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8話

「ペーターは今、レベルはどのくらいだ?」


相手パーティのリーダー、カイが聞いてきた。


「ボクは今、11です」


「そうか、オレは今、15だ、他のメンバーは全員13だ、だから何かあれば遠慮なく頼ってくれ」


ペーターの周りを4人が囲むようにして歩き、そのすこし後ろを私がついていく。

もう腹も立たない、いやむしろ今はちょっと面白い。

この4人に少し興味がわいてきている、こいつらどんなパーティなんだろう、

まがりなりにも、中級冒険者なわけだし、

ペーターにとってもいい経験になるだろう。


「ところでヒズキさん、おたくのパーティの戦い方は、いつもどんな感じなんだい?」


盾役のキイが聞いてきた。


「えーーと、いつもペーターに任せてる」


「はあ?、で、あんたは?」


「見てるけど・・・」


「それ、ひどくない?」


「ねーーちょっとびっくり、ペーターかわいそう」


「まあまあ、みんな、だから今日はオレ達が仲間ってものをペーターに教えてやろうぜ」


ふん、やっぱりこいつウザい


ペーターは困った顔でだまっている。

夕べ、ペーターにはあいつらが何言っても反論しないで、だまって聞き流せといってあるのだ


しばらく歩くとトロルの住む山までたどり着いた。

それほどは高くないこの山の頂上付近にトロルどもはいるらしい、

ここからは山登りか、ちょっとめんどい・・・


ちなみに

トロルは図体がでかく力が強い、しかしその分動きが遅く、それをカバーするように

森の中に身を隠し、気配を消して行動する。

だから、森に入ったらその姿が見えなくても気を抜いてはいけないのだ。


「こうやってペーターと歩いてると、なんだかピクニックみたいね」


「おいおい、もうすぐトロルのいる場所だぞ、そろそろ気を引き締めろよ」


って、そろそろじゃなくって、もう気を張ってろよ、

こいつら呑気だな、ほんとに中級か? 

ペーターは・・・手は絶えず剣の柄に添えられている、

ふん、伊達にいつも死にかけてないな、



「ぐおおおおおーーー・・・」


「なに今の、」


「叫び声だな、トロルか?」


「よしみんな、戦闘準備だ」


「ヒズキさん、あんたいつも見てるだけなら、今回はオレ達とペーターで5人パーティを

 組ませてもらうぜ!、 ペーター、キイが盾になる、オレとお前で直接攻撃を仕掛けるぜ!」


「後方からの援護は私達にまかせて、安心して戦って!」


「見えたわ、あそこ、トロルよ」


まだ山の中腹だが、1体のトロルが現れた、

だらんとした、だらしない体型だが身長は3メートルほどもあり、人と比べてかなりの大きさだ、

動きが遅いとはいえ、その一撃をくらえば、かなりのダメージは免れないだろう。

そして、その手には、凶暴な形のメイスが握られている。


トロルは真っすぐ突進してきた、そしてメイスを振り上げて盾役のキイめがけて振り下ろした。

それを正面で受け止め、その隙を見てリーダーのカイが槍を突き刺す、

後ろの魔法使いからもショックボルトの呪文とともに、イナズマが走る。


動きが止まったトロルにさらにカイとキイの槍と剣が刺さる。

もう1人の魔法使いケイが強化魔法の詠唱を終えた、メンバーの防御力が上がった。

そしてすかさず、攻撃魔力強化の魔法詠唱に入る。

チームワークは良さそうに見えるけど、なんだかペーターの奴、やりづらそうだな。


もう1人の魔法使いはまたショックボルトを放とうと、詠唱に入った。


その術者の最大レベルの魔法を使う場合、

詠唱破棄で魔法発動をさせることはできない、やはりそれなりの時間を要することになる。


2人の魔法使いから、ほぼ同時に攻撃力強化と攻撃魔法が放たれた。

トロルの動きが再び止まった、戦士2人は反撃覚悟で決死のアタックをする!


ペーターが2人のサポートをする、足を狙い、トロルの膝をくじく、頭の位置が下がったところに

カイとキイの攻撃が決まった、急所をとらえ、トロルを仕留めた。


「やったぜ!」


「いいチームワークだった、みんなよくやった」


「うん、よかったよ」


「おつかれ!」


「みなさん、おつかれさまでした」


ペーターが最後に言った、しかし、ペーターだけは抜いた剣を鞘におさめていなかった。



ゴッキーーーーン!!


キイが吹き飛んだ、


とっさに盾を出して防いだとはいえ、そのメイスの一撃は不意を突き、

大きなダメージを負わせた。


「ヒール!」 「ヒール!」


ペーターとケイがすかさずキイに回復魔法を唱える。

血反吐を吐きながら立ち上がるキイ、すぐには戦える状態にはならないだろう。


周りの木のかげから、1体、また1体と・・・トロルが現れた、


「囲まれている?、そんな、いつの間に!?」


カイの声からは、その動揺が伝わってきた。






ここまでお読みいただきありがとうございます。


少しでも面白いと思っていただけたなら、

是非 評価とブックマークを、

よろしくお願いいたします。

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