君のためなら死ねる2
http://ncode.syosetu.com/n0736bj/
が1です。
「浮気したでしょ」
「……記憶にありません」
「嘘つかないで。昼休み雨宮さんと楽しそうに話してたじゃない」
「ひる?……あー、次の化学が実験室かどうか訊かれたから答えただけだよ」
「それなら三秒で返事できるじゃない。なんであんなに笑いあってたのよ」
「そんなに笑ってたかなぁ」
「『次実験室?』『そうだよ』……このやり取りのどこがおもしろいのよ!」
「僕が聞きたいよ!そもそも笑ってないからね!たぶん」
「ちょっと雨宮さんが美人だからってへらへら鼻の下延ばしちゃって……。所詮あなたも男の子、ドーナッツの穴にさえ欲情する年齢か」
「誤解があるみたいだからきちんと説明するけど僕と君は付き合ってて、君以外の人に恋することはあり得ないよ」
「嘘ね」
「……」
「あら、否定しないのね?」
(いや、ちょっとめんどくさいなぁって思って)
「君を愛してるって言ったんだから、嘘はつかないよ」
「愛はいくつもあるものよ」
「僕に関しては一つだ」
「それじゃあ証明してよ。私しか愛さないって」
「どうやって?」
「自分で考えなさい」
「うーん、そうだな」
「は、はやくしなさいよ。私も暇じゃないのよ」
「誓約書でも書く?」
「なんの?」
「うん、だから『浮気しません』みたいな証明」
「なによそれ。創意工夫ゼロじゃない」
「……なんでそんなに怒ってんの?」
「怒ってないわよ!」
「怒ってんじゃん」
「あんまり下らないこと言うなら、視界に写ってる鼻の頭が気になってテストに集中できない呪いかけるわよ?」
「や、やめてよ!気になってきちゃうじゃないか」
「気になるのは雨宮さんだけにしなさい!」
「だから誤解だってば!」
「それなら雨宮さんにきちんと伝えて来てよ」
「な、なにを?」
「勘違いしないでよね。別にあんたのことなんか好きじゃないんだから。って」
「僕がソレやってもキショいだけだし、いきなりそんなこと言われる雨宮さんの気持ち考えてよ!」
「さっきのは一例よ。言葉はなんにしろ、はっきり嫌いって伝えるべきよ。じゃなきゃ勘違いしちゃうじゃない」
「だからっ、そんな言い方したら語弊あるだろ!」
「じゃあ、好きってこと?」
「いや、そこまではいかないけど……」
「それじゃ、無関心ってことかしら。愛の反対は無関心ってマザー・テレサが言ってたわ」
「無関心、うーん、好きか嫌いかの二択以外ならそうなるかもね」
「ひどい話だわ。クラスメートに向かって」
「君はなにが言いたいんだ!?」
「だって私は雨宮さんのこと好きだもん。リスペクトしてるわ」
「……(さっき散々言っといて) 」
「肝心なところで黙りこんでしまうアナタは嫌い」
「ちょ、ちょっ」
「大嫌い」
「……僕なんか怒らせるようなことしたかな。雨宮さんと話してたのも浮気じゃないし」
「……わかってるわよ、そんなの。バカにしないでくれる?」
「えー、言い出しっぺは君なのにさー」
「うるさい! ぐだぐたやんのキライだからこの際はっきり言ってやるわ」
「な、なんか恐い」
「付き合ってもうすぐ三ヶ月がたとうとするの。それなのに」
「うん」
「それなのに、あなた、手を握ろうともしないじゃない! なんなの! もしかして不能なの?」
「は?」
「もしかして同性愛のカムフラージュのために適当な女として私が選ばれたの?」
「ま、まさか! 僕だって健全な男子だよ!」
「変態!」
「えー?」
「だったらもっとアピールしてよ! 友達の頃となんにも変わらないじゃない!」
「いきなりだと嫌がるかなぁっておもって」
「もちろん嫌よ。だけどなにもされないのはもっと嫌!」
「……ごめん」
「証明してよ」
「え?」
「私しか、愛さないって」
「えっと、どうすれば」
「じ、自分で考えなさいよ!」
「う、うん。わかった。……あの、目、閉じて」
「!」
「……」
「……ん」
「……はい」
「え、なにこれ」
「ポッキー」
「なんで……」
「君、甘いもの好きだろ。見えないものをカタチにするなら、やっぱりプレゼントかなってって思って」
「死ね!」
「え、え?」
「告白の言葉を実行するなら今よ! 飛び降りて!!」
「や!やだよ!」
「こんな(カリカリ)ものに(カリカリ)つられる私じゃあないわよ(ゴクリ)」
「食べ終わってから言いなよ」
「ふぅ。あなたなんで私が怒ってるか、まだわかってないでしょ」
「うん。実は」
「いいわ。まどろっこしいからはっきり言ってあげる。もっと恋人らしいことしてよ」
「えっ、えっと、つまり」
「……これ以上言わせるようなら私の言葉は「別れましょ」になるわよ」
「も、もう一回、目を閉じて」
「……」
「……」
「んっ」
「……」
「……あら、顔が真っ赤よ。風邪でもひいたのかしら」
「君こそ」
「それじゃあ。うつっちゃうわね。……でも思ってたよりどうってことなかったわ」
「(めちゃくちゃ顔紅い……)」




