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TABOOO!  作者: 四季 華
生徒会!
1/21

1-1

 県立 孔明こうめい学園に向かう生徒群の中に、周りの目を引く生徒が二人いた。

 一人は顔からして完全に日本人なのだが金髪で、眠そうな目にやる気のない顔。表情も制服もだらけている。制服は前のボタンを全開にして、中に着ている赤いスポーツTシャツをみせていた。

もう一人はとてもきれいな黒髪なのに、目は青く、そして美麗という言葉を具現化したような美少年。制服のボタンは上までちゃんと閉めて、カラーもつけている。爽やかな雰囲気を纏って、女子達から注目されていることは言うまでもない。

その二人が同時に登校している姿は、否が応でも注意を集める。優等生と不良。全くもってアンバランスなこのコンビは、毎朝こうして一緒に登校していた。

「兄貴、原稿は覚えられた?」

「ああ。暗記はばっちりだ。後はどの程度はっきり喋れるかだな。まぁ、ステージに立つのは慣れてるから大丈夫さ」

 金髪の不良が黒髪の美少年に話しかける。

 この二人がコンビなのには理由があった。そう、二人は兄弟なのだ。これほどまでに似ていないが、双子だった。二卵性なので顔はあまり似ていないし性格もかなり違うが、正真正銘の双子だ。

「それよりも、お前は大丈夫なのか?宿題全然やってなかったが」

「兄貴のことが心配で夜も眠れなくってさ」

「全く……」

 溜息をつく兄に、弟は笑ってごまかした。

「ってか兄貴、始業式とかだるいんだけど」

「出席しろ。でないとオレが早速目玉を食らうことになる」

「へーへー。兄貴のために出てやりますよっと」

「なんだその言いぐさは」

「なんでもー」

 二人は学校の門をくぐると、それぞれのクラスを確認した。今日は始業式。新しい学年がスタートする日だ。

「え、俺と兄貴同じクラスだよ」

「本当だな」

 本来双子が同じクラスに配置されることはまずない。しかし同じクラスにされたということは、

「つまり、オレがお前の見張り役になれっていうことか」

 そういうわけだ。

 金髪の弟は面白くないように舌打ちをして、さっさとクラス替えの掲示板の前から去った。黒髪の兄はやれやれと溜息をついて、新しい自分たちのクラスである三年四組へと向かった。

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