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始業式が始まると、金髪は早速寝ていた。
「続いて生徒会長挨拶。生徒会長、高羽鷹君お願いします」
紹介を受けると、先ほどの黒髪が壇上に上がった。形式的な挨拶を終え、話は本題に入る。
「今年度の生徒会では、過ごしやすい学校をテーマに、生徒の皆さんからの悩み事、相談を受け、その問題に対して全力で解決に当たりたいと思います。私書箱に投稿していただいてもかまいませんし、生徒会室にお越しいただいてもかまいません。生徒の皆さんのために、生徒会は動きます」
その後も少しの話をして、彼はマイクのスイッチを切って壇上から降りた。
放課後、生徒会室の会長席で、鷹が椅子を軋ませた。現在この部屋には生徒会長の高羽鷹と、彼の双子の弟である金髪、鷲がいた。
「で、何で俺が役員なわけ?」
「人の話を聞いてなかったお前が悪い」
この部屋は窓側に一つ机があり、それは会長席となっている。そしてその前に向かい合う形で二つの机が三つずつ置かれている。マンガ家の席のような感じだ。
その中で一般役員の席に着いた鷲が不平を漏らした。
「いやいやいや!おかしいでしょ。俺何にも聞かされてないんだけど!?何で俺生徒会役員にされてんの?」
「だから、オレはちゃんと言った。昨日、お前がマンガ読んでる時に」
「昨日?」
思い出すと、昨日マンガを読んでいるときに鷹に話しかけられた。
『お前、生徒会入れよ』
『ん~』
適当に返事をした気がする。あれはマンガの話が佳境に入って、鷹の声など聞こえていなかったも同然だ。
「あれっ!?」
「ちゃんと了承しただろう」
鷲は頭に手を当てて唸った。昔から兄にはやりこめられる。
「何で俺なんて入れたんだよ。人数は足りてるんだろ?」
「お前は爆睡して聞いてなかったけどな、今年度の生徒会では過ごしやすい学校がテーマなんだ」
「へぇ~」
「その雑務係」
「うわ、直球」
舌を出す鷲に、鷹は相変わらず腕を組んだまま。
「早速仕事だ、鷲」
「何?」




