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はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~  作者: さとう
第五章・孤独な蟲王バルタザール

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冒険者の指導

 ボブと名乗った冒険者は、ニカッと笑う。

 そして、鍛え抜かれた力こぶを自慢するかのように腕を曲げた。


「さて、ルーキーたち。さっそく授業を始めようか」

「「「よろしくお願いします」」」

「…………ふあぁ」

「……よろしく」


 エルク、エルウッド、ジャネットは頭を下げ、ソアラは欠伸、カヤは小さな声で返事をする。

 ボブは再び二カッと笑い、なぜか親指をグッと立てる。


「お前ら、オレに当たってラッキーだったな。指導員の中ではオレが一番優秀だ、お前らに冒険者としてのイロハを叩き込んでやるぜ!!」

「ありがとうございます!! よろしくお願いします!!」


 エルウッドは、ガバッと頭を下げて眼を輝かせた。

 ボブはウンウン頷く……エルクは思った。『なんかめんどくさそうな人』だと。ジャネットもエルクと似たような視線でボブを見る。

 ボブは、さっそく話を始めた。


「冒険者。さて、冒険者とは何だ?」

「そこからですの?」


 ジャネットはあからさまに嫌そうな顔をする。

 だが、エルウッドは答えた。


「冒険者とは、世界各地にあるダンジョンの調査をする、ダンジョン探索者のことです」

「うむ、正解。この世界に無数に存在するダンジョン、そこにはお宝はもちろん、神器と呼ばれる武器や、国ひとつ容易く滅ぼせる魔法なんかも存在する。そういう危険な物を持ち帰るのも大事な仕事だ」

「なるほど……」


 エルクは思わず頷く。すると、ジャネットが馬鹿を見るような眼でエルクを見た。どうやらこの話は常識であったらしい。


「さて、ダンジョン探索に求められるものは?」

「当然、『強さ』ですわ!」

「正解」


 ジャネットが間髪入れず答えた。ボブは満足そうに微笑む。


「ダンジョンには、『魔獣』と呼ばれる生物が多く存在する。そいつらから身を守るためには戦うしかない。そのための強さは必須だ。さらに加えるなら、強さを助けてくれる『装備』や魔獣の『知識』なんかも大事だな!」


 ボブの講義は続く。

 ダンジョンの種類、探査に必要な道具、ダンジョンの特性など。

 エルクたちはボブの話を聞くが、ジャネットは退屈そうに言った。


「当たり前のことばかり……つまらないですわ」

「はっはっは。確かに、今言ったのは知ってて当然のこと、まぁ……念のための確認かな」

「……は、ははは」


 エルクは曖昧に笑った。

 正直、今言ったこと全て改めて聞けて安心したエルクだった。


 ◇◇◇◇◇


「さて、明日からダンジョンに入るわけだが……きみたちがどれくらい動けるか確認したい」


 ボブが右手を開く。

 指にはいくつか指輪がはめられていた。そのうちの一つに命じる。


「『モンスターボックス』」


 そう言うと、ボブの前に小さな二足歩行の蜥蜴が数体現れた。

 魔獣。

 いきなり現れた魔獣に、エルクたちは警戒する。

 だが、ボブは笑みを崩さない。


「こいつの名前は『スカベンジャー』だ。ダンジョンに生息する最低クラスの魔獣でな、ダンジョンの至る所に現れる。ルーキーが最も多く狩る魔獣でもあるな」

「あの、今の……どうやって魔獣を」

「ん? ああ、後で説明するが、この『マジックリング』の効果だ。五星の一人『発明家』ゼンマイが作った道具の一つでな、お前たちにも後で配ろう。さて……まずは、誰がやる?」

「はい!!」


 と、エルウッドが挙手。

 ボブは頷き、スカベンジャーをけしかけた。


「行け」

『ギャッギャ!!』『ギッギッギ!!』


 二体のスカベンジャーは、手に持った鉄の剣を振り廻しながらエルウッドの元へ。

 エルウッドは両腰に装備している双剣に手を掛ける。


「神速───双剣技、『双烈迅』!!」


 エルウッドの姿が消えた───次の瞬間には、スカベンジャーが細切れになっていた。

 スカベンジャーの身体は青く燃え、塵も残さず消滅した。


「ほう、二つのスキルを合わせた剣技か」

「はい。まだまだ未完成ですけど……」

「うんうん。ダンジョンに潜れば嫌でも成長するさ」


 ダンジョンの魔獣は、倒されると青い炎に包まれ消滅する。

 不思議な光景にエルクが驚いていると、次はジャネットが前に出た。


「次、どうぞ」

「お、やる気だな。じゃあ───始め!!」


 現れたのは、二体のスカベンジャー。

 スカベンジャーはジャネットに向かい走り出す。

 ジャネットは、背負っていた折り畳み式の弓を展開。腰から矢を二本抜くと、ほとんど同時に放つ。

 矢は、スカベンジャーの頭を貫通……スカベンジャーは消滅した。


「この程度かしら?」

「うんうん。いい狙いだな……じゃあ、次」

「あ、俺行きます」


 エルクが挙手。

 新しい眼帯マスクを付け、フードをかぶり、両手を水平に上げる。

 不気味な黒い案山子にも、翼を広げたカラスのように見えた。


「では、始め!!」


 スカベンジャーが二体、エルクに迫ってくる。

 エルクは両手のブレードを展開、同時に両手をスカベンジャー二体へ向けると、スカベンジャーの動きがピタッと止まる。

 そして、引き寄せられるようにエルクに向かって真っすぐ飛んできた。

 エルクは、両手のブレードで飛んできたスカベンジャーの喉を同時に突き刺す。すると、スカベンジャーは青い炎に包まれ消滅した。

 

「おお、ブレードに血が付いてない……ダンジョンの魔獣って、血が出ないのか」


 妙な関心をするエルク。

 すると、エルクを押しのけカヤが薙刀を構えた。


「私の番」

「よし。では始め!!」


 再び召喚されたスカベンジャー。

 カヤは薙刀を頭上で構えクルクル回転させ、横に薙ぎ払った。

 すると、まだ数メートル先にいるスカベンジャーの身体が綺麗に両断された。

 スキル……エルクはそう考えた。すると。


「ただの風圧。でも、こんなに綺麗に斬れちゃうとはね」

「ふぅむ。なかなかの太刀筋だ───では次」


 次は、ソアラの番。

 だがソアラは首を振り、ボブに近づいて耳打ちする。

 するとボブは驚いた表情になり、ソアラに向かって頷いた。


「わかった。きみは力を示す必要がなさそうだ」

「ん……」


 どういう話があったのか不明だが、ソアラは戦うことはなかった。

 全ての戦いが終わり、ボブは満足そうにうなずく。


「うんうん。みんな、すごく強いな。とてもルーキーとは思えん……明日の実習が楽しみだ」


 明日は、ダンジョン実習。

 エルクは楽しみと同時に───なぜか、少しだけ不安があった。

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〇はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
レーベル: CLLENN COMICS / コミックREBEL
著者:さとう (著)
漫画:うなぽっぽ (著), トダフミト (著)
発売日:2024年 7月 21日

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
テンプレに従わない異世界無双 ~ストーリーを無視して、序盤で死ぬざまあキャラを育成し世界を攻略します~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

― 新着の感想 ―
[良い点] 不遇スキルが活躍するのっていいですよね [一言] 主人公が無知過ぎて萎える。 あと何度も知らない展開を使われるのか。 知識を自ら得ようとしないのは何故なんでしょ? 友達やら本やらあるじゃな…
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