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TABOOO!  作者: 四季 華
クイズ大会!?
12/21

4-1

 いつものように生徒会の役員全員で会議を行っていると、不意に扉がノックされた。その音に、鷹の言葉が止まる。

 扉から一番近い所に座っている剣斗がドアを開ける。そして、「えっ」と小さく漏らす。

「どうしました設楽君……え?」

 尋ねた鷹も、剣斗と同じ表情をしてそちらを見る。他の役員が誰だという風に振り返ると、そこには恰幅のいい紳士が立っていた。丸い顔に豊富な白髪。髭まで見事に白くなっていて、それに青が強い紺色のスーツを着ている。胸元には、生徒がつける銀色とは違って金色に輝く校章のバッヂ。

「学園長……」

 鷹が呟くと、学園長は満足そうに目を山なりに曲げて笑った。

 そう、この老紳士こそが、この孔明学園の学園長を務める高崎博則たかざきひろのりその人である。

「元気にやっていますかな、生徒会の諸君」

 ほっほっほ、と笑って、辺りを見回す。彼は鷲の金髪にも何も言わずに、あくまで普通に中へと入った。

「設楽君、椅子を」

「お、おう」

 剣斗がすぐに椅子を学園長の元へと差し出す。学園長は一言断ってからその椅子に座った。

「ほっほっほ。会議の邪魔をしてしまったかな?すまないね」

「いえ。主要な議題は今終わったところでしたので。学園長……何かご用でしょうか?」

 鷹が控えめに聞くと、彼は例の如くほっほっほと笑ってスーツの内ポケットから一枚の紙を取り出した。折り畳まれた紙を広げると、鷹に向かってそれを見せた。そこには、


「孔明クイズ大会開催」


 書道家が書いたような綺麗な楷書で書いてあった。

「と、言いますと?」

 理解に苦しむ鷹が学園長に解説を促す。

「ほっほっほ。実はね、クイズ大会を開こうと思うのですよ」

「……何故?」

 もっともな疑問を鷹が代表して尋ねる。

「最近の一部の学生達には、積極的に勉強しようという姿勢が見られない。私は学園長として、非常に頭を悩ませている。どうすれば皆が勉学に積極性を持って取り組むことができるのか。全員というのは無理なことかもしれない。けれど、少しの人数にでもやる気を持ってもらえたら、それでいいと思えるんだ。クイズならば全員参加できるし、狡い話、景品さえつけておけばみんなやる気になるからね。それにクイズだと……何か楽しいじゃないか。こっちも。ほっほっほ」

 朗らかに笑う学園長に、鷹達生徒会役員は笑いながらため息をついた。

「学園長先生が仰ったことは実行するのが生徒会です。責任を持って、運営・進行を務めさせていただきます」

「うん、ありがとう。よろしく頼むよ」



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