異能者IZM第27話~汐梨の罪悪感…大怪我を負った彼は…~
27話
あの神代泉雲が倒れる程の怪我を負う、過酷な山の攻略ではあったが…
泉雲より5時間も早く山を攻略した汐梨は(ほぼ無傷)久しぶりの祖母との楽しい談笑と手厚いおもてなしを受け、神代泉雲の事などすっかり忘れていたのである。
そして疲れを癒す為、早めに朝までぐっすり眠りについていたのだ。
現在の神代泉雲の現状など等知る由もなく…
汐梨は早朝目覚め身支度をし、与えられた部屋を出て朝食を作るのを手伝う為に台所へ向かう。
その道すがら、周りの祖母の弟子達がパタパタと慌ただしく動いてるのが目についた。
こんな朝早くにどうしたんだろう?と思い、弟子の1人に話しかけた。
汐梨「あの おはようございます …こんな朝早くにどうしたんですか?」
弟子A「あら汐梨ちゃんおはよーさん 知らんの? 汐梨ちゃんのお友達ぃえらい怪我してぇ 今離れにおるんよぉ」
汐梨「…え? 怪我?」
弟子A「そぉーよー私ら主様に言われて薬の材料やら収集しに行ってぇ今急ぎで作ってるんよぉ そったらしてもぉー汐梨ちゃんのお友達ぃ むっちゃ綺麗な子ぉやんやん♪そのお顔がぁ傷だらけで可哀想ーに…はじめは 女の子ぉかとも思ったにぃー あれ? 汐梨ちゃん?」
弟子が恍惚の表情を浮かべながら話していたが、汐梨の姿は既になかった。
泉雲が怪我をしたと聞いて、こっちに来てると知って、急いで離れまで走ったのだ。
汐梨(え? え? か 神代くんっあの山からこっち来てたの??いつ??怪我って 大丈夫なの??)
汐梨は離れまで来て、どこに神代泉雲がいるのか近くにいた弟子に聞いた。
すると3つ先の部屋だと教えてもらって急いで行き、息を整えてからゆっくり襖を開けたのだ。
すると、ブワッとお香の香りが部屋中に充満していた。それは恐らく祖母が焚いたモノで、
汐梨(この匂い… 鎮静効果のあるお香だわ)
そして部屋には1式の布団が敷かれていて、そこには静かに眠る泉雲が目に入ったのだ。
汐梨「…あ かみ しろくん ほんとに 来てたんだ…」
汐梨はごくりと喉を鳴らし、静かに泉雲が眠る布団まで歩み寄る。
すると、「クウン」と動物の鳴き声が聴こえたのでびっくりして振り向くと あの式神の狼が泉雲を見守るように静かに佇んでいたのだ。
汐梨「え?オオカミ?…いや …この子 おばあちゃんの式神? …なんで?」
式神である印と、気配でそれが祖母の式神だと見抜いた汐梨。
何故ここに祖母の式神が?と不思議に思ったが、それよりも泉雲の様子の方が気になるのでソッ…と近づいた。
顔を見ると意外と穏やかな寝顔をしている。少しホッとしたが、普段の白く綺麗な顔は擦り傷だらけで大きな傷にはガーゼや絆創膏が貼られていて、血で滲んでいた。
手は両腕に包帯を巻かれ、やはり小さな擦り傷も目立つのだ。
いつも…強気で自信満々で 綺麗な顔をした泉雲…
汐梨「ひどい…傷だらけじゃない…」
そしておでこにのっている濡れタオルに優しく手をかけ、
汐梨(あ…熱もある… これは冷やした方がいいわよね…)
汐梨はそっとタオルを取り、布団の横に水をはってる湯桶で濡らし、絞って優しく泉雲のおでこにまたのせたのだ。
その時だった。
泉雲が眠りから覚めたようで、ゆっくり瞳を開けたのだ。
汐梨はびくりと肩を震わせたが、勇気を出して声をかけた。
汐梨「あっ 起こしてすみませんっか かみ しろくん だ だいじょうぶ ですか?」
泉雲「…ああ ここどこだ?」
汐梨「…私の おばあちゃん家 の離れです」
泉雲「…そうか」
汐梨「あ…ご ごめんなさいっ こんなこんな酷い状態って し 知らなくて…」
泉雲「… ああ けっこう まいった」
汐梨「…痛い ですか?」
泉雲「… いや 寝たら殆ど治った」
泉雲はそう言いながら濡れタオルを取って、むくりと起き上がろうとしたが、ズキンッと痛みが走ったのだ。
泉雲「っい゛!」
