表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/22

異能者IZM第19話 ミイラ化変死事件編 〜藤峰汐梨は 反抗期を発動した〜

いつも異能者IZMをご閲覧いただきありがとうございます!

今回は読む前に私の物語の設定でお伝えしたい事が、


ご存知のようにこの物語はフィクションです。(当たり前です)


そして架空都市であります。


それをいつも〇〇市とか〇〇町とふんわりさせてましたが今回からは町名だったり名前を入れております。

でも人物に関しては相変わらずAだのBだの使ってますので…名前がある人はある程度必要キャラだと思っていただければ


ちなみに私は東京に行ったこともなければ見たこともありません。なので街の風景はネットの情報や漫画やYouTubeのみです。。ですので その辺はテキトーですから突っ込まないでくださいね… 舞台はだいたい都内で 時々関西が出てきます 汐梨のおばあちゃんが関西人なので そんな感じで書いてますのでよろしくお願いします。


ではよければ19話 読んでくださいませ。




19話


ここは、東京都を管轄する警察組織警視庁である。

その本部の管理職として部下の職員を指揮監督するのが、先程の菊ノ助の通話相手である

管理官の須賀原保すがはらたもつだ。

そんな保は 頭と胃を押さえている。


「くそ…頭も胃も痛い… 菊め」


苦々しく呟きながら、眉間にしわを寄せ、ゴソゴソとデスクの引き出しを漁り、鎮痛剤を手に取った。

それを水と一緒に流し込み一息つく。


日本における現在までの行方不明者数はおよそ年間9万人に登る。

変死事件に至っては年間約10万件以上だ。

未解決事件に至っては13万件。

そして増える一方である。


「ただでさえ厄介な事件は多いというのに…中にはバケモノの仕業もあるだと?…ハッ そんなアホみたいな話し 誰が信じるんだ …」


保はそう言って椅子から立ち上がり、窓の外を眺める。すると眼下には美しい夜景が広がっているのだ。


「…このリアルな世界に妖怪って…フゥ…菊 俺は〝人間が犯す犯罪〃を追いかけてんだぞ?それをよりによって…」


そう言って保は受け入れ難い現実に、冷笑する。するとそこへ内線が入ったのだ。


「はい 須賀原です はい…はい…分かりました」


そう応えて受話器を置いた。


「くそ…岡松 お前一体今 どこにいるんだよ?」


保は苦々しく額に手をあて、少し考えた後、コートを掴んで部屋を出たのだ。



***

そして ここは東京都の眠らない街 華怒鬼(かどき)町。

ネオンの光がギラギラ眩しく賑やかで、そこを訪れる人々は刺激や甘い誘惑を求めて奔放になって行く。

だが、華やかであればあるほど また影は濃くなってくるものだ。

そんな この街に最近奇妙な事件が起きた。「

それは……俗に「ミイラ化変死事件」と呼ばれ

まだ 警察関係者と1部の一般人にしか明かされていないが、

その変死した遺体がまた奇妙で…まるで人間の全ての体液を吸い尽くしたかのように干からびて、骨と皮しか残らずそのまま死んでしまった状態なのである。その姿がまるでミイラのようだとその名がついた。

なんともおぞましい変死事件ではあるが、警察は事件性がないと捜査を打ち切ったのだった。

だが…

その捜査の打ち切りに異議を唱え、事件を追いかける1人の刑事が、ある地下のBARに立ち寄っていた。

その刑事は1人の黒服の男に聞き込みをし、

何かの情報を手入れた所であった。


(やっと やっと真純の足取りを掴んだ!)


その刑事は何日も足で捜査したんだろう。

靴が薄汚れてすり減り、着ているジャケットも所々埃を被ったままだ。 何日も手入れをしてなかったのか、無精髭が生えてむさ苦しい顔をしている。その上睡眠も充分とってないようで、目の下にはクマが、 だが、その眼光は鋭く生気を失っていなかった。

この男は八ツ谷署の刑事 岡松和也。須賀原保が行方を探している男。


「間違いない やっぱりますみはミイラ化事件を追っていたんだ! あの バカヤロウがっ…」


そう言って 岡松刑事は己の拳を握りしめ、手にした情報を元に、何処かへ走り去ったのであった。


そんな深い夜の街が終わりを迎え 朝が来た。




そして早朝の藤峰家では、変わらぬ朝が来るのです。

いつもの様にキッチンに立ち、料理をする汐梨。

(昨日は…ほんと…色々あったなー…麦野さんと人生初のカラオケは…結局なんにも覚えてない… なんでなんだろ?)


