第84話 父と子
1992年5月1日
ジェフはオハイオ州アクロンの刑事法廷で
第一の事件の裁判を受けることになっていた
現地の保安官の計らいで、ボクとシェリはジェフと会うことが許可された
ボクたちはサミット群保安官事務所で裁判前にジェフに会った
彡(゜)(゜)…………
(´・ω・` )…………
ξ゜⊿゜)ξ…………
心なしかジェフはいつもより元気そうに見えた
だが、これから始まる審理に不安を感じていた
ジェフにとっても最初の殺人に関する今回の裁判に
なにか思うところがあるように思えた
(´・ω・`)「法廷にいるのは1時間くらいだから…………」
(´・ω・`)「そんなに神経質になることないよ」
彡(゜)(゜)「…………うん」
彡(゜)(゜)「でも前の裁判のようにマスコミに攻撃されるのが怖いんや」
(´・ω・`)「大丈夫さ、審理も型にはまった形式的なものにしかならない」
(´・ω・`)「意外な展開は起こらないさ」
彡(゜)(゜)「…………うん」
その後、ジェフはめずらしく心の内を明かしてくれた
ジェフは最初の犠牲者の両親の前にでること
また、そのときの事件の詳細を聞くことを恐れていた
(´・ω・`)「そうか…………」
ボクたちは手を取り合い、短い祈りを捧げた
(´・ω・`)…………
彡(゜)(゜)…………
(´・ω・`) .。oO(やはりなにを話していいか分からない…………)
ボクはつい仕事のことを話した
(´・ω・`)「今、ボクは研究室でエポキシ化合物の分析をやっているんだ」
(´・ω・`)「エポキシ化合物はセメントに使われているのは知っているだろ?」
彡(゜)(゜)「うん」
(´・ω・`)「ボクはそのサンプルを預かってこの原子集団の…………」
(´・ω・`)「含有量の割合を調べているんだ」
彡(゜)(゜)…………
(´・ω・`) .。oO(はぁ……我ながら情けないな…………)
(´・ω・`)「そうだ!机に置ける小さな扇風機を買ったんだ」
(´・ω・`)「最近、とても暑いだろ?職場のエアコンは効きが悪くて」
(´・ω・`)「だから机の脇にその扇風機を置いたんだけど…………」
(´・ω・`)「これが実に快適で、涼しい空気を吹き付けてくれるんだ」
彡(゜)(゜)…………
(´・ω・`) .。oO(そりゃあこんな話を聞かされても無言になるよね)
ボクは本当にダメだな
こんな空虚で無意味な余談しかできないことが
ボクとジェフの関係の希薄さを鮮明に浮き彫りにしている
ξ゜⊿゜)ξ「あなた、そろそろ時間よ」
シェリの言葉に促され、ボクはもう一度ジェフを見た
ジェフは清潔なスーツとさっぱりとしたシャツを着ていた
しかし、ネクタイはつけていなかった
(´・ω・`)「そろそろネクタイをつけた方がいいよ」
(´・ω・`)「もうすぐ法廷の中に入ることになるのだから」
彡(゜)(゜)……………………
(´・ω・`)「さあ、ネクタイを締めよう」
彡(゜)(゜)「…………できない」
(´・ω・`)「どうして?」
彡(゜)(゜)「…………締め方が分からないんや」
(´・ω・`)「そうか」
ボクは自分のネクタイを外し、ジェフの前に進み出た
そして首周りにネクタイをまわし、結んだ
それから喉元まできちんと引っ張ってやった
(´・ω・`)「あっ…………」
ふと、ある光景が浮かんできた
その光景にはまだ幼い頃のジェフと愛犬のフリスキーがいた
二人とも大きな声で騒いでいた
ジェフはぬかるみに引きずり込まれ恐怖におののいていた
思い出のボクは大急ぎで駆けよって
泥からジェフを引っ張り出し、腕の中にしっかりと抱きしめた
その記憶が思い出された…………
すると問いかけがボクの頭の中に浮かんできた
あの時、泥におぼれていたジェフを救わねばと
駆けつけたのは演技だったのか?
(´・ω・`) .。oO(いや、違う)
産まれてきたジェフをこの腕で抱いたときに感じた
あの愛おしさは偽りだったのか?
(´・ω・`) .。oO
ジェフと過ごしてきた日々を無かったことにしたいのか?
(´・ω・`) .。oO(そんなの嫌だ)
ジェフを許しますか?
(´・ω・`) .。oO(ああ、許すとも)
(´・ω・`) .。oO
ボクはジェフの父親なんだと確信した
ずいぶんと遠回りをしてしまったようだけどようやく分かった気がした
(´・ω・`) .。oO(ああ、そうだ。ボクはジェフのことを…………)
(´・ω・`)「これでよし」
彡(゜)(゜)「ありがとう、父さん」
(´・ω・`)「ジェフ」
彡(゜)(゜)「ん?」
(´・ω・`)「愛してるよ」
彡(゜)(゜)…………
ジェフは法廷へ連れて行かれた