汐梨「え? ど どこが痛いんですかっ??」
汐梨は慌ててどうしたらいいか分からず、とりあえず絆創膏を持って準備する。
泉雲「ははっ…なっさけねー…」
泉雲はそう言って再びぽすんと布団に戻ったのだ。そして汐梨は濡れタオルをまた泉雲のおでこにのせる。
すると「クウン…」と動物の声が聴こえたのでそちらに振り向くと狼の姿になった式神が心配そうにこちらを見ていた。
泉雲「…なんだ お前も いたのか」
泉雲が声をかけると とことこと足元までやって来て少し安心したようで、そのまま座って伏せの姿勢で大人しくしている。
汐梨「ずっと ここにいましたよ」
泉雲「そうか…」
汐梨「すごいですね おばあちゃんの式神が他人にこんな近づくなんてあんまりないんですよ」
泉雲「…式神って喋るんだな 」
汐梨「え?神代くんおばあちゃんの式神としゃべったんですか??」
泉雲「?…ああ 穴落とされた時コイツが出て来て捕まえて(脅して)こいつに道案内させた」
汐梨「え……?山の式神?もしかして…あのプラカード持った式神さん?が まさかこの子??」
穴に落とされるとふりだしに戻るルールがある。そのふりだしに出てくるのがプラカードを持ったちょっと意地の悪い式神なのだ。
足元を見ると、狼になった式神がパタパタと尻尾を振って嬉しそう。
なんだか雰囲気が違う…
向き直ると、泉雲はこくんと頷く。
そして汐梨は混乱する。
汐梨(ーてか…そんな事できるの?? そもそもおばあちゃんの式神だよ?…そーいえばこの人 私の式神とも共鳴して 使役してたよね? あれ? そもそもそんな事 出来たっけ?)
ちょっと確認してみる。
汐梨「…それであの山攻略出来たんですね…ちなみにですけど…神代くんも式神使役出来るんですか?」
泉雲「…いや そーいや そんな事した事ねーな …てか お前は 怪我とかしてねーの?」
汐梨「え? あ はい とくに…」
泉雲「え?なんで…ずるくね? オレこんなボロボロなんだけど」
汐梨「あっごめんなさい! いや だって私はあの山はじめてじゃないしっ 」
(わたしは… 異界を通る道 解る から…)
泉雲「(まぁナメてかかったとはいえ)あの山 ハンパねーわ」
汐梨「…なんで帰らなかったんですか?私 てっきり諦めて帰ってくれたと思ってたんです」
泉雲「…なんで?」
汐梨「だって あそこはほんと危険だからっ せっかく救済措置の穴にも落ちたのに…」
泉雲「救済措置?」
汐梨「…スタート地点に戻る穴ですよっ穴に落ちて神代くん山の入口に戻ったんでしょ?そのまま帰れるじゃないですか」
泉雲「…ああー あのムカつく穴ね 3回は落ちたかな」
汐梨「!え 3回も?? なんでその時帰らなかったんですか?」
泉雲「…お前なんだよさっきから帰れ帰れって」
汐梨「 だって その時帰ってたらこんな大怪我することなかったじゃないですかっ」
汐梨は心配する気持ちと、自分の事しか考えてなかった行動を…後悔する。
でも やり切れなくて語気が強くなったのだ。
だから 泉雲を責めてしまうのだ。
汐梨(ちがう 分かってる神代くんが 悪いんじゃないっそんなの解ってる…)
でも汐梨は溢れ出す感情を止められなかった。
泉雲「~~あーだから3回目一か八かでこいつとっ捕まえて山の道案内させたんだよ」
汐梨「…そーいう流れだった事は 分かりましたけど けど…」
泉雲の痛々しい姿に肩を竦めて己の両手に力を入れてぎゅっと着ている服の布を掴む。
なのに泉雲は関係ない事を聞いてくるのだ。
泉雲「なぁ …お前なんで髪で目ぇ隠すの?」
汐梨「…… え はい ?」
突然さっきまでの会話と関係ない事を言われて気まずかった空気が変わった。
汐梨「… ?? なんで と 言われても どうしてそんな事聞くんですか?」
泉雲「見たいから」
汐梨「…… はい?」
汐梨は更に返答に困っていく…
汐梨(…見たいって この緑の気持ち悪い目を?? 新手の嫌がらせですか??)