朝食の準備とお弁当作りをしながら考えに耽る汐梨。 もちろん用意するお弁当は2つ。

北斗&(なぜか)泉雲の分。


(…なんか あたり前にお弁当2つ作るコトになったけど…神代くんは…今日も食べてくれるのかな?)


なんだか少しこそばゆい気持ちになりながら、汐梨はお弁当箱におかずを詰めてゆく。


そして朝食を済ませ家を出たのだ。

学校に着くと、汐梨はいつもの様に、教室のルーティンを済ませて自分の席に着き、読書に勤しむ。

するとコツンコツンと窓を叩く聞き慣れた音がした。

すぐ横を見ると、やはりというか北斗がいたのである。

なんだかどこにでも現れるなーとぼんやり思いながら誰もいない教室の中に北斗を招き入れた。


「オハヨウ シオリ」


「…お おはよう ございます 北斗くん 」


北斗はもうあたり前の様に汐梨に声をかけるが、汐梨は直接頭の中に届く北斗の不思議な声に、未だ不慣れでドギマギするのだ。


「…オマエは イツニナッタラナレルンダ?ソレと ソノクチョウ カタスギル」


「いや…そうは言いましても… か…神代くんは 北斗くんが そんな風にしゃべるコトほんと 知らないんですか?」


汐梨は北斗という鷹が、ホントのところどういう生き物なのか色々ナゾなので、恐れ多い気持ちになり、泉雲同様敬語を使ってしまうのである。


「…マエニモイッタダロウ イズムには キコエナイ」


「…前に言ってた〝お前はまだ目覚めていない〃ってあれどういう意味なんですか?(ゴクリ)貴方は 何を知ってるんですか?」


汐梨は初めて北斗の声を聞いた日に言われた言葉が気になっていて問いかけたのだ。


「……イッタダロウ イマは イエナイ」


「なぜ?」


「イッテモ〝イマノ"オマエはシンジナイ」


「…?何を〝信じない"って思ってるんですか?私はいつ あなたに会ったのですか?」


「…フゥ…ヤレヤレ オマエハシツモンバカリダナ ナンデマタ…ソンナヤヤコシイヤツに…メンドクサイ」


最後の北斗の「メンドクサイ」という言葉にグサッと傷ついた汐梨。

少し落ち込んでる様子を遠目で北斗は見遣る。そんな汐梨に、


「ワタシはコンカイチュウコクシニキタノダ」


「…え? 忠告 ?」


「チカヂカオマエのマワリデ大キナワザワイガオキル」


「えっ… 〝災い"??」


驚いている汐梨を他所に、北斗は鳥らしく己の毛ずくろいをしだした。


「ちょっ…北斗くん 災いってなんですか??」


北斗は汐梨の問いかけを無視し、一通り毛ずくろいをし終わると、


「チュウコクシタゾ」


「え? あの…もしもし? だからなんの災いなんです?それだけじゃあ 私なんにも…」


バサッ


汐梨がとまどいながら訴えるが、北斗は大きな翼を広げてバッサバッサと己の翼をはためかせる。

すると 閉めてたはずの窓がガラリと開いた。北斗は汐梨をチラリと見遣り、


「オマエがウゴクンダ ソレも〝運命(サダメ)ナンダロウ…」


「… え? 」


北斗はそう汐梨に言い残して、教室から飛び去ったのだった。

そんな 突拍子もない事を言われた汐梨は…


「…え ? なんて… 〝サダメ"…? なんの?」


北斗に言われた言葉の意味が、ちっとも解らない汐梨は、とにかく北斗が飛び去った窓から目が離せないでいた。

すると…


ブーッブーッブーッ


汐梨の鞄の中で、バイブレーションの音がする。その音に気づいた汐梨が鞄の中からスマホを取り出して電話に出た。


「あ…はいっ」


『おはよぉーさん』


「おはよう おばぁちゃん こんな朝早くどーしたの?」


電話をかけてきたのは汐梨の祖母。

汐梨は今までスマホを持ってなかったが、実は父親の康平はいつかの為に既に用意はしていた。ただ汐梨にはまだ必要ないと思って渡してなかっだけなのである。

だから 今回の件で必要性を感じ、昨日汐梨に手渡していたのだ。

もちろん 連絡先の登録者は現段階家族だけなのである。


『…しおりぃ あんたぁ なんや 厄介な事になっとらん?』


ギグッ…(なんでそう勘が鋭いの…)


