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虐めたくない転生悪役令嬢と虐めてほしいヒロインの話  作者: 遊瑕かす
第一章 婚約破棄騒動
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序:転生した世界

 魔法が存在する世界を舞台に繰り広げられる、美少女ヒロインとイケメンキャラクターの恋愛物語。


 ここは、異世界系恋愛シミュレーションゲーム《マジカルフォーチュン〜魔法と運命の恋〜》の世界。


 ヒロインのシャルロットは、魔法使いの見習いとして魔法の勉強をしつつ、七人の攻略対象キャラクターと親密度を深めていくというストーリーである。


 そして私は、そのヒロインにことごとく嫌がらせをして虐める悪役令嬢、スカーレット・セレラトスである。


 何故自分が悪役令嬢だと知っているかというと、私には前世の記憶があるからだ。

 前世の私は、日本という島国で生まれ育った、若い頃に少しばかりヤンチャをしていただけの地味なOLで、このゲームにハマって年甲斐もなく毎日何時間もプレイしていた。


 そんなある日、私は不慮の事故で命を落とし、この世界でスカーレットとして転生したのだ。


 記憶を取り戻したきっかけは、自宅で魔法の練習中に、誤って魔力の塊を頭にぶつけてしまったことだ。

 流れて来る膨大な前世の記憶に私の頭は混乱を極め、三日間高熱で苦しむ羽目になったが、熱が下がると同時に、状況を理解した。


 それから約ひと月が経ち、明日、私はゲームの舞台となる魔法学校に入学する。

 ゲームは入学式の日からスタートするので、今はまだゲームのシナリオは始まっていないということになる。


 この時点で前世の記憶を取り戻せたことは幸いだった。


 ゲームのシナリオでのスカーレットは、魔法の才能溢れるヒロインが自分の婚約者や目立つ男子生徒と親密そうにしていることに嫉妬し、様々な嫌がらせをする。その結果、最終的には断罪されて処刑されてしまうのだ。


 折角大好きなゲームの世界に転生できたのだから、処刑されるなんて絶対に嫌だ。

 それを回避するためには、ヒロインを虐めないことが絶対条件。

 スカーレットの婚約者である王太子コルトとの恋路も、この際だから応援してやろう。


 コルトは王道の王子様キャラで、ゲームファンの間では一番人気だったが、私の推しキャラではなかったので、記憶を取り戻した今、彼と婚約破棄するのは気持ち的には何も問題ない。

 まぁ、婚約破棄となれば、いくら侯爵令嬢の私でも次の嫁ぎ先があるかはわからないが、その辺は父がなんとかするだろう。

 いざとなったら結婚せずに魔法を極めて自由に旅をしながら生きたっていいのだ。


 よし、そうと決まれば、ヒロインの恋路を応援し、穏便に婚約破棄へもっていこう。

 王太子の心変わりが理由の婚約破棄なら、慰謝料はたんまり貰えるはずだ。それを元に余生を過ごすことにしよう。そうしよう。


 私は意を決して、拳を握り締めるのだった。

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― 新着の感想 ―
Okay, no problem...btw I understand :)
日本国召喚(ジャパン・サモン)のような小説を作ることはできますか?2045年の6つの超大国が異世界に転移する物語が読みたいです。 アメリカ合衆国(北アメリカ) ロシア(ヨーロッパ/アジア大陸) 中国…
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