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猫と勧誘

「起きろ、起きろ!」勇ましい怒号で猫は目が覚めた。そこは無機質なコンクリートに囲まれた味気ない白い小部屋だった。

「やっと起きたか!やりすぎて死んだかと思ったぜ」ブルースカート教の信者と同じ格好の男で右手に包帯を巻いた男が猫にまたがりうるさい声を満遍なく浴びせてきた。「うるせぇ!どけ!俺は戻る気ねぇぞ。」猫は自分を引き戻しにきたのだと思い暴れた。「違う違う、俺は教団への反逆者さ。」

男は猫から離れ弁解をした。「じゃあ、お前はだれだ?」猫は当たり前の質問をした。「俺は「シナモン」だ。「反逆軍ホワイトスカート」の総長をしている。

よく見ろ履いてるスカートが白いだろ。」

シナモンはスカートをパタパタさせている。

「とりあえず今の教団の現状を話そう。

まず、ブルースカート教はB地区以外の国と同盟を結んだ。襲わない代わりに人口の100%をここの信者にしろとね。当然他の国々は怒って戦争になった。でも教祖の圧倒的な力と科学力で少しずつ同盟を結ぶ国が出来たんだ。そして、最初に同盟を結んだカボチャ大帝国がブルースカート教内に派閥を作ったんだ。それを真似する様に他の国々も教団内で派閥を作った。

そして今じゃあ世界中に広まった殺戮集団だ。俺はブルースカート教を破壊する為に仲間を集めているのさ。だが教団の力は圧倒的だ、だからこそ教団の元最高戦力のあなたがいれば、勝てる見込みが出てくる」

シナモンは懇願した「お願いだ。我々に協力してくれ。奴らを潰すにはあんたの力が必要不可欠だ!」猫はあしらった。「嫌だね、俺のテレビを壊したんだ。それに俺が強かったのはブルースカートの武器があってこそだ、ただのライフルとかで戦えってんならお前らに勝つ見込みはないよ。」

猫はシナモンを無視して出口を探した。

「あんた、自分が何に襲われて気を失ったか忘れたのか?」猫の頭に襲われた時のフラッシュバックが映る。「そうゆうことか」

シナモンは立ち止まった猫に近づく。

「そうだ。我々はただの市販品の武器で敵うとは到底思ってない。私は奴らに勝つ為、独自で兵器を完成させた。あなたの「相棒」も奴らから盗んだ。」そう言うとシナモンは猫に特殊な大砲の様な物を渡した。

それは細長い猫の形をしており銃口がお尻で持ち手が顔だった。猫が教団にいた時の専用武器だ。「「CATちゃん1号」だ。捨ててあったが直したので使えるはずだ。」

CATちゃん1号は教団が猫の為に作った猫の専用武器だ。弾は毛糸で糸の形を変え、網にしたり、首を絞めたり、応用が効くトリッキーな猫の相棒だ。「よく見つけたな。でもなこれがあるからって俺がここに入るメリットが何もないんだが。危険な事はもう懲り懲りなんだよ。ゆっくり家でテレビ見てるのが俺の今の幸せなんだよ。」シナモンはピンときた。

「あんたを連れ去った時、燃えている小さな家があったけど多分あんたの家だぜ。」

猫は目を血走らせてシナモンに近寄る。

「はぁぁ!?誰が!なんの目的で!…お前らかぁぁ!」シナモンは必死に弁解する。「違う!俺じゃない!多分B地区担当の派閥だろう。」

猫は怒りを抑えれない様だった。「あいつら殺して金奪ってまた家を建てる!今生きる意味ができた。お前も協力しろ!」

シナモンは嬉しそうに猫と握手した。

「そういえば、なんでお前、俺の相棒やブルースカート教の内部の情報を知ってるんだ?」

シナモンに聞こえなかったのか部屋から行ってしまった。「さぁ来てくれ、ホワイトスカートに入ったんならこれを履いてくれ」

シナモンは白い、猫にはダブダブのスカートを渡してきた。「でけぇよ、もっと小さいサイズないの?」猫は文句を言った。「これ以下だとこれしかない」シナモンは履いたら猫の体がちぎれてしまいそうな小さな小さなスカートを出した。「マジか…」猫は諦めてウエストだけが合うダブダブのスカートを履いて、

どこかに向かうシナモンについて行った。

「どこ行くんだ?」猫は転けそうになりながらシナモンについていく。「今の反逆軍のメンバーに紹介しないといけないのでな、歓迎をするのさ。」シナモンは沢山ある扉を無視し一直線に歩く。「あのさ、この建物はなんなんだ?」シナモンは食い気味に答える。「ここは教団の支部教会の廃墟だ。一般人も教団も近づかない此処はかなりいい所だったんだ。」

猫は支部教会の廃墟なんてどうやって見つけたのか疑問だったが頭に留めた。

「よし、ここだ。」シナモンは沢山ある中扉の中で一番目立つデカい扉を開けた。「まだ来ないでくれ」シナモンが小声で言った。「みんなよく集まってくれた。今日は今まで一番いい知らせだ。なんとブルースカート教の元最高戦力の猫さんが来てくれた!さぁ入ってください。」猫はそんなに上げてくれるなら入って瞬間に歓声が上がるだろうとウッキウキで部屋に入った。

そこには、シナモンと1人の子供と見覚えのある男がいた。

「な、なぁ…これで全メンバーか?」猫は不安そうに聞いた。「心配するなコイツらの実力は一つの国を滅ぼせるくらいには強い!」

シナモンはカボチャ頭の子供を指さした。

「こいつは「パンプ」訳あってカボチャ大帝国から亡命してきた奴だ。こいつは子供だが

兵器作りに関してはブルースカート教に勝るほどだ。」次にシナモンは見覚えのある男を指さした。「コイツは「ジャック」ブルースカート教から逃げているときに脅…スカウトした男だ

コイツはテレビを頑丈なシャルターにする変な趣味を持っていてな使えると思って引き入れた。」ジャックはビクビクしてなんで自分がここにいるのかわかっていなさそうだ。多分脅されたんだろう。「これで全メンバーだ、今まではサポート面のメンバーだったが遂に戦闘ができる奴が入った。やっと俺たちの活動が始まるぞ!」シナモンはかなり自信をもっていた。

猫は怒りに任せて手伝うと言った事を後悔した。

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