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7話

「いや、ボクは好きでそうしてるから・・・さそってもらうのは有り難いけどお断りさせてもらうよ」


お?、なんだペーター、うちのパーティが気に入ってるのか、そうか、


「あ、マスター、ギルドへの報告は終わったんですか、今日はこのあとどうしますか?」


「あ、うん、そうね、どうしよう・・・」


「あんたヒズキさんだっけ?、オレ達今ペーターと話してたんだけどさ、」


ペーターを引き抜こうとしていた4人パーティのリーダーらしい男が話しかけてきた。


「オレ達、ペーターを高く評価してるんだよ、

 もしペーターが望むならオレ達のパーティに入ってもらってもいいと思ってる、

 あんたはどうなんだい? このままあんたのパーティで働かせることが

 ペーターのためなのか、考えてみてもいいんじゃないのかい?」


うっ、私 生理的にこいつキライ


「やめてくれないか、ボクは今のパーティに不満はないよ、

 ごめんなさいマスター、気にしないで下さい」


「でも、他のパーティのことを知らないから今に不満がないだけかも・・・」


「うん、そうよ、だったら一度私達のパーティと合同で依頼を受けてみたらどうかしら?」


「ああ、いい考えだ、どうだいヒズキさん、オレ達ペーターと一緒にやってみたいんだよ」


うーー、こいつペラペラと勝手なこと言いやがって、お前らの提案は全部お前らのためのものじゃねえか!だいたいペーターは好きでやってるって・・・

・・・好き嫌いじゃなくて損得でいったら、ペーターの得ってなんだろう・・・


「わ、私は、合同で依頼受けてもいいけど・・・」


「マスター、無理にそんなことしなくても、」


「あ、いいのよ、たまには他を見るのも、私も興味あるし、」


「よし決まりだ!、じゃあ次の依頼はオレ達のパーティと合同でだ!、受ける依頼はオレ達で選んでもかまわないな?」


「え、あ、いいわよ、どうぞ」


「よし、みんな、何かあるか掲示板のところに行ってみようぜ」


そういって、その4人は早速依頼を受けるため掲示板を見に行った。

私とペーターは、なんだか取り残されたようにポカンと立っていた。


考えてみれば」ペーターと組んでからもう1か月近くになる、

その間いくつかの依頼をこなし、ペーターは確実に強くなっている。

他の冒険者が目をつけてもおかしくはない。

うーー、しかし、なんか釈然としないな、

ペーターがレベル1のときは、みんな見向きもしなかったくせに・・・


そういえば、ペーターって、


「ペーター、あんた今、レベルいくつ?」


「前回レベル認定してもらったときがレベル11でしたから、

 今はもう少し上がってるかもしれません」


な、なな、なんと!、11? いつの間に、ってこいつ1か月たらずでレベル10も上げてんのか、、あれ?もしかして中級冒険者?

そりゃ、スカウト来るわ、


「すごいわね、あんたもう中級なんだ、才能あるかもね」


「はは、才能なんて・・・だって毎回死にかけてますから、そりゃレベルも上がりますよ」


たしかにこいつ、毎回かなり やばかったりしてるな、


「あんた毎回死にかけてんのに、何で私のパーティにずっといるの?」


「え?、うーーん、それはですね、」


ペーターは少し考えてから言った


「マスター、初めて討伐に行ったときのこと覚えてますか?」


ん?、ああ、リッチーのときか、


「うん、覚えてる」


「あのときボクはマスターをおいて逃げだそうとしました、

 でもマスターはそんなボクを守るため囮になって攻撃を受けてくれた、

 命がけでボクを守ってくれました、だから今度はボクが命がけで

 マスターのために働こうと決めたんです」


「ふーーん、そうなの、」


私、ただ逃げ遅れただけなんだけど、、肝心なところに大きな誤解があるわね、

まあいいわ、それにしてもこいつ、絶対だまされるタイプだわ。



「ヒズキさん、依頼受けてきたぜ、いよいよ一緒に戦えるな、楽しみだ」


ちょっと、相談もなくいきなり決めてこないでよ、ほんとこいつキライ


「あの、それで、依頼の内容はなんですか?」


ペーターが聞いた


「ああ、西の山の上にいるトロルどもの討伐だ」


「トロルですか、少し難しいのでは?」


ペーターは難色を示した


「大丈夫さ、ペーターは今まで自分と同等レベルのパーティメンバーと

 協力して戦ったことがないから分からないのさ、

 パーティのほんとうの意味を教えてやるぜ!」



「ねえ、それより、一緒に戦うことが決まったんだから、自己紹介しときましょうよ、

 私はクーよ、魔法使いなの、よろしくペーター」


「私はケイ、私も魔法使い、回復と強化が専門、よろしくペーター」


「オレはキイだ、盾役の戦士さ、よろしくペーター」


「最後にオレはカイだ、槍使いの戦士だ、

 そしてこのパーティのリーダーでもある、よろしくペーター」


戦士の二人は、革と金属プレートを組み合わせた青いライトアーマーを

そして、魔法使いは、ワイヤーを編み込んだローブを、同じく薄いブルーに染めて

チームとしての色を揃えている、彼らの年齢はきっと、私やペーターと

それほど変わらないだろう、もしかしたら、ひとつ、ふたつ年上か・・・

しかし、冒険者としてのキャリアの差は、経済力の差としてその装備に

はっきりと表れている。


しかし、それだけではなく、なぜだろう、こいつらからは金持ちの匂いがする、


「私は、ヒズキです、よろしく・・」


「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」


・・・・・・


「あ・・、ボクは、ペーターです、魔法剣士です、よろしくお願いします」


「ああ!、よろしくー!」


よろしく!、と他の3人も声をそろえた。


とりあえず、出発するのは明日の朝ということになった、

集合場所と時間を決めてひとまず解散することにした。


「じゃあ明日、遅れるなよペーター、」


そう言って、偉そうに去っていった。

彼らが帰っていった方向は私達が宿泊する安宿街とは違う上級宿がある場所だ、

きっと羽振りがいいのだろう。


「あいつら、いい宿泊まってそうだな」


「ええ、そのようですね、でもボクは賛成しかねます、気が緩みますから」


そういえばペーターが贅沢しているところを見たことがない。


「ペーター、まだ時間がある、お前の装備をすこし整えようか」


「え?、そんな、ボクお金ないです」


「買ってやるよ、ボーナスだ、いくぞ」


防具と武器を揃えられる大きな店に入ってみた。

私的にはちょっとカッコいい鎧みたいなのがいいかな、なんて思ったのだが、

ペーターは貧乏性なのか、革製の防具で所々に金属プレートがはめ込んである

軽量なものを選んだ、そして剣も大剣ではなく、短めで軽そうなやつだ、

まあ、たしかに動きやすそうではある、が、やはり遠慮があるのだろうと思い

ペーターが選んだものの、もうひとつ上級の物を選びなおさせて、

ナイフも追加して購入した。


「マスター、こんないいものを、しかもフルセットで買ってもらえるなんて、

 ほんとうに有り難うございます、明日はマスターに恥をかかせないように、

 一生懸命戦います!」


「まあ、ほどほどにがんばりなさい、あいつらと一緒なんだから、

 あんまり無理してもしかたないわよ」


「はい!」


さてさて、どうなることやら・・・




ここまでお読みいただきありがとうございました。


少しでも面白いと思っていただけたなら、


是非、評価とブックマークをよろしくお願いいたします


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