On denoting
ギタリストは言う。
「この渋谷公会堂がまだ古い時、バックでバンドのメンバーとタバコを吸っていた」と。
「今日は歌えないから、代わりに踊って楽しんでね」と気遣いする台詞。
あのギスギスして、どこか攻撃的だったギタリストは、変わったのか?しかし、まさか言及するとは。
還暦過ぎたからか、ヴォーカリスト様が実質リタイアしたからか、ヴォーカリスト様に対して、時折、言及はしていることはわかっていた。
ヴォーカリスト様を調べる中で、二次資料として、このギタリストについても調べている。ヴォーカリスト様が優先とはいえ、調べていた時点でシングル曲になっていたものについては最低限聴いた。
ただ、信憑性が低い情報として、ギタリストがヴォーカリスト様を思って書いた曲は「紅白歌合戦で歌った曲」とライナーノーツに書いてあるとあった。
果たして、そうだろうか。
確かに、他の曲よりは、よぎりはしたかもしれないが、直感的に、おそらくビジネス的発言だと思った。
調べてみると、歌詞的にはおかしくない.
しかし、そんなに素直に感情を書くとは思えない。
というより、ご自身用に作られた曲のなかで、歌詞がある曲で、一度でもヴォーカリスト様が最初から最後まで頭によぎらなかった曲があるなら逆に知りたい。
聴いた中で、単なる音源にも関わらず、そう、生の演奏ですらない空気信号に微妙に色が付いていたのは別の曲。
このギタリストの調べた限りから想定される性格を考えると、もし本当にライナーノーツの曲であればリマスターでもしてシングルにしている可能性が高い。ビジネスセンスは抜群だ。やらないとは思えない。
だが、2014年から2016年までに発売されたシングルはこの曲のみ。しかも発売日は2016年。前後のシングルは2013年と2018年である。「ベストアルバム」からの「先行シングル」。
Wikipediaに記載されていたテーマは「誇りを持て」だと言う。この曲についてギタリスト本人のヴォーカリスト様に関する言及は、調べた範囲では見つからなかった。
この時期の「彼」の発言は「注目されている」。にも関わらず「発言が少ない」。本来なら「売り込み時」だ。だが、ベストアルバムが精々で「彼」は「自分自身のプライド」まではビジネスとして「売らなかった」と推察される。そういう意味でも「わがまま」だ。
ただ、なんとも言えない、だが空気信号に乗る色がもがいている気がした。伝わらない何か。
そう、なぜか、それを、もう少しすると思い出す事象が起こる。真夏の夜の夢というには、少し早すぎる初夏の歪んだ夢。