不審に思い、外からは見えないが、汐梨は泉雲にジト目を向ける。
汐梨「…私は 前髪長いからー自然と隠れちゃうんです」
とりあえず正当な理由で誤魔化してみる。
泉雲「切ればいいじゃん 」
でこちらはバッサリ正論返し。
汐梨(…放っといてほしい…)
泉雲「てかいつもの百均クリップは?」←ヘアクリップの事
汐梨「……今 持ってません」
泉雲「見せてくんないの?」
汐梨(イジワルだな…私がこの目嫌いな事知ってるくせに…)
汐梨「……あの 前にも言ったと思いますけど私 この目きらー「なんか オレ お前以外でその目を見た気がすんだよね」
汐梨が己の目をキライと言い切る前に泉雲の言葉に遮られた。
汐梨「え? この 目を?? 外人さんですか?」
汐梨の緑色の瞳は日本人には珍しいが、外国人の中にはもちろんいる。
泉雲「…いや ちがう よーな気がする」
汐梨「……」
(神代くんが 何言ってるか わかんないよ…熱のせいかな?こんな変なこというの…)
汐梨がどう返答すればいいか分からずうだうだしていると、泉雲がいつもの調子を取り戻す。
泉雲「お前さぁマジ置いてくもんなーおかげでこのザマだぜ?ちょっとは言うこと聞いてくれてもよくね?」
汐梨(え…? 私のせい なのですか?…あ 私のせいか…)
少しばかり理不尽だ とは思ったが、顔には切り傷 見える手も腕も切り傷と擦り傷だらけ…恐らく身体も…そう思うと罪悪感で…ツキン…と心が痛んだ…
痛々しい今の泉雲の姿を思うと仕方ないかな とも思ってしまう。そして汐梨はもじもじしながらも腹を決めた。
藤峰汐梨の精一杯の配慮である。
汐梨「えっと じゃあ …その 少し だけですよっ」
俯いたままの汐梨が頑張って言うと、汐梨の顔に影ができて、その瞬間目の前の視界が広がったのだ。
何?と思い前を見ると泉雲の手に己の前髪を軽くかき上げらていた。
ふと視線を落とすと、寝ている泉雲の、まるでスカイブルーのような美しい瞳と、汐梨の煌めくエメラルドグリーンの瞳が…互いの目が合ったのだ。
泉雲「…久しぶりに見た」
フッ…と優しく笑う泉雲。
汐梨(??~~ちょっ ちょっとこの状況 はナンデスカ?? めちゃくちゃ恥ずかしいんですけどっっ)
自分の緑色の目が見られている…しかも泉雲に前髪を軽くかきあげられながら…なんと反応したらいいのか分からない…
汐梨「うっ腕 …痛く ないんですかっ」
泉雲「…ああ」
足元では式神の狼がかしかしと顔を掻いている。
間が持たない…
なぜ他人が気味悪がるこの緑色の目を見たいのか 本当に理解不能。
汐梨が大混乱の渦の中でパニクってる中泉雲は、
泉雲(…やっぱりオレ…この目を知ってる気がする…)
不思議な感情に囚われていた。
そしてサラサラと汐梨の前髪を指で弄りながら、泉雲は汐梨の瞳から目を離さないのだ。
汐梨も何故だか泉雲から視線が外せず固まったままだったが、流石に耐えれなくなって己の顔が熱くなってきた。
だから汐梨は堪らずぎゅっと瞳を閉じてしまったのだ。
泉雲は自覚があるのだろうか…そんな汐梨を柔らかな表情で見つめて、衝動的に汐梨の滑らかな頬に手をあてたくなり、手を頬に近づけた。
が、その時
「邪魔するよおー」 スラーッ
の声と共に部屋の襖の扉が開いたのだ。
ビクゥーッ! と慌てて泉雲は手をバタン!と勢いよく下ろした事によって激痛が走り、声を殺して1人悶絶する。
