 恋人のする事なんて知らないよっ えーと 確か読んだ本ではーデートだよね?一緒に遊園地行ったり映画観たり…)


そして…


汐梨「いっ 一緒に遊園地に行く?とか」


泉雲「そんなの誰とでも行くけど」←泉雲論


汐梨「…映画 観に行く…とか?」


泉雲「お・友・だ・ちとも行くって」←泉雲論


汐梨「……」


汐梨が今自分の知り得る全知識を総動員させていると、


泉雲「しりたい?」


と言って突然距離を詰めてきたのだ。


汐梨「?えっ あの」

(なっ なんで近づくの?)


汐梨が何を答えたら良いのか泉雲が何をしたいのか訳が分からず1人でもだもだしていると、更にじりじりと迫ってきた。


泉雲「…お前ってほんと隙だらけだよな」


そう言いながら泉雲はとうとう汐梨の顎に己の指をあてていわゆる〝顎くい"を体現したのだ。


汐梨「???」


泉雲「ボーッとしてるからこんな事されんだ」


汐梨は今自分が何をされているのか理解できない。

ただ解るのは、ものすごく神代泉雲の顔が近くにある事。そして顎を掴まれている事。

それだけだ。


身体は硬直し、思考はパニック。

恋愛経験値なんてほぼ0(ゼロ)に等しい汐梨ではあるが、

脳裏にある言葉が過った。


ー 2人は微笑みながら互いに見つめあい、そして静かに目を閉じて、そっと唇を重ねたのだ。ー


それは いつか読んだ事のある本の描写の1部である。


それは…汐梨の知らない少しだけ好奇心と憧れを持った未知の世界。


それが 突然やってきた?


汐梨(!?ちょっとまって!これって…そのっあのっ き き キスのキョリ??まさかまさかっ??いや ちがうっ殴られる??)


まさかまさかな だけども!と汐梨の思考は更にぐるぐる回る。


汐梨(そもそも神代くんっ女の子に興味ないってっ さっき言ったじゃないっあ…私を女の子としてみてないってことですよねーって!じゃあコレは なに??)


頭の中で1人ボケツッコミをかますこと約0.3秒。

超至近距離で迫る神代泉雲の綺麗なお顔を前に、顔を青くしたり赤くしたりと忙しい汐梨だが、

すだれ前髪で隠れた緑色の目が泳ぐ。


逃げたくても逃げられない…絶体絶命の大ピンチ!


その間汐梨の思考回路は、


ー殴るの?叩くの??つねるの?殴るの? き キス するのぉおーーーー???ー


もはや汐梨の心臓はバクハツ寸前。


どーなるの!? わたしぃいー!!と 思った瞬間、


「ワウンッ」


と式神のオオカミが飛びつき泉雲に覆い被さったのだ。


泉雲「うおっ? わっ ンだよ!」


その弾みで泉雲は反対方向に押し倒されて、バタバタと暴れる。


そして…襖が開いてお茶を持って祖母が戻ってきたのだ。


祖母「…なんなん まだ遊んでんの?」


泉雲「~~もーこいつマジうぜえっ」


祖母「ほほほっ (ぼん)の事がよっぽど好きなんやんやんかわいいにぃ」


泉雲「…かっ かわいくねえっ うわっ顔舐めんなよっ」


祖母「あれま?しおり 動いてないでぇなっとしたん?」


寝っ転がったままの泉雲は、己の腕で顔を隠しながら、


泉雲「…こいつは よく固まるんだよ…」


とぶっきらぼうに応えるのだった。


一方汐梨は 半分気絶していたのだ。


これは…禁足地の中の祖母ン家 今後

前途多難である…

































いつも異能者IZMをご閲覧いただきありがとうございます!また少し評価が伸びて嬉しい限りです!

少しずつ変化が訪れている2人ですが、まだまだこれからですので温かく見守ってもらえると嬉しいです。

また次回は書けたら載せますので、何卒よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