第五話
会社の近くのコンビニで猫の餌を購入した。
「小さかったし、子ねこ用の餌でいいかな?
とりあえず、缶詰も一応購入しておくか」
適当に、缶詰やキャットフード、フレークを購入した。
傘をさして朝の空き地に走った。
空き地について置いてあった段ボールに近づく。
「猫はどこに行った?」
朝にいた三毛猫の姿が見当たらない。朝は確実に段ボールの中に丸くなっていたのに。
まさか、僕を見て後をつけてきてしまったのか?
最悪な事態を頭の中で思い描いてしまう。すると
「にゃ~」
と、か細い声が雨の降りしきる音に紛れて聞こえた。
どこかにいる。この空き地のどこかに。
傘を放り出して、慌てて探す。
どこにいるんだ?
「お~い。どこにいるんだい?出てきてくれ~!!」
呼びかけてみるが雨の音にかき消されてしまう
今度は、少し大きめの声で呼んでみる。
「お~い。猫ちゃん。鳴いてみてくれ!!」
すると言ったことがが通じたのか
「みゃ~みゃ~」
と反響したような鳴き声が聞こえてきた。
声が反響するようなところと言えば土管の中だ。
膝をつき土管の中を覗いてみると
『いた!!』
体中の毛が雨に濡れびしょ濡れだ。
土管の中央にいるため手を伸ばしても届かなさそうな距離だ。
「こっちにおいで」
と言っても怖がって近付いて来ようとしなかった。
どうしよう……
と思った時人差し指をふって呼んでみることにした。
指をふりながら、「こっちだよ。おいで~」とやってみると
「にゃ~」と鳴きながらよちよちと歩きながら近づいてきた。
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