汐梨はそのまま硬直している。
その部屋に入って来たのは汐梨の祖母であった。
祖母は2人のなんともいえない空気を感じとり、
祖母「あれま …ほんまにお邪魔やったんにぃ?」
泉雲「〜〜ちっちがう…いってぇ…なんの用だよっ」
祖母「あれまぁ 人がせっかく薬煎じて来やったんにぃひやかいねぇ」
泉雲「くっ 薬?… ひやかい?おい あのばあさんなんて言ってんだ?」
相変わらず方言の意味が分からず泉雲は汐梨に助けを求めるが、汐梨は固まったままである。
泉雲「…おい 藤峰?」
汐梨「! はっはいーっ」
祖母「しおり おはよーさん」
汐梨「え? おばあちゃんっ いっいつ来たの?」
祖母「あんた…今気づいたんかぁ とろくさいなぁー 坊ご飯はよばれるん?」
泉雲(ご飯よぶってなんだよ?)
汐梨「あ! 神代くん お粥なら食べれますか?」
泉雲「… ああ」
汐梨「なら私 作ってきますっおばあちゃんあと お願いねっ」
汐梨はそう言ってスクッと立ち上がり、台所に向かった。
汐梨(ああ~~なんだか分かんないけどっ助かった~~)
その2人の様子を一部始終見ていた祖母は、
祖母「坊 (ぼん)あんたぁ汐梨に気ぃあるん?」
泉雲「!はあ? 気ぃ? ねーよ」
(あれ?なんでこのばあさんの気配に気づかなかったんだ? オレ)
泉雲は己の能力で、近づいてくる人の気配をいち早く察知する事ができるのだが、怪我のせいか油断か、祖母の気配に気づく事が出来なかったのだ。
祖母「…ほんまなん?」
泉雲「ああ!」
何言ってんだ と泉雲はそう強く否定してそっぽを向いてしまった。
泉雲の心意はともかく
祖母「…まぁ ええわ とりあえずこの薬飲みぃ よー効くにぃ」
そう言って祖母は何を煎じてるか解らない、どす黒いドロドロの薬という名の液体を、泉雲の枕元に差し出した。
言われた泉雲はくるりとこちらを向いて…置かれた薬を見た。
泉雲(…マジかよ…コレを… 飲めと??ナニが入ってんだよ??)
珍しく青ざめ、ジト目で拒否反応を示す泉雲。
なかなか薬を飲もうとしない泉雲に対し、
祖母「坊 あんたぁここに修行する為に来やったんやろぉ? はよ飲まやんといつまでもよおならんにぃ」
…それは …そうだけど…
祖母「それともやっぱりアレか?〝修行"は口実でぇほんまは汐梨に会いとぉーて来やったんかあ?」
祖母に揶揄されながら言われて、ムキになった。
泉雲「!冗談じゃねえ ふざけんな」
祖母に茶化されて気を悪くした泉雲は意を決した。自分に活を入れて、激痛走る上半身を起こし、ゼーハァー言いながら油汗を流し、薬が入ったコップを震える手で持つ…
泉雲(…くそぉ うげぇ…絶対不味い… ってか コレ腹壊さねえか?)
泉雲が躊躇していると、
祖母「ほれ なにしてんの?はよしーな」
泉雲(…この ババア…)
恨みがましい顔で祖母を見ながら泉雲は心の中で毒を吐く。
神代泉雲 試練の刻である。
泉雲(…まぁ コレ飲んだらあいつの粥で口直しするか…)
そう決めて、大きなため息を吐いて、鼻をつまみ、どうせならと 一気で飲み干した。
ゴクゴクゴクごーー…
途中喉を通らなくなった…全身が拒否する…信じられない苦さ!不味さ!そして気持ち悪さ
吐くと思った次の瞬間…体中に電撃のような衝撃が走ったのだ。
バシィッ!! バリバリバリッ!!
