現代の生活
水色のカーテンへ太陽の日差しが照らされ、隙間から漏れた光が刺激となり目が覚めた。
「ふぁぁ まだ7時じゃん」
夜型の達也にとって朝7時はまだ早朝なのだ。
カーテンの色を水色から黒色へ変えようかと悩みながら、部屋から出て顔を洗い始めた。
達也の住む家は、住宅街から外れた場所にある一軒家に住んでいる。
そんな家に俺は誰にも見つからない様に、ひっそりと過ごしている。
男が現代を生きていくには、絶対的ルールが一つある。
【 女性(Female)を恐れること 】
現代の街には、男性はほぼ見かけなくなった。
半年前ごろだったか、女性が男性を見ると喰らいたくなる。という現象が発生したのだ。
世界中の出来事なのか・・わからないが、ニュースを見る限り日本中では各地で発生したようだ。
想像するならゾンビ映画の様な絵図だった。
だがゾンビとは異なる点がある。
男性を見ると食人となるが、普段は社会性を保っている普通の女性だ。
男性は現代の女性にほとんど食い散らかされたが、
ずっと電気やガスといったライフラインは確保されているし、
スーパーやショッピングモールは営業している。テレビ番組もやっているしSNSも稼働している。
何ら変わりのない日本である。男性がいないこと以外は。
顔を洗い終わった達也は、リビングへ移動し、
ヨーグルトとオレンジジュースを冷蔵庫から取った。
ヨーグルトは腸に良いし、オレンジジュースにはビタミンがあるから美容にいい。
食べ終わったあとに、ランニングをしたいが、こんな世の中じゃ走りにはいけない。
だからといって筋トレは基本的に厳禁である。
基本的には家で隠れているが、食料確保をする為に外へ出る時がある。
その時に、ゴリゴリに筋肉が発達していたら男だと疑われかねないだろう?
腹筋を軽く鍛えるくらいに留め、足を細く美脚になるよう努める。
美容にも気を遣うし、化粧だって覚えた。母親が使用していたカツラと服を着るんだ。
これが現代の男の生き様だ。いや俺だけなのかもしれないが。