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ルッキズム狂想曲〜哀しき女達の場合〜  作者: 地野千塩


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番外編短編・昭和少女の独り言

 竹槍訓練中の事だった。


 内心は馬鹿らしいな、お国の為に死ぬとかって冗談じゃない、代用食不味い、などと考えている時だった。


 空襲警報がなり、空にB29が飛んでいるのが見えると思ったら、目の前が真っ白になった。


 死ぬ!


 そう思った瞬間。


 目が覚めると2028年の世界に転生していた。この世代の中学生としての記憶はあるが、竹槍訓練をし、空襲に怯える昭和少女の記憶も同居していた。


 今は昭和少女の記憶の方が優勢で、何をするのも彼女の価値観が顔をだす。


 例えば白いご飯だけで美味しいとか、空にB29がいないだけで幸せだとか。


 この時代はルッキズム。美人には税金、ブスには福祉という時代だったが、周囲の友達がルッキズムに囚われていると、おかしくて仕方ない。


 自撮り? 加工? 整形? SNSのいいね?


 彼女たちが大切にしている価値観は、どれもくだらない。一度毎日空襲警報に怯え、食べるものもない時代でも体験してみれば良いと思う。ルッキズムなんてくだらない。「生きてるだけで幸せ」って思えないなんて、とても愚かに見えてしまった。


 そんな昭和少女は、令和のコンビニへ出向き、甘くてフワフワなソフトクリームに舌鼓を打つ。


「ああ、幸せ。空襲がないだけで本当に幸せ!」


 その表情は、どんな芸能人やモデル、インフルエンサーよりも美しかった。

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