「んー?厄介な事?…んー どーかなぁ 」


汐梨は何となく本当の事を言えないでいる。


『…なんやぁ このおばぁに言えん事でもあんの?』


(…んー ていうか…今の段階でなんて話したらいいか…)


汐梨が北斗の事やクラスメイトの泉雲の事をなんて説明したらいいのか言い淀んでいると、祖母から思いもしない言葉が告げられた。


『〝お告げ" があったんちゃうん?』


「…へ? 〝お告げ"… ?」


『ええかぁ しおりぃ あんたん周りで起きとぉ事はぁ 必然や…〝理ぃ"やにぃ』


「…必然 ? 〝理"…? おっおばぁちゃんっなんの事??わたし 全然わかんないよっ教えて!」


『あんたは ええ子ぉやあ 強ぉ子ぉやぁ 逃げたら アカンに』


「え? なに? 逃げちゃダメって 何に?」


『心配せんでええ いざん時はぁ おばあ 会いに行くに』


「おっおばぁちゃん!わたし 今まであった事全部 話すからっ ちゃんと話すから お願い 教えてっ」


汐梨が何度も必死に訴えても、


『…今んとこなぁ… おばぁも 言えやんに 』


「え? なっ なんで??」


『だんないよお そんうちなー わかる時が来るにぃ 』


祖母はそう言い残して通話を切ったのだ。

少しずつ祖母の方言を理解してきた汐梨。

なんだか取り残された気分で頭の中では、グルグルグルグル言葉が回る…


(災い …動け 運命… お告げ… 理… )


そして頭を抱え堪らす、


「もぉおおー!!みんなしてっなんなのよおおーわかんないよおおー!!」


まだ誰も居ない教室で、虚しく1人力の限り叫んだのだった。



***


そしてこちらは所変わって汐梨の祖母の屋敷


「ふぅ… 時が… 近いんかも しれんなぁ 」


祖母がポツリと呟くと、


「ご当主様 」


「 なんね 」


「ご祈祷をご希望のお客人がお見えですぅ」


「はいはいーほんなら行きますよぉ」


ヨイショッ と祖母は立ち上がり


「しおりぃ 逃げやんで ほんま あかんでぇ ほんでもたぶんあん子ぉは ムリやろぉなぁ」


とクスクス笑いながら奥へと消えて行ったのである。




***

そして汐梨の方ではちょうど授業が始まったばかりの頃、教室で1人モヤモヤしていたのだった。


ここから…汐梨の異変ははじまるのである。


(なんで 肝心な事はっおばあちゃんも北斗くんも教えてくれないわけ??それで災いが来るからお前が動けって… 逃げるなってどーいうコトなのよ??  お告げ??  お告げってなに??逃げるなってナニに??)


ずっと北斗と祖母に言われた言葉が ぐるぐるぐるぐる頭ん中を巡っているのだ。


そして…出口の無い答えに、モヤモヤイライラしているのだった。


そんな時は 悪いタイミングが重なる。


ちょうど現在は英語の授業中、


英語教師「ーで あるからしてー前回の復習 進行形の形はbe動詞+動詞の後ろにingをつけます ーでは長いですけどこの英文を和訳してください そうですね 出席番号順でー今日は ミス藤峰 前に出て訳して下さい」


汐梨「……」


英語教師「…? ミス藤峰ー いますかぁ?」


教師の呼びかけに応えない。

そこで不審に思った泉雲が汐梨を見た。すると そこには無言で英語の教科書を持ったまま微動だにしない汐梨がいた。


(… アイツ… 聞こえてないのか?)


教師に呼ばれた事に気づかない汐梨が、未だ己の思考の渦の中にいると、

突然コンコンッと机を叩く音がしたのだ。

それにハッとする。


汐梨「え?… なっ」


人の気配を感じて上を見上げると、英語教師がすぐ机の横に立っていた。


英語教師「…ミス藤峰ぇ 私の授業聞いてますかぁ?」


汐梨「えっ…?   あ  …はい」


英語教師「ですかあ でしたら前に出て日本語に訳せますよね?」


汐梨  ビクッ… 「は…はい」


汐梨は教師に指示されて、ガタリと立ち上がり、前の黒板へと向かった。


(もおっ 何もこんな時にあてなくてもいいじゃない 小柴さんはまだ登校して来ないし…)


