しょてん おもいて
ちもそらもあきはふかまりきもあかく
どうけいかなたういてんぺんの
地も空も
秋は深まり
樹も紅く
憧憬彼方
有為転変の
しもつきのみたびめぐりによはさむし
なんぞかぞうるせっそうのなし
霜月の
見旅巡りに
夜は寒し
なんぞ数うる
雪霜の梨
あるじなくあとかたもなくせつなくも
おもいかえしてなくもわすれじ
主無く
跡形も無く
絏流雲
思い返して
波雲忘れじ
おりおりのしきのいろどりおりまぜて
あるじげんせんしゅぎょくあまたに
折々の
四季の彩り
織り交ぜて
主厳選
珠玉数多に
がんこものぜはぜとすすめひはひとす
しかめみせてはえみはくすりと
頑固者
是は是と奨め
非は非とす
顰目見せては
笑みは薬と
さんねんめあきさりふゆにきさらぎの
かえりきたるをかえらざるいま
参念銘
秋去り冬に
如月の
還り来たるを
帰らざる今