俺と元カノとSP部と。
高校進学、始業式の一日目、主人公「戸木春馬」は、中学時代付き合っていた愛美と同じクラスになる。しかも席は隣。嫌なことよ予感した春馬だった。
HR5分前HR5分前と脳内アナウンスをかける。そこでやっとクラス観察することを思い出す。伏せながら、周りを見渡す。これが自宅警備員ならぬ自机警備員とでもいうのだろうか。
「春馬、部活に入らない?」
ふと優しい声の方を見てしまう。その声は女子の中で甲高くもなく低くもなく、ひどく聞きやすく、同時に聞き慣れた声でもあった。
見た先には桐ケ谷がいた。その透き通って美しい目は、いつでも人の本質を見抜く。そして彼女の心は今まで見た中で2位のキレイ度だった。
ちなみに1位は俺だ。
冗談はこの辺にして、暗号の解読を始めよう。(部活に入らない?)は?何を言ってるのこの子。いくらなんでもわざわざ自分からそんなに人間関係を広める必要ないでしょ。
「断る」
「どこかもいってないのに?」
「部活自体嫌なんだ。どれも部活には変わりない。あと下の名前で呼ぶな。」
不思議とするする彼女とは話せる。付き合ってた頃の感覚が残っていて安心した。
「あ、ごめん。じゃあぼっち?とでも?」
すでに皆さんお気づきのように彼女は、僕に対して優しくない。付き合ってから彼女との関係は大きく変わった。
ある意味彼女のストレスのはけ口になっていたのかもしれない。それでも彼女とは、いやそれもあってか彼女とは話しやすかった。
「ふざけるな。一応聞くが、どの部活だ?」
「SP部。」
(は??)