※(5話より登場の)小柴あかりは気分が優れず、まだ自宅で療養中です。

汐梨は相変わらずモヤモヤイライラしていたが、正直周りの生徒たちは、どんな状態であろうが 藤峰汐梨には1mmも興味がないので、無反応なのである。

例え 藤峰汐梨の学年順位が上位であろうとも…

そんな汐梨が黒板の前に立ち、英文を和訳しだした。

その時である…

目に入ってきた1文にピタリとチョークの手が止まったのだ。なぜかというと…


〝please don't run away”

直訳(逃げないでください)


そして また脳裏に祖母の声が木霊する。


ー 逃げたらあ 逃げたらあ あかんにぃー あかんにぃー


汐梨はプルプルと肩が震えて、チョークを持つ手が動かない。


英語教師「?どーしました ミス藤峰 手が止まってますよ?」


汐梨には聞こえない…汐梨はそれどころでは無い…そして…

なんだか自分が責められているような気持ちに追いやられ、


(〜〜な… なんなのよっっみんなしてっっ逃げるな逃げるなってっ )


そしてキッと黒板を睨みつけ、チョークを持つ手に余計な力が入り、カッ!カッ! と力強く叩きつけるように書き出した。

すると…


キイ〜〜〜ッ〜〜キイイイイィイイ〜〜ッと

…あの…背筋がゾワゾワする とても耳障りな、黒板を引っ掻いた音が教室中に鳴り響いたのだ…

そこでクラス中が騒然とする。


生徒A「ぐわああーー!!やっやめてくれぇえええーー!!」


あまりの不快な音に、皆んなが体をのけぞり耳を塞いで悲鳴をあげた事で、汐梨は我に返った。

そして今度はしずしずと残りを書き進めて回答を書き終えて、未だ耳を塞いでのけ反っている英語教師に一礼して、スタスタと自分の席に戻ったのである。

もちろん 泉雲も耐えれず耳を塞いだ。そして着席した汐梨をとても険しい表情で睨む様に目で追ったのだ。


( …なに しゃがんだ? あの女わ… )


汐梨の行動にザワつく他の生徒たちを他所に、汐梨はまた 己の思考の渦の中にダイブしていったのだった。

どうあれ

和訳は正解だったのでそのまま授業は続けられたのである。

そして休み時間。未だ 色々モヤモヤしながら悩む汐梨。そんな彼女の元に声が掛かる。


女生徒A「藤峰さーん」


その声にハタリと反応し、(おそらく女生徒の声だったから反応が早い)声の方に振り向くと、こっちに来いと手招きされていた。

そして おずおずいそいそと向かうと、なんと女生徒の後ろに麦野が立っていたのだ!

カラオケ店以来のご対面である。


「むっ 麦 の さんっ」


汐梨は(メガネで見えないが)久しぶりの満面の笑みを作ったのだが、当の麦野は(は?なんでコイツ私の名前知ってんの?こわっ)と怪訝な表情を見せた。


麦野「…あのさ… コレ 」


麦野がそう言って差し出して来たモノはいつかの英語の辞書。


汐梨「…あ…」


麦野「なんか知らないけど あたしのロッカーにこれがあったの」


汐梨「え? だってそれは私が…貸したんですけど?」


麦野「は? 記憶にないんだけど」


お互い「なんだ?」と頭にハテナを浮かべて固まる。

それもそのハズ…麦野は泉雲に記憶を消されていたからだ。しかも汐梨との記憶も一切合切。

その事で…更に汐梨の異変を引き起こす。


麦野「…じゃ 返したから 」


汐梨「!? あのっ 待って…ください 」


麦野「… なに? 」


明らか今までの態度ではない麦野に戸惑う汐梨。だが麦野は本来女子にはこういう態度なので、


麦野「あのさぁ なんか知んないけど馴れ馴れしくしないでくれる?」


汐梨「? え …だっ…だって 友だち だから」


麦野「誰が?」


汐梨「…私と 麦野さん」


麦野「はぁあ?? なに言ってんの? 冗談やめてよね!あんたなんか知らないしっ もーお願いだから 話しかけないでよね!」


麦野はズバッと言って、汐梨に辞書を押し付けて自分の教室に戻って行った。

ポツンと置き去りにされた汐梨は何が起きたのか解らず、ただ大きなショックを受けていたのである。


(む…むぎのさんが… 知らないって…違うって… と…とも…だち……じゃないっ…て )


