第零話 プロローグ
この世には、上に立つ者と下に落ちぶれる者だけで形成されている。上に立つ者は、下に落ちぶれる者を自由奔放に使う。下に落ちぶれる者は、ヘラヘラとしてパシられるのみ。
俺はどっちだ?
自分ではわからない。現実から逃げてばかりな俺は、どっちに所属するんだ?そもそも、どのようにそんなことは決められているんだ?
わからないことばかりだった。
「おい、来るぞ!」
俺の手には、国立三日月学校魔法戦闘科と刻印が押された44マグナムが握られている。俺は、44マグナムに力をたくさん注ぎ込んだ。44マグナムは、気持ち程度光るだけでそれ以外は変化なかった。しかし、それでいい。これで俺の力『魔力』が注ぎ込まれた44マグナム弾は、シリンダーの中で発射待機中になった。俺の人差し指に力を入れるだけで44マグナム弾の仕事は開始するのだ。
「行くぞ!」
仲間の掛け声とともに俺も敵の陣地へと走り出した。仲間は、俺とは違い銃ではなく日本刀だ。なんという名前だったかな。思い出せない。
戦場にいるのは計2人だけだった。周りは敵だらけ。なぜこれだけになったのか、俺の記憶の中を探しても見つからない。なぜこんなにも思い出せないことが……
俺は、いったい何者なんだ……
俺は、いったい……
おれは、いったい……
おれは……
お……れ……は。