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空の片隅

不幸に慣れて 希望を捨てる

世界は暗い闇の中で 光はない

救いを求めても 踏みにじられるだろう

はじめからの 決まり事だから

いや、陰にと隠れて 光を求めず

期待なんか 己から砕いてしまおう

こんな自分と 諦めてしまおう

そちらの方が 住み慣れた館

正しき人々の言葉は もう要らない

それは私とは 別の世界だ

ただうずくまって 底にと潜るのだ

飛び込みの選手みたいに 自分から

              「華麗にと」



希望を持つほどには 熱い胸ではない

生まれ落ちた惰性で 生きてしまっている

予め失われてしまった者達へ 夜の海鳴りが

そんなに純粋な笑顔を向けないでおくれ 辛いから

君とは昔は友だったけど 今は見知らぬ他人だ

予め失われてしまった者達へ 冬の夜雨が

思いつきで生きて 何も掴めなかった

もう一度だけ やり直してみよう

             「予め失われてしまった」



不幸が変革を望み 幸福が安定を望むなら

その先には 遥かな水平線が存在する

考えすぎの弱虫は 鉛筆の先をなめる

諦めが安定を呼ぶなら 期待は変革をつくる

その曲がり角には 昨日の木の葉が、一枚

出会わなければよかったね そんな巡り合いもある

離れなければよかったね そんな別れ方もある

あなた以上に 素敵な人はいない

わたし以上に 誠実な時は存在しない

                「木の葉に」




哀しみと苦しみと この道は一つの道

誰も寄り付かない 汚れだらけだね

空は熱い色をして 人々は繋がりを失くす

救いなど求めない 死を欲することもない

生き続けたいのです 貪欲に、生き続けたいのです

自由はいらない 愛もいらない

全ての与えられるものを、拒否をし続けて

それも一つの道だもの 悪くはないよね

まだ、先は長く、そして、あまりにも暗い

喜びと楽しみと それは別の道なのです。

               「みち」


汚れなき時代に 溜め息を吐く

傷つけ合う人の姿に 胸を痛める

真正面を向くことは なんて辛いことだろう

目を逸らすために空を見たら 明け方の星の姿

空の端っこにと 薄くありました

お父さんとお母さんに 会いたくなりました

できたなら昔に帰って 若い頃の二人にとね

彼らには その時代の悲しみがあった

そして もちろん喜びも

私は躊躇い続けるうちに はぐれてしまった

もう一度 波が来そうな気がして

大地を 踏みしめたんだよ

           「土」



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