この時 汐梨の中の小さな小さな希望が、幸せが、ガラガラと音を立てて無情にも崩れ去ったのであった。


更に放心状態に陥った汐梨は、心ここに在らずといった状態で、次の授業を受ける羽目になる。

そして 感情がグシャグシャになり、泣きたくもなったが、モヤモヤが強く…


(なんで??一体全体何が 起きてるの??麦野さん まるで記憶を失くしたように…ハッ記憶…私もなんだか失くなってる気がする(クスリのせいです)もしや…神代くんが不思議な力で記憶を消したんじゃ? だって鴉丸さんが能力者だって(ナゼか勘が鋭くなるしおり))

そして そう決めつけて汐梨は泉雲の方を睨むのである。そんな中 また祖母の声が脳内に木霊する。


ー あんたのまわりでえ あんたのまわりでえ 起きとお事はあー必然やぁー必然やぁー ー


(~~なによっおばぁちゃん!だったら私に友だちが出来ないのも 〝必然"だって言うの??ひどいっひどい!!あんまりよ!!)


どんどん人のせいにしていく汐梨…


きっと…祖母の言った事は そんな事ではないが、汐梨にとっては〝はじめての友だち"(だと思ってる) その何よりも大切な存在を 失った事実の方が重大なのである。


そんなこんなでいつもの昼休みの時間が訪れた。


汐梨は(ムダだとは思うが)ドアの鍵をキッチリ閉め、北斗には今は会いたくない気持ちが強いので、窓が閉まっているかチェックし、普段閉めないカーテンまで閉めた。


そんな抵抗意識を持っても、変な気遣いか、一応お弁当は2つ用意するという矛盾ぶり。


(…でも ごめんだけど 今日は2人に会いたくないの)


だがそんな願いは届かないのである。

鍵を閉めても…


ー…ガチャッ ガラッ

泉雲「なんで一々カギ閉めんの?」


汐梨(…閉めたよね?カギ… なんで呼んでもないのに来るの?)


泉雲「…ん? なんでカーテン閉めてんの?」シャッ


泉雲はズカズカ中に入っていき、閉まっているカーテンを開ける。


プルプル…(…… 閉めたんです … )


すると北斗が窓に近づいて来るのが見えたので、泉雲はガラリと窓を開けたのだ。


ことごとく全てを台無しにされる汐梨…

そして汐梨のモヤモヤイライラがどんどん湧き上がる…

そうとは知らない泉雲は、


「なあ 今日お前 なんかおかしくねぇか?」

(まぁ… いつも変だけど )


汐梨「… …なにが …… ですか?」


現在汐梨の後ろに立っている泉雲に振り向きもせず、いつもよりやや低い声色で聞き返す。


泉雲「…? なにがって… なんか いつもと違う というか…」


汐梨の様子がいつもと違うと感じたのか、珍しく泉雲が言葉に詰まる。

だが泉雲は悪いクセで

※泉雲的には空気を変えようとこれでも気を遣ってます。


「お前さぁ 北斗が来るの分かってんだろ?カーテン閉まってんだからせめて自分で動・い・て・開けとけよ」


だがその発したある言葉が 汐梨の地雷を踏むのである。


それは汐梨が聞きたくなかったワードの1つでもある〝動け"

そして汐梨に我慢の限界がきた。 ブチッ


とうとうイライラが頂点に達した汐梨はお弁当をガンッ!と大きな音を立てて机に叩きつけ、大きな声でぶちまけた。


「もおぉおー!!私に何期待してるのか知らないけどっ私は絶っっ対 動かないからね!!」


突然大声を上げた汐梨に泉雲は呆気にとられてさすがに動揺する。

「??… お まえ   突然  どうした??」


「知らない知らないしらなーーい!!もー私の事はほっといて!!」


汐梨は今まで見たことないぐらい大きく取り乱して、これまでの鬱憤を晴らす様に大声で否定し、北斗と泉雲をキッと恨みがましく睨んでそのまま部屋を出て行ったのだった。


残された泉雲と北斗はただただボーゼンとし、


「…… いや… え  ?   …なに?    」


泉雲は意味が解らない…そしてまだ状況に頭が追いつかない…

初めて汐梨のあんな取り乱した姿を目の当たりにして酷くたじろいでいるのだ。

しかし北斗は横で(ヤレヤレ…)

と半ば呆れまじりにため息を吐いたのであった。


どうなる?  どうする? 災い…


次回へ続く。













































異能者IZM第19話をご閲覧いただきありがとうございます!

今回は思ってたより次話が早く書き上がったので、ロスあった分早めに投稿させていただきました!


また次話がかけて投稿できるようでしたら活動報告でお知らせしますので 何卒よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