泉雲「!!? い゛ぁあ!!!不味っ! い゛っで!!ぐあっ!」
( 毒??)
一瞬電撃のような激痛が襲ったが、
それがやがてパチッパチッパチッと小さな電撃に落ち着き スーッ…と衝撃は消えていった。だが口の中が気持ち悪すぎて近くに置いてあったペットボトルの水を飲んで流し込んだのだ。泣きたい…
だがその時身体の変化に気づいた。
泉雲「… お? お? あれ… 」
あれだけ酷かった痛みがない。不思議に思ったが、身体が軽いと立ち上がる。そして軽く身体を動かした。ぐるぐる回るし、痛みももう無かった。
泉雲「…治った…」
神代泉雲 完治である。
珍しく泉雲がきょとん顔になった。
祖母「坊…あんたぁ…どえらい回復力やに…」
祖母も泉雲が強い能力者とは分っていたが、まさかここまで効くとは思ってなかったので、さすがに呆気にとられたのだ。
泉雲「ばあさんすげーな! なに飲ませたんだよ?」
祖母「ほほ…うちに伝わる先祖代々の 特効薬やに でもよー効いても普通3日はかかるんやけどなぁ…傷までキレイに治って驚くわ それはあんたの中の自然治癒能力のなせる技やに」
泉雲「オレの…自然治癒 …」
祖母はくすりと笑い
祖母「まあ 坊とりあえずおめでとぉさん」
泉雲「おう サンキュー」
泉雲が祖母の作った薬により、完全復活を遂げた頃、
汐梨が泉雲の為に作ったお粥を持って部屋の前まで来ていた。
そして…襖を開けると…
泉雲「おー ばあさんイける口だなぁ」
祖母「こりゃまた旨いわあ 坊ええ酒知っとんなぁ♪」
泉雲「これは オレのとびきりのやつだからな体治してくれた礼だ」
祖母「朝からえろぉ得した気分やにぃ」
汐梨は有り得ない光景に唖然とする。
なんと さっきまで重症で寝込んでいた泉雲が布団の上で胡座をかいて酒瓶を片手にお猪口に酒を注ぎ、そのお猪口の持ち主の祖母が嬉しそうに呑んで、笑いながら酒盛りをしているからだ。
というか…
汐梨「何やってんですか!?2人ともっ」
祖母「おや しおりぃ おかえりぃ」
泉雲「おう」
汐梨はワナワナ震えながら作ったお粥のお膳をとりあえず座卓に置き、ズカズカ入っていってまず、泉雲から酒瓶を取り上げた。
汐梨「かっ かみしろくん! これ お酒ですか??それよりもっ 身体は? ?え?なんで起きてるの??」
しつこいようだが…ついさっきまで神代泉雲は起き上がるのも困難なほど重症だったハズ… だが、
よく見ると顔の傷や手足の傷も綺麗に治っていて、巻かれていた包帯も取り外していたのだ。
ツッコミどころ満載で…どっから手をつけたらいいか解らない状態なのである。
そんな汐梨に
泉雲「ん 治った」 ケロッ
汐梨「はいぃい??」
祖母「薬が効いたんだとぉ」
汐梨「え? それだけで??」
泉雲「お前のばあさんスゲーな」
汐梨「…… いやっ あの そーじゃなくてっ神代くん未成年なんだからっお酒飲んじゃダメですっ」
怪我ももちろんだがそれよりもこの酒。
こっちの方はどういう事かと聞きたい。法的にアウトなので正論を言うと、
泉雲「そんな事言われてもオレずっと前から呑んでるけど?」
驚愕の事実。
汐梨「ええ??」
※しつこいけどお酒は20歳になってからです。
そして祖母からの援護射撃。
祖母「しおりぃ硬いコト言いなあ うちらの世界じゃあ酒は〝お清め"やにぃ」
その一言で撃沈し、1人だけ常識人の汐梨は完全敗北し、脱力するのだった…
異能者IZM27話をご閲覧いただきありがとうございます!
次回も変則投稿です。書き上がり次第活動報告で案内させてもらいますね。
よろしくお願いします。
あ…たぶん28話で何県か 明かしますね




