第60話 親子関係
1998年9月26日
ジェフはチョコレート工場に就職したことをきっかけに
一人暮らしを始めた
彼はオックスフォード・アパートメント 213号室を借りた
ジェフの年齢を考えれば自立して一人暮らしをすることに疑念はない
だが、ジェフが一人暮らしをすることになった大きな理由は
ボクの母とジェフの関係だった
母は度重なるジェフの奇行を怖がるようになっており
二人の間には緊張が生じるようになっていた
だからボクはジェフの一人暮らしを止めようとは思わなかった
ボクとシェリは感謝祭の休暇を利用してジェフのアパートを訪ねた
ジェフの部屋は家具が少なく、きちんと片づいていた
そんな簡素な部屋には
一つだけ異様な存在感を醸し出している冷蔵庫があった
彡(゜)(゜)「今はなにも入ってないけどちゃんとキレイに使っとるんやで」パカー
ジェフは冷蔵庫を開けて、中がいかに清潔になっているか見せてくれた
(´・ω・`)「どうしてこんな大きな冷蔵庫なんて買ったんだい?」
彡(゜)(゜)「金を節約するためや」
彡(゜)(゜)「食料品が安売りしとる時に買いだめするんや」
(´・ω・`) .。oO(へーちゃんと考えているんだ)
ボクはジェフの経済感覚がしっかりしていることに感心した
ジェフは部屋を案内してくれた
シャワーカーテンが付いているバスルーム
簡易的なキッチン、そして寝室を見せてくれた
寝室には黒いランプが一対あり、テレビとパソコンが置いてあった
(´・ω・`)「あれ?この鍵って後付けされたものだ」
(´・ω・`)「どうして寝室に鍵なんて付けたんだい?」
彡(゜)(゜)「用心のためや、これなら泥棒が入ってきても安心や」
(´・ω・`)「やけに警戒しているんだね」
彡(゜)(゜)「この辺りはそんなに治安がよくないからな」
彡(゜)(゜)「誰もここへは押し入って欲しくないんや」
(´・ω・`)「それもそうだ」
こうしてジェフの部屋案内は終わった
(´・ω・`)「なかなか素敵なところじゃないか」
彡(^)(^)「せやろ」
ボクたちは満足気なジェフに見送られ帰宅した
それからしばらくして、ジェフは逮捕された
ジェフの罪状はまだ子供である少年を自分のアパートに誘い込んで
薬物を盛り、性的に虐待したというものだった
この知らせを聞いたとき
もうジェフがすることに驚くのを辞めようとしていたボクも動揺した
ジェフを守らなければと思った
そのためにボクは弁護士を雇った
母に保釈金二千ドルを払いにいってもらうために必要な手配をした
数日後
ジェフは保釈された
(´・ω・`)…………
彡;(゜)(゜)…………
ジェフの表情は当惑して、恥じ入り、深く消沈していた
今まで度々見せてきたように
悪さが見つかって不貞腐れているようにも見えた
彡;(゜)(゜)「もう二度とあんなことはしない…………」
彡;(゜)(゜)「信じてや、父さん」
彡;(゜)(゜)「ワイは彼が子供だなんて知らんかったんや…………」
(´・ω・`) .。oO(信じてと言ったすぐに嘘をつくのか…………)
ボクはその少年がジェフと会ってすぐに自分の年齢を言っていた
という証言を事前に聞いて知っていた
ジェフの言い訳は続いた
彡;(゜)(゜)「ワイは写真を撮ろうとしただけなんや」
彡;(゜)(゜)「性器に触れたことはファスナーを降ろすときに偶然当たったんや」
彡;(゜)(゜)「決して故意ではない、偶然や」
彡;(゜)(゜)「彼を傷つけるつもりなんてなかったんや」
(´・ω・`)…………
彡;(゜)(゜)「…………ごめん、父さん」
ボクはジェフを母に預けて帰ることにした
その後、ボクは数回ジェフのもとを訪れた
ジェフからも数回電話がきた
(´・ω・`) .。oO(このほんの数回のやり取りで…………)
ボクとジェフの間にあった親子という一体感はもう過去のものになったのだと悟った
ボクたちは今回の事件について一度も話し合わなかった
ジェフも話そうとしなかったし、ボクも訊こうとしなかった
お互いに利害が一致していたのだと思う
ボクたちの親子関係は軽薄なものになっていた




