第70話 複雑な心境
夜の9時頃、
マスコミの人間たちもいなくなった
ようやく静けさが戻ってきた
(´・ω・`)「母さん、トランプでゲームをしないかい?」
子どもの頃から
ボクはよく母さんとトランプでゲームをした
トランプで遊んでいると母はいつも和んでいた
( ^ ∞ ^ )「それはいいわね」
母の明るい笑顔を見ると、ボクも嬉しくなった
ボクたちはゲームを楽しんだ
いままで母の顔にきざまれていた
恐怖と不安の表情はすっかりゆるんだ
そんなときだった…………
カシャーン!!
突然、何かがはじける様な音がした
とても大きな音にボクたちは驚いた
(;・∞・)「ひぃ!なんの音だい?」
(;´・ω・` )「母さんはここで待ってて、様子を見てくるから」
(;´・ω・` ) .。oO(誰かが嫌がらせで石でも投げ込んだのか………)
それとも、もしかしたら銃を撃ってきたのかも…………
ボクは下の階に降りた
さっと様子を見渡したが何かを投げ入れられた痕跡はなかった
ボクは念のために警察に連絡した
警察はすぐに向かうと言ってくれた
そっと窓際に移動して外を見た
通りは暗かった、車は一台も通ってなかった、音もしなくなっていた
警察が到着した
彼らに守られながらボクは外に出た
花壇は踏み荒らされ、壁の何ヶ所はへこんでいた
(⌐★_★)「ダーマーさんこれを…………」
(;´・ω・` )「これは…………」
警察の方がライトで照らしてくれた壁には
すくなくとも1ダースからなる卵黄がしたたっていた
(⌐★_★)「おそらく誰かが卵をぶつけたのでしょう」
(;´・ω・` )「ひどい…………」
ボクはまだ警察がいてくれているうちに
ホースを引っ張ってきて、水をかけ、洗い流した
(⌐★_★)「なにかありましたらまたお呼びください」
(;´・ω・` )「すみません、ありがとうございます」
ボクは母のもとへ向かった
母は当惑して、恐怖におののき、よるべのない表情をしていた
ボクはこれから先その顔を忘れることはできないだろう
それほど母は怯えていた
(;´・ω・` )「卵だったよ」
(;・∞・)「卵?」
(;´・ω・` )「誰かが家に卵を投げたんだ」
(;・∞・)「どうして?」
(;´・ω・` )…………
説明のしようがなかった
とにかく「ただの卵だったよ、母さん」と繰り返すしかなかった
それから立ち上がって、ドアへ向かった、戸口で振り返った
(´・ω・`)「母さん、おやすみ」
ボクは電気を消した
「おやすみ…………ライオネルもぐっすりお眠み」
(´・ω・`)「……………………うん」バタン
ボクは廊下に出て、ドアを閉めた
その足でジェフが使っていた部屋を見にいった
ジェフが住んでいた痕跡はなにひとつなくなっていた
(´・ω・`) .。oO(明日、ジェフとなにを話したらいいんだろう…………)
弁護士の手配でボクは収監されているジェフと会うことになっていた
心境は複雑だった
なにを話せばいいのだろう、どう接すればいいのだろう
父親としてどうしたらいいのだろう
(´・ω・`) .。oO(思えばボクは…………)
自然に父親として成長したわけではなかった
ボクは父親とはこうあるべきだと
あたかも丸暗記するように努めてきた
父親は衣食住を与え家族を養えばいいのだ
父親は必要なときに子供に助言を与えればよいのだ
父親は外に子供を遊びに連れて行ってやればよいのだ
といったステレオタイプな父親像を模範とした
(´・ω・`) .。oO(だけど、ボクの知る限り…………)
息子が殺人を犯したときの父親の対応など
誰も提示してくれていない
「愛しているよ」と言葉をかければいいのだろうか?
でも愛しているという言葉はボクの心の底から出た本心なのだろうか?
それともよい父親を演じるためのありがちなセリフではなかろうか?
そもそも、ボクは今のジェフを愛しているのだろうか?
(´・ω・`) .。oO(分からない…………分からない…………)
それでも「愛している」と言うべきなのだろうか?
それでジェフは救われるのだろうか?
(´・ω・`) .。oO(分からない…………分からないよ…………)




