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第1話 プロローグ
「陪審員のみなさん、みなさんはこれから長い旅に出ようとしています」
1992年1月30日
アメリカ・ミルウォーキー裁判所
今日この日、17人の青少年を殺害した犯人の裁判が始まった
子供の死は親にとって計り知れない悲しみをもたらす
誕生を喜び、成長を見守り、幸せを共有してきた存在
そんなかけがえのない存在が殺されたとしたら
その死を嘆き悲しみ、子供を殺した犯人を厳しく罰して欲しいと請い
そして犯人を遺族の私たちから永久に遠ざけて欲しいと
参列した多くの父親や母親がそう願ったことだろう
だけど………ボクは違った
ボクは彼、彼女らとは違う
別の現実を直視しなければならなかった
みすぼらしいアパートへ少年を連れ込んで
薬を盛り、殺したあげく性的暴行を働いて
死体を切り刻み、あまつさえその肉を食った……殺人鬼
その殺人鬼の名はジェフリー・ダーマー
ボクの息子
これは殺人鬼の息子を持つことになったそんな父親の物語




