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実技試験終了後

武尊たちは淡い光に包まれて元いた場所へ戻ってきていた。


「タケルさんっ!」


武尊は声が聞こえてきた方向へと目を向ける。

そこにはこちらに駆け寄ってくるエリスの姿が………


「エリスもやっぱり無傷か」

「タケルさんもですね。怪我がないかちょっと心配しましたけど」

「心外だな。さすがにそれはねぇよ」

「そうですね。でも、心配したのは本当ですよ?」


くすくすとエリスが上品に笑う。

武尊は苦笑しながら周りに目を向けると、目を見開いている明日香達がいた。


「なんだよ………」

「アンタエリスさんと知り合いだったのね……」

「知り合いって言うか……もっと親密な……」

「わあ………大人だ」


加奈は呆れているような表情、智樹は苦笑しており明日香は口に手を当てて顔を赤くしている。

なんだが邪推されているな、と武尊はエリスを紹介することにした。


「エリスは最近家にホームステイしてるからな。そりゃ仲はいいさ」

「むぅー」


隣を見ると、エリスは頬を膨らませて不満そうにしている。

武尊は小動物みたいで可愛いな、などと考えていると


「実技試験お疲れ様です。本日はこのまま解散となります。お疲れ様でした。」


事務的なアナウンスが聞こえてくる。

周りは疲れたななどと話しながら武道館を後にしていた。


「僕たちも帰ろっか」

「あ、じゃあ祝勝会しようよっ!エリスさんも来るよねっ!」

「え、でも別のクラスですし………」

「大丈夫よ。気にする奴なんてこの場にいないし」

「………では、お言葉に甘えて」


どうやら近場のファミレスに寄っていくことになりそうだ。


「俺は愛奈に声をかけてくる。ちょっと校門で待っててくれ」

「りょうかいっ!じゃあいこエリスさんっ!」

「えっ、えええぇぇぇぇ」


明日香はそのまま荷物を持ってエリスを連れていく。

ちゃっかりエリスの持っていた荷物を確保している当たり容量がいい。


「もうっ。じゃあ先行っているわね」

「あぁ、すぐに行くよ」

「じゃあ、僕は呼びに行くの着いていくね。いきなり知らない人達の中って気を使うし」

「悪いな。じゃあ、行くか」


武尊と智樹は一年生のクラスへと足を運んで行った。









「あっおにいだ!ちょっと待ってね!」

「わかった。知り合いを待たせてるから早めにな」

「はーい」


友人たちと話していたらしい愛奈は武尊に気が付き準備を始めた。


「あんまり似てないんだね」

「あぁ、可愛い義妹だろ?母親の連れ子なんだ」

「ごめん………あんまり気持ちの良い話題じゃないね」

「いや、俺としては可愛い義妹を自慢したいくらいだね」

「ははっ。確かに自慢したくなる気持ちもわかるよっ」


智樹との何気ない会話。

武尊はそれを楽しんでいることに気が付いた。

異世界を含めて同性の友人と呼べるものが少ない武尊だ。

戻ってきてからも異性ばかりが居る家で過ごしていたのだ。

久しぶりに話す同年代の男子がこれほど話しやすいとは思わなかった。


「ごめん!おそくなちゃった!」

「大丈夫だ。こっちは智樹、今日同じグループで戦ったクラスメイトだ」

「そこは普通友達じゃない?ごめんね、僕は遠藤 智樹って言うんだ。愛奈ちゃん…でいいかな?」

「はいっ!ともちゃん先輩!」

「ん?ともちゃん?」

「はいっ!顔が可愛いのでともちゃん先輩!」

「え……あははは、おもしろい義妹さんだね……。」

「なんかごめんな」


コンプレックスなのか苦笑する智樹。

確かに中性的で、男物の服を着ているにも関わらず女性と間違われナンパされるほどだ。


「いいよいいよ。それよりもみんな待たせてるしそろそろ行こっか」

「そうだな。行くぞ愛奈」

「あ、待ってよおにい!」

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